衆議院法制局採用情報

私が法制局を選んだ理由

「立法のスペシャリスト・政策のジェネラリストを目指す!」

令和6年入局の職員に、衆議院法制局を志望した理由や、入局後の業務や職場の様子、採用試験対策等について聞いてみました。

回答してくれた人

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簡単な自己紹介をお願いします!

大学の教育学部を卒業して入局しました。大学では、専門の図書館情報学に限らず、言語学など興味のある授業に出ていました。法学分野では憲法や刑法を履修しました。

衆議院法制局を選んだ決め手は?

採用説明会でわいせつ教員対策法の立案経緯を聞き、憲法適合性など様々なことを勘案しながら政策を法律に練り上げていく「立法府の法律顧問」の仕事に興味を持ちました。公務員になりたい、法律に関わる仕事がしたいという思いがあった一方で、特に関心の強い政策分野があるわけではなかったので、「立法のスペシャリスト・政策のジェネラリスト」という議院法制局の仕事は自分にぴったりだと思いました。中でも衆議院を選んだのは、政治的対立のある閣法に対する修正案など、ダイナミックな仕事に携わる機会が多いと思ったからです。

入局前と入局後での法制局のイメージは?

事前に聞いていたことではありましたが、開会中は理事会や政党の会議などであちこち出かける機会が多く、一方で閉会中は想像よりも落ち着いていて席に座っていることが多いです。電話一本で急に忙しくなることもあり、緩急の激しい仕事だと思います。また、一見法律と関係がなさそうなことも調査する機会が少なからずあり、とても幅の広い仕事だと感じます。

新入職員のサポート体制は?

入局した年の4月と9月に研修があります。先輩職員による熱のこもった講義と骨のある演習問題を通じて、法制執務について学ぶことができます。
 講義で教えることが難しい内容については、先輩や上司から業務の中で少しずつ教わることになります。入局直後の4月は繁忙期に当たりますが、忙しい中でも丁寧に応対してくださり、何でも気兼ねなく質問することができます。

試験対策としてどのような勉強をした?

法律は主にオンライン予備校で勉強しました。特に民法はあまり学習経験がなかったので、最初はボロボロでしたが、頑張りました。また、2次試験の論文対策として、司法試験を目指している友達と一緒に答案練習をしていました。3次試験の口述試験については、憲法の教科書をややマイナーな内容も含めておさらいしておくとよいと思います。なお、論文試験は時事に関係する出題が多いですが、問われているのは基本的な知識・能力なので、特別な対策は必要ありません。

入局後にどのような仕事をした?

内閣・安全保障関係を所管する一部一課に配属されました。一部一課は非常に守備範囲が広いのが特徴で、悪質ホストクラブ規制のための風俗営業法改正案から、セキュリティクリアランスを導入する重要経済安保情報法案の修正まで、社会的に話題となったさまざまな案件を担当しました。子ども・子育て支援金制度に関する修正案の立案のため、入局初週から200ページ以上の新旧対照表と格闘したのは良い思い出です。
 入局してすぐに、先輩職員が書いた答弁案等に意見を求められるだけでなく、自分で法律案の条文を書く機会もあります。新人職員の意見もしばしば最終案に影響することに驚きましたが、自分の仕事が六法や会議録に残ることに責任とやりがいを感じています。
 立案のほかに、新聞に載っている所管分野のニュースをチェックすることや、理事会に陪席して所管委員会の動きを把握し課内に共有することも、若手の重要な仕事です。まずは国会内の地下通路で迷子になるところからスタートです。

採用試験の受験予定者に一言

いつでも予想外のことが起こる政治の最前線で、今までにない法律を書くというクリエイティブな課題にチャレンジできる衆議院法制局は、刺激の尽きない職場です。私のように法学部以外で学んだ方も含め、多様なバックグラウンドを持った皆さんをお待ちしています。

「大学で学んだことを生かせるお仕事です」        

令和6年入局の職員に、衆議院法制局を志望した理由や、入局後の業務や職場の様子、採用試験対策等について聞いてみました。

回答してくれた人

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簡単な自己紹介をお願いします!

令和6年4月に入局いたしました。法学部で、民法ゼミに所属し、主に判例研究や事例問題の検討を行っていました。授業は、憲法をはじめとした法律科目を中心に履修していました。

衆議院法制局を選んだ決め手は?

衆議院法制局では、所掌事務の範囲が限られる中央省庁とは異なり、幅広い分野の立法に携わることができます。様々な経験をしつつ、大学の授業等で学んだことを生かして、専門性を高めながら働けると感じ、志望いたしました。他にも、「法律を作る」という創造的な仕事ができるところも魅力だと思いました。

入局前と入局後での法制局のイメージは?

入局前は、厳格な職場だというイメージを抱いていましたが、実際に働いてみると、その印象とは異なり、親しみやすい雰囲気の職場であることがわかりました。コミュニケーションが取りやすく、先輩職員が積極的にサポートしてくれるため、業務に関して質問しやすい環境が整っています。

新入職員のサポート体制は?

入局後の4月に事務局主催の研修と法制局主催の研修の2つの研修に参加できます。事務局主催の研修では、社会人としてのマナーや公務員としての心構え等を、法制局主催の研修では、立案過程の概要や立法に関係する基礎的な知識を学びます。
 また、法制局の研修は秋にも行われ、春に学んだ内容をさらに深める機会となります。
 これらの研修を通じて、その後に役立つ知識を身につけることで、より自信を持って業務に取り組めるようになると思います。

試験対策としてどのような勉強をした?

一次試験と二次試験は、一般的な公務員試験の対策と同じように、問題演習を中心に勉強しました。二次試験の論述試験では、例えばコロナ禍での行政指導等、時事的な分野が出題されることがあります。そのため、普段勉強する法律の内容がどのように社会と関わっているのか、意識しておくと良いと思います。
 三次試験の憲法の口述試験に向けては、教科書を読み返すなどして、基礎的な知識を振り返りました。

入局後にどのような仕事をした?

私は、憲法・国家基本政策・政治改革を担当している基本法制課に所属しています。入局後に担当した案件は、政治資金規正法の改正や公職選挙法の改正などです。
 政治資金規正法の改正では、委員会での法案審査の準備において、答弁案の作成に携わる機会がありました。
 公選法の改正案では、論点メモを作成し、憲法の「表現の自由」との関係で問題とならないか、検討しました。そこでは、大学で学んだことが業務に直結していると実感しました。
 他にも、新人職員ではありますが、条文のたたき台の作成、議員との打合せへの出席、会議録等の資料の作成など、様々な業務を任せてもらっています。

採用試験の受験予定者に一言

衆議院法制局が皆様の将来の選択肢の一つとなれば、うれしいです。今後開催される説明会では、組織の概要や立案の事例紹介等、より詳しい内容を知ることができると思いますので、興味を持たれた方は、ぜひお気軽に説明会に御参加ください。一緒に働けることを楽しみにしています。

「社会問題に向き合える!」               

これまでに学んできた法律の知識を生かして働きたいというのも法制局の受験生の多くが口にする志望理由の1つです。そこで、ロースクール修了後、司法修習を経て、衆議院法制局を選んだ若手職員に、法曹ではなく、衆議院法制局を選んだ理由や入局後実際にこれまで学んできたことが生かせているかを聞いてみました。

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法曹ではなく、衆議院法制局への入局を決めた理由は?

私は、高校生になる頃には、国民が安心して暮らせる社会づくりに貢献できる仕事がしたいと考えていました。
 学部生の頃には刑事法(刑法・刑訴法・刑事政策)ゼミに入り、当時は「合法ハーブ」等と銘打って、薬物規制をすり抜けた危険な薬物(危険ドラッグ)が出回っているという社会問題が生じていた時期で、ある県が、全国で初めて薬物の効果に着目した包括規制を条例で定めたと報じられたことが印象に残っています。国としても薬物の指定方法を工夫したり、指定薬物の単純所持・使用の禁止を設ける等の法改正をしたりしていました。このような国と都道府県による立法活動が大きな効果を発揮し、危険ドラッグの問題は解決に向かったものと聞いています。
 この事例のように、社会的問題の根本的解決に向き合うことのできる立法の舞台には学部生の頃から関心を持っていました。
 立法については、議員立法と閣法とがありますが、衆議院法制局は、衆議院から提出される議員立法の全てに関与しています。すなわち、喫緊の社会問題に敏感な国会議員の問題意識に寄り添い、それを法律の専門家としてサポートする機関です。ここにいう社会問題は法分野の垣根がなく、したがって、衆議院法制局では、それに対応できるよう全ての法分野を扱う体制が整っています。
 このような法制局の職務を知り、国会議員の問題意識に寄り添うことが、今まさに必要とされている立法を社会に提供すること、ひいては国民が安心して暮らすことのできる社会づくりへの貢献として最適な道ではないかと思いました。
 衆議院法制局も法曹も、法律のプロとして社会正義の実現を目指す仕事である点では共通していると思いますが、法曹が「個別具体的な事件」を取り扱うのに対して、立法の場では「社会問題」を取り扱います。ここまでお話させていただいたとおり、社会問題の根本的解決に貢献したいという思いから、衆議院法制局を選択しました。

採用試験のために特別な勉強は行った?

私は、国家公務員総合職(法務区分)の採用なので、当局の独自試験については新人職員のお話が参考になると思います。
 法務区分の受験を思い立ったのが司法修習の実務修習期間中で、準備期間は2か月ほどだったので、予備校に通うような余裕はありませんでした。
 1次試験は、基礎能力試験のみでしたから、書店の公務員試験対策のコーナーにある参考書と過去問演習に取り組みました。
 また、2次試験には、政策課題討議試験があります。この試験では、課題に関する論点を分析して自分の考えをまとめ、他者と討論し、一定の方向性を示すことが求められていると思われます。ここでも特別な対策は特にせず、ロースクールで学ぶ内容や司法試験に向けた勉強の根底にある説明能力やリーガルマインド等のスキルがそのまま活用できた印象です。

ロースクールで学んだことは仕事に生かせている?

ロースクールで学ぶことの強みはたくさんあると思いますが、私が実感しているところを3点ほど挙げさせてもらうと次のとおりです。

1.基本六法+選択科目をしっかり学んでいる

まず、司法試験科目をしっかりと学んでいる点は強みになると思います。
 例えば、実体法の分類方法の一つとして、民事・刑事・行政に分けるものがあります。それぞれ基本となる法律を学んでいれば、制度設計における論点整理の段階で、論点の法体系上の位置付けが見えてくるので、調査において、裁判例や文献の目星が付けられたり、他の制度とのバランスを意識した議論ができたりするのではないかと思います。

2.法曹実務における法律運用を意識できる

要件事実論のような実務上の視点を持っていることもロースクール生の強みだと思います。例えば、第三者による財産的被害の回復といった問題について、「無効」とすれば、根本的解決になるでしょうか。たしかに「無効」といえば民法の教科書では「誰でも主張できる」と解説されていますが、訴訟実務となれば「返還請求権」の行使が必要になるため「無効」とするだけでは根本的解決にはならないことに気が付きます。
 また、やや司法修習の域かもしれませんが、事実認定を意識できることも、法律要件を規定する際に、実務ではどのような証拠をもって判断することになるだろうかというイメージができることに繋がり、実効性のある立案に役に立つように思います。

3.一生勉強という気持ち

とはいえ、個別の行政法規のように、これまで触れたことのない法律はいくらでもあります。初見の法律を扱うときはいつも悪戦苦闘ですが、先輩職員から読み方のコツや考え方を教えてもらいながら、日々に業務に取り組んでいます。新たな法分野にも果敢に立ち向かっていける根気強さもロースクールで身に付いているのではないでしょうか笑
 法律のプロとして仕事をする上では、一生勉強という気持ちが一番大切だと思います。

(注)職員の所属は、執筆当時(令和6年12月)のものです。