本案は、最近における中小企業をめぐる金融環境の変化に対応し、中小企業者に対する事業資金の融通の一層の円滑化を図るため、中小企業信用保険について、売掛金債権担保保険の制度を創設するとともに、特別小口保険の付保限度額の引上げを行おうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 売掛金債権担保保険の創設
中小企業者が売掛金債権のみを担保として金融機関から借入れを行う場合に信用保証協会が行う保証を対象とした売掛金債権担保保険を創設し、保証限度額は1億円とする。
二 特別小口保険の付保限度額の引上げ
小規模企業者に対し無担保・無保証人で信用保証協会が行う保証を対象とする特別小口保険につき、保証限度額を1,000万円から1,250万円に引き上げる。
三 施行期日等
1 この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 所要の経過措置、関係法律の整備等について定める。
政府は、年末の資金需要期を迎え、厳しさを深める中小企業者を取り巻く経済金融情勢等に十分配慮しつつ、中小企業者の資金調達の円滑化に一層積極的に取り組むとともに、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 物的担保に制約された我が国の金融枠組を改革することの重要性にかんがみ、本改正により創設された売掛金債権担保保険について、信用保証協会の審査体制の整備・審査能力の向上を図ること等により、中小企業者の実情に応じた適切な制度運営に努めるとともに、より多くの中小企業者において売掛金債権を活用した資金調達が可能となるよう、広く制度の周知広報に努めること。
また、公的機関が契約書中で一般的に採用している債権譲渡禁止特約について、債権流動化促進の観点から、少なくとも売掛金債権担保保証を付そうとする債権については、これを解除する方向で検討すること。
二 中小企業総合事業団の信用保険財政がますます悪化を深める状況は、中小 企業者を支える信用補完制度の存立を危うくするものであり、制度全体の見直しと合わせ、将来に向けての保険の財政基盤の抜本的な強化策について、検討を急ぎ、速やかに対処すること。
三 我が国金融機関において徴求が通例化している個人保証については、中小企業者に及ぼす影響の重大さにかんがみ、また特に創業・ベンチャー振興促進の観点からも、信用保証業務におけるその取扱いについて見直し・改善に努めるほか、個人保証者の資産について差押禁止金銭の額や差押禁止項目を拡大する等、個人保証者の破綻を防ぐための方策について積極的な検討を行うこと。
四 売掛金債権担保制度の普及に伴い、企業倒産時における労働債権の保全に影響の及ぶ可能性を防ぐとの見地からも、倒産法制改正の検討に当たっては、労働債権の優先順位等について十分な配慮を払うこと。
本案は、最近の我が国の厳しい経済情勢を踏まえ、我が国における事業活動を活性化させることが必要であることにかんがみ、中小企業信用保険について新事業創出関連保証に係る無担保保険の付保限度額を引き上げる等の創業等を支援するための措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 新事業創出関連保証に係る無担保保険の付保限度額の引上げ
創業者に対し無担保・無第三者保証で信用保証協会が行う新事業創出関連保証を対象とする無担保保険につき、保証限度額を1,000万円から1,500万円に引き上げる。
二 創業等の支援に必要な施策の総合的推進
国は、新たな事業の創出を促進するため、人材の育成、資金の調達の円滑化及び需要の開拓の支援等に必要な施策を、地方公共団体、大学、民間等と連携を図りつつ、総合的に推進するよう努めなければならない旨定める。
三 施行期日
この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
要旨は、第154回国会参照。
要旨は、第154回国会参照。
要旨は、第154回国会参照。
要旨は、第154回国会参照。