平成29年3月23日(木)(第2回)

◎会議に付した案件

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(参政権の保障をめぐる諸問題(緊急事態における国会議員の任期の特例、解散権の在り方等))

参考人木村草太君、永井幸寿君及び松浦一夫君から意見を聴取した後、質疑を行った。

(参考人)

首都大学東京教授         木村  草太君

弁護士              永井  幸寿君

防衛大学校教授           松浦 一夫君

(参考人に対する質疑者)

中谷 元君(自民)

奥野 総一郎君(民進)

斉藤 鉄夫君(公明)

大平 喜信君(共産)

足立 康史君(維新)

照屋 寛徳君(社民)

◎木村草太参考人の意見陳述の概要

1.内閣の衆議院解散権に係る議論の現状

  • 憲法制定当初は、衆議院の自律解散権の有無や解散権行使の条件をめぐり、議論が交わされた。しかし、現在では、衆議院に自律解散権はないと理解されている。また、解散の大義があれば内閣が自由な判断で解散権を行使できるとするいわゆる7条解散説が実務上定着しており、7条解散を違憲とする学説は多くない。
  • しかし、近年では、解散権をめぐる議論が再び活性化しており、解散権の行使に何らかの制限をかける解釈や、憲法改正を行うべきとの議論が増えてきている。
  • 議論活性化のきっかけとなったのは、参議院での法案否決を受けて衆議院が解散された2005年の郵政解散であった。また、2014年の解散も、任期を相当残した段階で、解散理由の説明が明確でないままなされたことから、恣意的な解散権行使ではないかとの議論を提起した。
  • 世界でも、内閣の自由な解散権について理論的批判が出ており、ドイツやイギリスは、内閣の解散権を明文で制限している。これは、与党に有利なタイミングを選んでの党利党略での解散に何らかの歯止めが必要と考えられたためである。

2.解散権の意義と解散が認められる場合

  • 君主主権の時代には、君主が議会に圧力をかけるために解散権を行使したが、現在の国民主権の憲法下では、より民主的な政治決定を行うために行使されるべきである。
  • 議会の解散には、@内閣と議会が対立した場合に主権者である国民に裁断してもらう機能、A国政選挙で問われなかった重要な争点が選挙後に新たに発生した場合に国民の意思を明確にするために国民投票の代替として実施する機能、の二つの機能があり、これらの場合になされる解散には大義があると言える。
  • 学説の多くは、7条の文言又は議院内閣制という制度を理由に、解散が認められる場合は69条所定の場合に限られないとの見解を採用しているが、大義のない解散まで合憲と評価しているのではない。学説は、前例や最高裁判例の積み重ねにより、解散権を制限する慣行や習律を形成すべきとしてきたが、解散実務を見る限り、そのような慣行や習律が確立されているとは評価し難く、また、最高裁も合憲性の判断を避けており、何らかの対応をとるべきである。

3.解散権の行使制限に係るアプローチ@〜現行憲法下での対応

  • 対応をとる上で、二つのアプローチが考えられる。一つ目は、現行憲法下において、解散権の行使に法律で手続的な限定をかけることである。これまで解散権行使の慣行や習律を形成できなかった一因は、内閣が解散の理由を議会で丁寧に説明したり、公式の解散理由を文書化して明確にしたりする手続がなかったところにある。法律で解散権の行使を制限する場合、解散の宣言から解散まで一定の時間を置き、衆議院で解散理由について審議を行う手続を設ければ、少なくとも解散理由が不明確なまま総選挙に突入する事態は防ぐことができる。
  • 解散権の行使を法律で制限することの憲法適合性が問題となるが、この方法は、解散権自体を制限するものでなく、単に慎重な手続を要求するものなので、違憲とは評価されない。

4.解散権の行使制限に係るアプローチA〜憲法改正による対応

  • 二つ目は、憲法を改正し、解散権の行使の条件を明文化することである。
  • 仮に解散権の行使を69条解散のみに制限すると、解散が国民投票の代替的機能を果たせなくなるという問題が生じるため、これに併せて内閣や国会が重要案件を国民投票に諮る制度を設けることも検討に値する。この場合、国民投票の結果にどのような効力を持たせるのかについては、国会を唯一の立法機関とする41条との関係で議論が必要である。

5.まとめ

  • 党利党略での解散を抑制するため、解散権には何らかの制限をかけていくことが合理的である。

◎永井幸寿参考人の意見陳述の概要

1.災害を理由に緊急事態条項を憲法に設けるべきか

  • 現行憲法は緊急事態条項を設けていないが、災害関連法規は十分に整備されており、内閣総理大臣には災害緊急事態において様々な権限が認められている。また、被災者にとっては、憲法ではなく、法律、通達、条例等の下位法令こそが重要である。
  • 災害対策の原則は「準備していないことはできない」ということである。東日本大震災における自治体等の不手際の多くは事前の準備不足にある。法律の適正な運用による事前準備こそが重要であり、緊急事態条項を創設しても対処できない。
  • 災害対応のニーズは刻々と変化する。これに最も効果的に対処できるのは被災者に最も近い市町村であり、国の役割は人・物・金の後方支援である。
  • 災害対応で問題となるのは、市町村に予算や災害対応の裁量を認めないことである。東日本大震災では、各省庁から各自治体に対し、法律の弾力的運用に関する通知が1000件届いたが、これでは現場は対応できない。災害時における法律の包括的な適用除外や特例に関する恒久法を整備すべきである。
  • また、災害対応のノウハウは、国ではなく被災経験のある自治体にある。東日本大震災では、被災経験自治体が職員を派遣し、初動期から対応を支援した。国が行うべきは、職員派遣に対する予算面からの支援である。
  • 東日本大震災の被災37市町村を対象にした日弁連のアンケートでは、回答した24市町村のうち、「災害対応で憲法が障害となった」としたのは1自治体のみである。当該自治体は「憲法の財産権の改正が必要」と回答したが、憲法はもともと財産権に対する一定の制限を認めており、災害対策基本法に基づいて必要な措置をとることができた。福島原発事故に係る国会事故調査委員会の報告書でも権力集中や人権制約の必要性は述べられておらず、憲法改正の立法事実は認められない。
  • 災害対策で最も重要なのは現場である。被災者の救済が全ての出発点であって、国家に権力を持たせることが出発点ではない。災害対策は被災者の話や現場の調査から課題を抽出して将来に備えることであり、「災害をダシにして憲法を変えてはいけない」。
  • 以上から、災害を理由にした緊急事態条項の創設に反対する。

2.緊急事態において国会議員の任期を延長すべきか

  • 憲法は大規模災害時の制度として、@参議院の緊急集会(54条2項)、A法律による政令への罰則委任(73条6号)を設けている。Aを受けて、災害対策基本法の厳格な要件の下で、内閣は罰則付きの緊急政令を制定できる。
  • 衆議院解散中に大規模災害が発生したときは上記@とAで対処できるが、では、衆議院議員の任期満了時に大規模災害が発生したときはどうか。参議院の緊急集会は憲法の文言上は解散時の規定であるが、解散時も任期満了時も衆議院議員がいないという事態は同じであるから、憲法解釈により、任期満了の場合も緊急集会の規定を適用すべきものと考える。
  • このような参議院の緊急集会による対処に対しては、少数の参議院議員で議決することになる、被災地の民意を反映する議員がいない、といった意見がある。しかし、緊急集会による措置は暫定的なものであり、事態回復後に総選挙を行い、衆議院の同意を得ることで、被災地の民意を反映することができる。
  • さらに、被災地域については、公職選挙法57条の繰延投票で対処できる。これに対しては比例代表の議員が確定しないことが考えられるが、定足数である3分の1を満たすため、衆議院は活動することができる。
  • 被災地の民意の反映は大切である。しかし、災害対策の法律は平時から整備しておくべきものであり、災害が発生してから準備すべきものではない。
  • 以上から、緊急事態における国会議員の任期の問題は、参議院の緊急集会、公職選挙法の繰延投票で対処でき、また、平時から災害対策を行っておくべきであるとの観点から、憲法改正による議員の任期延長には反対する。

◎松浦一夫参考人の意見陳述の概要

1.はじめに

  • 憲法に緊急事態条項は必要であり、その中に緊急事態における国会議員の任期延長と議会解散権の制限を盛り込むことに賛成であるとの立場から、主に比較憲法的視点から意見を述べる。

2.自然災害対応のための緊急事態条項の必要性

  • 大地震が周期的に発生する我が国では、諸外国にはない災害緊急事態条項の必要がある。モルディブやポルトガルなど、自然災害により国家が壊滅的打撃を受けた経験がある国の憲法には、災害緊急事態の規定が明文化される場合がある。

3.憲法改正の必要性

  • 平常時から予想できる緊急事態については、通常の法律を十分に整備すべきだということに全く異論はない。
  • しかし、異次元の被害規模が想定される南海トラフ地震や国家の中枢機能が麻痺する可能性のある首都圏直下型地震など、想定できない非常事態に臨機応変の対応を迫られた時、憲法の通常のルールでは対応できない場合について憲法上の制度が必要である。憲法条項の例外は憲法自体が定める他ないからである。日本の場合、憲法の例外を定めるべき事項の一つが、衆議院議員の任期延長と解散権の制限である。

4.緊急事態における衆議院議員の任期延長及び解散権の制限の必要性

  • 参議院の緊急集会による措置は臨時的措置であり、最長70日以内に国会を召集できることを前提としている。大災害により選挙が半年以上延期され、衆議院が機能しないような最悪の事態を想定するならば、参議院の緊急集会で十分対応できるとは考えにくい。
  • 非常時においても可能であれば総選挙が実施されるべきことは言うまでもないが、被災地での選挙の実施は困難なことがある。繰延投票での対処には、繰延投票の対象地域の議員が一定期間不在となる欠陥が指摘されており、繰延期間が長期にわたる場合、被災地及び被災地を含む比例区の住民の選挙権のみが相当期間停止されることになる。
  • 仮に現行憲法下で大規模災害により緊急事態が発生した場合、むしろ、内閣が自らの緊急事態対応を支持しない衆議院を解散し、国会機能を参議院の緊急集会で代行させ、衆議院は総選挙を実施できる見込みもないまま放置するという解散権濫用の危険があるとも考えられる。
  • 現行憲法下でも緊急事態対応を大義名分とした権力の独裁的濫用の可能性が考えられる。むしろ緊急事態条項を導入し、緊急事態宣言の下では衆議院の解散を禁じ、議員任期を延長して、国会が政府を監視する方がよほど安全ではないか。だからこそ、フランス・ドイツなど諸外国の憲法にも緊急事態における議員任期の延長や議会解散の禁止の規定があると考える。
  • 自民党の憲法改正草案99条の緊急事態期間中の衆議院の解散の禁止及び両院議員の任期等の特例は、政府の緊急事態対応を国会が継続して監視できるよう配慮したものと評価できる。

5.緊急事態条項の施行法律の議論の必要性

  • 自民党の憲法改正草案では、緊急政令の事後承認の時期、承認が得られない場合の緊急政令による措置の効力など、緊急事態条項を実施する法律が制定されなければ明確にならない点が多く残されている。また、緊急政令にも限界はあるはずである。
  • 改憲論議と並行して、緊急事態条項の施行法律(「緊急事態基本法」)の詳細を詰めておくべきである。この施行法律の中で、緊急政令に委任すべき事項を限定列挙するとともに、緊急政令ではできないこと(停止できない基本権等)を定め、この施行法律自体は緊急政令によって変更できないということを憲法に明記する必要がある。

◎参考人に対する質疑者及び主な質疑事項等

中谷 元君(自民)

<永井参考人に対して>

  • 参議院の緊急集会を衆議院議員の任期満了の際も類推適用して開くことができるとの意見であるが、統治機構の分野の憲法規範について軽々に類推適用を認めることは、憲法の権力統制力を著しく弱めることになり危険ではないか。  
  • 著書で、参議院の緊急集会を任期満了時にも適用できるとする意見は、「複数の有力な憲法学者の意見」でもあると紹介されているが、誰の意見か。
  • 現行法上緊急時に国が住民に直接指示・命令する権限は定められていない。しかし、役場の消滅など県庁や市町村が機能しない場合には、国による対応も必要と考えるが、現行憲法下でも緊急時に国が直接がれきの処理、従事命令、収用等の行為を行うことは可能か。  
  • 国政選挙ができない状況下において、被災地選出議員を欠いた状態で適切な立法や行政監視を行えるのか。
  • 繰延投票では一部の議員のみで国会を構成することとなり、この影響は比例区で議席を獲得している少数政党ほど大きく受けるのではないか。  
  • 衆参同日選挙が実施できない場合は、参議院議員121名のみの緊急集会による暫定的な措置が何カ月も運営されることとなる。これでは、民主的コントロールを欠くため、国会議員の任期延長についてはしっかり手当てしておくべきと考えるが、いかがか。

<発言>

  • 解散には、最新の民意を衆議院に届けるという側面もあり、解散権行使を69条の場合に限定する見解には、憲法学者からも否定的な指摘がある。

<木村参考人に対して>

  • 木村参考人から、解散の理由を明確にするために法律で解散の手続を縛るとの提案があったが、これは解散を阻止し得るものなのか。

<松浦参考人に対して>

  • 緊急事態においては、平時以上に行政による権力濫用を国会がチェックし、国民の声を反映させる必要があり、緊急事態で選挙の実施が困難な場合には、議員任期を延長するなどの対応が必要と考えるが、参議院の緊急集会で対応できるという意見に対してどのように考えるか。

奥野 総一郎君(民進)

<永井参考人及び松浦参考人に対して>

  • 解散権の制約について、法律上又は憲法上、制度として設けるべきと考えるか。

<松浦参考人に対して>

  • 一般的な解散権の制約を法律や憲法に定めておけば、災害時の解散権の制約を重ねて規定する必要はないと思うが、いかがか。

<木村参考人に対して>

  • 解散権を制限する場合の国民投票の導入について木村参考人から提案があったが、海外では一般的な国民投票について、どのような問題で行い、どのような効力を持たせているのか、例があったら教えていただきたい。

<松浦参考人に対して>

  • 永井参考人から「『東日本大震災のときに憲法は障害になったか』というアンケートに対し、ほとんどの自治体は『障害がなかった』と回答している」という事例が紹介されたが、憲法を改正する必要があるという立法事実があるのか。または、何か状況が変わったということなのか。
  • 現在の制度でも支障がないのであれば、新たに一般的な緊急政令の根拠を憲法に設ける必要があるのか。

<木村参考人に対して>

  • 自民党改憲草案の緊急事態条項は、「その他の法律で定める緊急事態」と規定しており、その対象が極めて広い。また、緊急政令の範囲も極めて曖昧だ。こうした一般的な緊急事態条項を憲法に規定する必要はないと思うが、いかがか。

<全参考人に対して>

  • 参議院の緊急集会を開けば国会の意思決定はできるが、予算の措置等もあるので、当事者である被災地選出の議員が国会に出て議論した方が、国民主権や地域代表の観点からもよいのではないか。こうした観点から、長期間選挙が行えない場合に限定した国会議員の任期の特例的な延長を認めるべきか。

斉藤 鉄夫君(公明)

<松浦参考人に対して>

  • ドイツでは10年ほどの長い議論を経て、政府による緊急命令の制定を認めない形で、憲法に緊急事態条項が導入された。憲法改正に当たっては幅広い合意を形成することが重要だと考えるが、ドイツでの幅広い合意形成の経緯及びそこから我が国の憲法改正論議が学ぶべき点について、伺いたい。

<木村参考人及び松浦参考人に対して>

  • 「繰延投票」については、「選挙の公平性」という観点から、大いに疑念があるのではないか。本来、一つの選挙は、一斉に投票、そして開票が行われるべきものである。一部の地域では他の地域の投開票の結果を見てから後日投票するということでは、有権者の投票行動も、選挙運動のやり方も、大きく変わってしまうのではないか。「選挙の公平性」の中には、「選挙一斉の原則」というべきものが当然の前提とされているのではないか。選挙を実施できない地域が相当の広がりを持っている場合、また、比例代表のように影響が広範囲に及ぶ選挙制度の下では、選挙が実施できるようになってから一斉に選挙を実施すべきであり、さらに、比例代表選挙と選挙区選挙は一体のものという観点からも、繰延投票は問題ではないかと考えるが、いかがか。

<永井参考人及び松浦参考人に対して>

  • 緊急事態における内閣総理大臣への権限集中や国民の権利の制限の根拠を憲法に規定すべきとの意見もあるが、現行憲法の下で必要な危機管理法制は既に相当程度整備されており、更に必要であれば、法改正による対応が可能であると考える。これらを憲法典に明記する必要はなく、明記すればかえって濫用のおそれもあるのではないかと考えるが、いかがか。

大平 喜信君(共産)

<発言>

  • 自民党改憲草案の緊急事態条項では、災害だけではなく、むしろ戦争や内乱が先に挙げられている。その本質は、憲法原則である権力分立と人権の制限であり、まさに憲法停止条項であると考える。

<永井参考人に対して>

  • 著書の中で、自民党改憲草案の緊急事態条項を「政府の独裁を認める極めて危険な内容」と評しているが、その理由を詳しく伺いたい。また、災害対処にとって、内閣への権限集中は果たして有効な手段なのか。

<木村参考人に対して>

  • 自民党改憲草案の緊急事態条項について、どのように考えるか。

<発言>

  • 国会議員の任期延長は、国民の選挙権の停止にほかならない。民意を問う機会を奪うことは、まさに国民主権の侵害ではないか。
  • 明治憲法では衆議院議員の任期は法律事項であったため、1941年、特例法により任期を延長することで、戦争遂行のための挙国一致体制が作られた。この反省から、金森大臣は、憲法制定議会において、「国会議員の任期を自ら延ばすことは甚だ不適当であり、選挙によって国会が国民と表裏一体化しているかどうか現実に現わされなければならぬ」と、国会が国民の代表として存在することの重要性を強調している。だからこそ、戦後、一時の権力者の思惑で簡単に任期が動かせないよう、任期を憲法に明記したのだと思う。

<永井参考人及び木村参考人に対して>

  • 国会議員の任期延長が選挙権の停止となることと、憲法制定過程における議論に関して、意見を伺いたい。

<松浦参考人に対して>

  • 著書の中で、ドイツ憲法では、自然災害への対処は第一次的には各ラントの任務であり、連邦の役割はラントによる措置の補完だと述べているが、具体的に伺いたい。

<永井参考人に対して>

  • 諸外国の憲法で、自然災害時における国への権限集中や議会の任期延長を規定している例はあるか。

足立 康史君(維新)

<発言>

  • 日本維新の会は、緊急事態条項への立場は未定だが、道州制や憲法裁判所について憲法改正原案を提案しており、こうした立場から質問をする。

<永井参考人に対して>

  • 災害対策について「準備していないことはできない」との指摘があったが、大震災の経験を踏まえた立法が十分でないのは、憲法に緊急事態条項がなく、憲法違反をおそれて抑制的になっているためと考えるが、いかがか。

<松浦参考人に対して>

  • 国会では、緊急事態に法律でどこまで対応できるかについて突き詰めた議論がなされていない。憲法改正による緊急事態条項の創設を議論する前に、憲法解釈の変更を含め、法律レベルでどこまで対応できるかを議論すべきと思うが、いかがか。
  • 憲法裁判所の存在は、緊急事態条項の定め方に影響を与えると考えるか。

<永井参考人及び木村参考人に対して>

  • 私の質問に対する松浦参考人の発言等について、意見を伺いたい。

<松浦参考人に対して>

  • 「法律でできることは、法律で行う」という考え方の中には、東京一極集中の分散、例えば副首都などのバックアップ措置も含まれると思うが、いかがか。

照屋 寛徳君(社民)

<永井参考人に対して>

  • 衆議院の解散後の総選挙直前、衆参ダブル選挙直前、衆議院議員の任期満了による選挙直前のそれぞれの状況で大規模災害が発生した場合、憲法を改正し、国会議員の任期の特例を定める緊急事態条項を設けることは必要か。

<発言>

  • 社民党は、国家緊急権としての非常事態条項を憲法に盛り込む必要性はなく、そのための改憲には反対の立場である。

<永井参考人に対して>

  • テロ攻撃の防止を理由に、改憲の上、非常事態条項を設けるべきとの意見があるが、テロは国家緊急権が発動される非常事態に該当するか。

<木村参考人及び松浦参考人に対して>

  • 憲法学上、テロは国家緊急権が発動される非常事態に該当するか。

<木村参考人に対して>

  • 今日の「反憲法」下の沖縄の状況をどのように捉えているか。また、辺野古新基地建設反対運動に見られる、議院内閣制の下での民意の尊重の在り方、地方自治の尊重、表現の自由、報道の自由、憲法前文の平和的生存権などについて、どのように考えるか。