令和5年3月11日(土)から15日(水)まで、第146回IPU(列国議会同盟)会議が、マナーマ(バーレーン)において開催されました。日本国会代表団として、衆議院からは伊藤信太郎議員(団長)、亀岡偉民議員、湯原俊二議員及び青柳仁士議員が参加しました。
伊藤議員は、団長として本会議の「平和的共存及び包摂的社会の促進:不寛容との闘い」をテーマとした一般討議において演説を行いました。この中で、東日本大震災の際に受けた世界中からの支援に触れ、トルコ・シリアにおいて発生した地震の被災者支援や被災地の復旧復興への協力を表明するとともに、平和で包摂的な社会を実現するため、国際機関との連携や二国間対話を通じた協力の積み重ねによる人権問題の改善、制度の構築・整備への支援を日本として行っていることを強調しました。そして、多様な文化・多元的な価値観を持つ人々が平和的に共存する包摂的社会を共に創るため、日本が先導的役割を果たすべく努力していく旨発言しました。
民主主義及び人権に関する委員会(第3委員会)に参加した亀岡議員は、「サイバー空間における偽情報及び憎悪的で差別的なコンテンツとの闘いに賛同する議会による推進」に関する討議が行われる中、急速に拡散されたインターネット上の偽情報やヘイトスピーチによる負の影響から立ち直ることの難しさについて、自身の選出地である福島が受けた偽情報による被害とともに触れ、この経験に基づき、偽情報や差別的なコンテンツを未然に防ぐだけでなく、その被害から迅速に回復するための国際的取組や、世界中の子供たちへの教育が必要である旨発言しました。
平和及び安全保障に関する委員会(第1委員会)に参加した湯原議員は、「サイバー攻撃及びサイバー犯罪:世界の安全保障に対する新たなリスク」に関する討議が行われる中、サイバー攻撃は深刻な安全保障問題であり、各国で連携してサイバー防衛に取り組む必要がある旨述べるとともに、政府機関がサイバー防衛を名目に国内で規制をかけることは、表現の自由の観点から慎重になるべきとし、サイバー空間を利用する市民がインターネット・リテラシーを身につけられる機会を環境整備などにより社会的に確保することが重要である旨発言しました。
青柳議員は、本会議の一般討議において若手議員として演説を行い、多様な価値観や意見を国家の意思決定に反映させるためには、議会を政党ではなく政治家の集合体として捉えることが重要であり、個々の政治家が多様な見方と考え方のもと、議会を自由な表明と闊達な議論を通して国家の意思決定に反映させていく場として機能させることにより、平和的共存と包摂的社会の促進のために寄与することができる旨発言しました。
また、国連に関する委員会(第4委員会)にも参加し、機能不全を起こしている国連安保理の改革の重要性及びその難しさに触れ、国連安保理の行動変容を促す一助となるため、IPUが安保理に対する諮問機能をもつことを提案する旨発言しました。さらに、アジア・太平洋地域グループの代表として、同委員会の理事に立候補の上、選出されました。
加えて青柳議員は、IPU会議のサイドイベントである「気候監視行動に関するパネルディスカッション」にもパネリストとして出席しました。
日本代表団は会議期間中、様々な国々の代表団や要人と会談又は昼食会を行い、各国との交流を深めました。
会議の成果として、本会議において、緊急追加議題「アフガニスタン、シリア・アラブ共和国、ウクライナ、イエメン及びその他の国の国民に影響を及ぼす深刻な人道的危機並びに特に女性及び子供の脆弱性に対する意識醸成及び行動の要請」に関する決議を含む3本の決議が採択されるとともに、一般討議の成果文書が承認されました。
団長 | 伊藤 信太郎 | 衆議院議員 | (自由民主党・無所属の会) |
団長代行 | 亀岡 偉民 | 衆議院議員 | (自由民主党・無所属の会) |
湯原 俊二 | 衆議院議員 | (立憲民主党・無所属) | |
青柳 仁士 | 衆議院議員 | (日本維新の会) | |
副団長 | 三浦 靖 | 参議院議員 | (自由民主党) |
田村 まみ | 参議院議員 | (国民民主党・新緑風会) |