国会法(昭和22年法律第79号)

  第六章の二 日本国憲法の改正の発議

第六十八条の二 議員が日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)の原案(以下「憲法改正原案」という。)を発議するには、第五十六条第一項の規定にかかわらず、衆議院においては議員百人以上、参議院においては議員五十人以上の賛成を要する。

第六十八条の三 前条の憲法改正原案の発議に当たつては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする。

第六十八条の四 憲法改正原案につき議院の会議で修正の動議を議題とするには、第五十七条の規定にかかわらず、衆議院においては議員百人以上、参議院においては議員五十人以上の賛成を要する。

第六十八条の五 憲法改正原案について国会において最後の可決があつた場合には、その可決をもつて、国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)の発議をし、国民に提案したものとする。この場合において、両議院の議長は、憲法改正の発議をした旨及び発議に係る憲法改正案を官報に公示する。

A 憲法改正原案について前項の最後の可決があつた場合には、第六十五条第一項の規定にかかわらず、その院の議長から、内閣に対し、その旨を通知するとともに、これを送付する。

第六十八条の六 憲法改正の発議に係る国民投票の期日は、当該発議後速やかに、国会の議決でこれを定める。

   第十章 両議院関係

第八十三条 国会の議決を要する議案を甲議院において可決し、又は修正したときは、これを乙議院に送付し、否決したときは、その旨を乙議院に通知する。

A 乙議院において甲議院の送付案に同意し、又はこれを否決したときは、その旨を甲議院に通知する。

B 乙議院において甲議院の送付案を修正したときは、これを甲議院に回付する。

C 甲議院において乙議院の回付案に同意し、又は同意しなかつたときは、その旨を乙議院に通知する。

第八十三条の二・第八十三条の三 (略)

第八十三条の四 憲法改正原案について、甲議院の送付案を乙議院が否決したときは、その議案を甲議院に返付する。

A 憲法改正原案について、甲議院は、乙議院の回付案に同意しなかつた場合において両院協議会を求めないときは、その議案を乙議院に返付する。

第八十三条の五 甲議院の送付案を、乙議院において継続審査し後の会期で議決したときは、第八十三条による。

第八十四条から第八十六条まで (略)

第八十六条の二 憲法改正原案について、甲議院において乙議院の回付案に同意しなかつたとき、又は乙議院において甲議院の送付案を否決したときは、甲議院は、両院協議会を求めることができる。

A 憲法改正原案について、甲議院が、乙議院の回付案に同意しなかつた場合において両院協議会を求めなかつたときは、乙議院は、両院協議会を求めることができる。

第八十七条 法律案、予算、条約及び憲法改正原案を除いて、国会の議決を要する案件について、後議の議院が先議の議院の議決に同意しないときは、その旨の通知と共にこれを先議の議院に返付する。

A 前項の場合において、先議の議院は、両院協議会を求めることができる。

第八十八条から第九十八条まで (略)

   第十一章の二 憲法審査会

第百二条の六 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を設ける。

第百二条の七 憲法審査会は、憲法改正原案及び日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案を提出することができる。この場合における憲法改正原案の提出については、第六十八条の三の規定を準用する。

A 前項の憲法改正原案及び日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案については、憲法審査会の会長をもつて提出者とする。

第百二条の八 各議院の憲法審査会は、憲法改正原案に関し、他の議院の憲法審査会と協議して合同審査会を開くことができる。

A 前項の合同審査会は、憲法改正原案に関し、各議院の憲法審査会に勧告することができる。

B 前二項に定めるもののほか、第一項の合同審査会に関する事項は、両議院の議決によりこれを定める。

第百二条の九 第五十三条、第五十四条、第五十六条第二項本文、第六十条及び第八十条の規定は憲法審査会について、第四十七条(第三項を除く。)、第五十六条第三項から第五項まで、第五十七条の三及び第七章の規定は日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案に係る憲法審査会について準用する。

A 憲法審査会に付託された案件についての第六十八条の規定の適用については、同条ただし書中「第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案」とあるのは、「憲法改正原案、第四十七条第二項の規定により閉会中審査した議案」とする。

第百二条の十 第百二条の六から前条までに定めるもののほか、憲法審査会に関する事項は、各議院の議決によりこれを定める。

   第十一章の三 国民投票広報協議会

第百二条の十一 憲法改正の発議があつたときは、当該発議に係る憲法改正案の国民に対する広報に関する事務を行うため、国会に、各議院においてその議員の中から選任された同数の委員で組織する国民投票広報協議会を設ける。

A 国民投票広報協議会は、前項の発議に係る国民投票に関する手続が終了するまでの間存続する。

B 国民投票広報協議会の会長は、その委員がこれを互選する。

第百二条の十二 前条に定めるもののほか、国民投票広報協議会に関する事項は、別に法律でこれを定める。