衆議院法制局採用情報

衆議院法制局長から

ダブル・ジェットコースターの世界を覗いてみませんか
〜あるいは「不易」と「流行」〜

法制局長写真

皆さん、ジェットコースターはお好きですか?「来るぞ、来るぞ…」と予見はしていても、急にそれがやってきたときの落下や回転のスリル感を、たまらないと思う人も多いのではないでしょうか。他方、これだけは絶対に嫌だ、という人もおられるでしょう。

現在の我が国を取り巻く内外の情勢は、多くの識者が指摘するように、ますます流動化しています。人口減少によって縮小する日本社会、生成AIの驚異的な進展、常任理事国ロシアのウクライナ侵略等々。ワクワク、ドキドキのジェットコースターどころではない、とてつもなく不透明な世界に突入していると言っても過言ではありません。
  他方、そのような事態に対処するための国家としての政策的営みについては、第一義的に国会が定める法律によってその活動の根拠が与えられることになるのが、法治国家としての大原則です。日々変転する社会・経済情勢に対応した立法政策に関して、私たちは、与野党全ての会派からの要請を受けて、法律案の立案、その前提となる法令調査などの両面から、立法補佐活動を行っています。その作業は、「一寸先は闇」と言われる「永田町」の伝統に違わず、一定の政治的条件の下で結論を出すため、法案の内容的な面でもスケジュール的な面でも、これまたジェットコースターのようなスリル感を味わうことも少なくありません。

私たちの職場は、このように「時代状況の流動性」と「永田町の特殊性」といった二重の意味でジェットコースター感たっぷりの執務環境にあります。しかし、私たちは、時流にキャッチアップすることだけを念頭に置いて仕事をしているわけではありません。
  「時代の変化に対応して、迅速に変えていかねばならないこと(=流行)」を自覚するとともに、人々の幸せのために形作られてきた法治の仕組みや立憲主義といった考え方、その下で国権の最高機関・国の唯一の立法機関と位置付けられた国民代表機関である国会の役割など、日本国憲法に化体された「変わらない本質的なもの(=不易)」をも同時に抱きしめながら、目の前の仕事をこなしていかなければなりません。常に「古くて、新しい」職場です。

さあ、こんなダブル・ジェットコースターの世界を「たまらないッス!」と考えるか、「御免被りマス」と思うか…。
   まずは、ちょっとだけでも覗いてみませんか?好奇心旺盛な諸君をお待ちしています!

橘局長の署名

衆議院法制局長