衆議院

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昭和五十九年十二月二十五日受領
答弁第四号

  内閣衆質一〇二第四号
    昭和五十九年十二月二十五日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 (注)永健司 殿

衆議院議員渡部行雄君提出ソ連抑留捕虜の労働賃金補償に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員渡部行雄君提出ソ連抑留捕虜の労働賃金補償に関する質問に対する答弁書



一について

 捕虜を給養すべき義務が捕虜を抑留する国にあることは、当時の国際法において確立していたと考えられるが、捕虜の給養に要した費用を最終的にだれが負担するかについては確立した国際法規はなかつたと考える。

二及び四について

 先の大戦に関しては、戦中及びそれに引き続く戦後において、すべての国民が、多かれ少なかれ、何らかの犠牲を余儀なくされたところであり、政府としては、戦後強制抑留されて死亡した者や負傷した者についてはできるだけの措置を講じてきたところであるが、昭和四十二年の「引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律」の制定をもつて、あらゆる戦後処理措置は終了したものと考えてきたところである。
 また、戦後強制抑留者問題を含め戦後処理問題について、二年半にわたる検討を行つてきた民間の有識者による戦後処理問題懇談会は、シベリアに強制抑留されたこともまた国民がそれぞれの立場で受けとめなければならなかつた戦争損害の一種に属するといわざるを得ず、戦後強制抑留者問題を含め戦後処理問題についてはもはやこれ以上国において措置すべきものはないとの意見を取りまとめ、昭和五十九年十二月二十一日、内閣官房長官に報告しているところである。

三について

 大東亜戦争陸軍給与令(昭和十八年勅令第六百二十五号)第四十五条の規定は、軍人等が「帝国陸軍」の下にあることを前提としたものであり、これらの者が他国に捕虜として抑留されている場合についてまで適用されるものではなかつた。

五について

 昭和二十二年三月十八日付け覚書(C・L・O No 1857(RJ))が存在することは承知しているが、戦後処理問題についての政府の考えは二及び四についてにおいて述べたとおりである。
 ちなみに、同覚書は、ソ連当局発行の受領書(duly certified receipts)を持ち帰つた日本人帰還者に対して日本政府がソ連政府に代わつて支払を行い、日本側が支払つた金額については毎月ソ連政府に報告し、その金額は将来のソ連からの物品購入の資金として貸記されるべきこと等につきソ連政府の了承を得べくGHQ(連合国最高司令官総司令部)の周旋を求める旨記述したGHQ宛文書であるが、同覚書がソ連側に伝えられたか否かを含め、GHQによりいかに取り扱われたかは、承知していない。


 右答弁する。


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