平成26年4月10日(木)(第1回)
◎会議に付した案件
1.日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(馬場伸幸君外3名提出、第183回国会衆法第14号)
上記案は、撤回を許可することに決した。
2.日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(船田元君外7名提出、衆法第14号)
上記案について、提出者船田元君(自民)から提案理由の説明を聴取した。
◎提出者船田元君(自民)による「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(船田元君外7名提出、衆法第14号)」の提案理由説明
ただいま議題となりました「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨及び概要をご説明申し上げます。
平成19年5月に制定された「日本国憲法の改正手続に関する法律」には、その附則に3つの検討課題、いわゆる「3つの宿題」が定められています。それは、選挙権年齢等の18歳への引下げ、公務員の政治的行為の制限に係る法整備、国民投票の対象拡大についての検討の3つです。これらのうち前の2つは、本来は制定後3年間、すなわち、平成22年5月までに法整備を行うべきものでありましたが、現在はその期限を既に徒過しています。 この改正案は、可及的速やかにこれら「3つの宿題」に対応し、憲法改正の手続を整備しようというものであります。 次に、本法案の主な内容をご説明申し上げます。
第一に、「選挙権年齢等の18歳への引下げ」についてでありますが、この改正案では、改正法施行後4年を経過するまでの間は、憲法改正国民投票の投票権年齢は「20歳以上」とし、それ以降は自動的に本則第3条に定める18歳に引き下げることとしております。 その上で、選挙権年齢等の引下げについては、改めて、「改正法の施行後速やかに、投票権年齢と選挙権年齢の均衡等を勘案し、必要な法制上の措置を講ずるものとする」旨の検討条項を、改正法附則に規定することといたしました。
第二に、「公務員の政治的行為に係る法整備」について申し上げます。公務員が行う国民投票運動については、賛成・反対の投票等の勧誘行為及び憲法改正に関する意見表明としてされるものに限り、行うことができることとするとともに、当該勧誘行為が公務員に係る他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴う場合は、この限りでないといたしております。すなわち、純粋な国民投票運動に限って、公務員もこれを行うことができるとしたところです。
また、組織により行われる勧誘運動、署名運動及び示威運動の企画、主宰及び指導並びにこれらに類する行為に対する規制の在り方について、改正法施行後速やかに、公務員の政治的中立性及び公務の公正性を確保する等の観点から検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の検討条項を、改正法附則に規定することといたしました。
さらに、在職中、国民投票運動を行うことができない公務員として、新たに、裁判官、検察官、公安委員会の委員及び警察官を加え、この違反に対しては、6月以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することといたしました。
第三に、「国民投票の対象拡大」について申し上げます。この改正案では、憲法改正問題についての国民投票制度に関し、現行法附則第12条の検討条項に代えて、改めて、「その意義及び必要性について、更に検討を加え、必要な措置を講ずる」旨の検討条項を、改正法附則に規定することといたしました。 この改正案については、昨年12月に自由民主党・公明党の実務者で合意した後、憲法改正にかかわる土俵作りに関する重要な法律であることに鑑みて、できるだけ多くの会派と共同提出したいとの考えのもと、野党各党と個別に、あるいは一堂に会する場で、濃密な協議を行ってまいりました。 多くの会派のご主張を取り入れ、当初の与党案に修正を施した上でご賛同をいただくことができ、その結果、自由民主党、公明党に加えて、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、みんなの党、結いの党、生活の党の7会派でこの改正案を共同提出することとなった次第です。
以上が「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」の趣旨及び概要であります。 何とぞ、慎重にご審議の上、速やかにご可決くださいますようお願いいたします。