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答弁本文情報

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昭和五十六年十月二日受領
答弁第一号
(質問の 一)

  内閣衆質九五第一号
    昭和五十六年十月二日
内閣総理大臣 鈴木善幸

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員井岡大治君提出労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタントの制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員井岡大治君提出労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタントの制度に関する質問に対する答弁書



一について

 労働災害防止の基本は、関係労使の安全衛生意識の高揚、危険有害な設備・作業環境の改善、事業場における管理体制の確立、自主的活動の推進等であるが、中小企業においては技術的・資金的な問題等からこれらの対策が十分に講じられ難い実情にある。
 このため、政府としては、中小企業を中心として監督指導に努め事業場の安全衛生の改善を促進するほか、中小企業の安全衛生水準の向上を図るための各種融資・補助制度の実施、安全衛生教育センターにおける教育の充実、労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント(以下「労働安全衛生コンサルタント」という。)等民間能力の活用等の労働災害防止に関する諸施策を講じているところである。
 今後とも中小企業の労働災害防止対策を促進するため、積極的に取り組んでまいりたい。

二について

 労働安全衛生コンサルタントは、労働大臣が行う試験に合格したそれぞれの分野における専門家であり、企業等の依頼を受けて安全又は衛生についての診断・指導を業として行う者である。
 政府においては、@安全衛生管理特別指導事業場に対する診断、A安全衛生改善計画の作成指導、B中小企業共同作業環境管理事業における指導、C各種講習会等の講師、D安全衛生パトロール等の実施等について、労働安全衛生コンサルタントの活用についての勧奨を行つているところである。
 なお、労働安全衛生コンサルタントは行政が制度的に直接活用するものではないので、労働安全衛生コンサルタントの活用状況については把握していない。

三について

 労働安全衛生コンサルタントの活用の勧奨については、労働災害防止計画、毎年度の労働基準行政運営方針等により都道府県労働基準局にその統一的運用について指導しているところである。
 しかしながら、労働安全衛生コンサルタント制度が発足して日が浅いこともあり、労働安全衛生コンサルタントの人員・専門分野等について地域的に著しい格差があるため実際の活用に差異が生じており、労働安全衛生コンサルタント制度が必ずしも十分に機能していないので、今後、労働安全衛生コンサルタントの量と質の確保等に努めてまいりたい。

四について

 安全管理士及び衛生管理士は、労働災害防止団体法に基づき設置された労働災害防止団体に属する職員であり、主として同団体の行う会員事業場等への技術指導を担当する者である。また、労災防止指導員は、安全衛生行政の補完的なものとして、民間の学識経験者が非常勤の国家公務員として都道府県労働基準局長の指揮の下に特定の事項について活動を行うものである。
 これに対し、労働安全衛生コンサルタントは、労働安全衛生法第八十一条に規定されているように事業場の安全衛生についての診断及びこれに基づく指導をそれぞれの専門分野について業として行うものであり、その業務は、高度な技術的専門的分野であり、前二者の業務内容と競合するとは考えない。

五について

 労働安全衛生法第八十七条は、労働安全衛生コンサルタントの品位の保持及びその業務の進歩改善に資するため、全国を通じて一の日本労働安全衛生コンサルタント会と称する民法第三十四条の規定による法人を設立することができる旨規定しており、政府としては、法人設立のための条件整備を待つて許可することとしたいと考えている。
 また、労働安全衛生コンサルタントに対する労働安全衛生法第百七条に係る援助については、資料等の提供はもとより機会あるごとに意見交換及び情報の提供に努めてきたところであり、今後とも必要な援助を行つてまいりたい。
 なお、全国安全衛生コンサルタント会においては、現在、法人設立に向けて検討が進められており、政府としては、必要な指導助言を行つているところである。

 右答弁する。




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