請願情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国会回次 | 217 |
| 新件番号 | 1280 |
| 請願件名 | 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願 |
| 請願要旨 |
二〇一五年一月に施行された「難病の患者に対する医療等に関する法律」によって、我が国の難病対策は法的根拠を持つ総合対策として出発し、さらに、五年見直しの規定に沿って二〇二二年十二月に法改正が行われた。国及び地方自治体には、難病対策の総合的な推進と国民への周知が進むよう一層の努力を求める。 ついては、次記事項を措置されたい。 一 難病の根治を目指し、未診断疾患を含めた難病の原因究明、治療法の早期開発、診断基準と治療体制の確立を急ぐとともに、指定難病対象疾病の拡大を進めること。 二 難病の子供に対する医療の充実を図り、成人への移行期医療を確立すること。また、インクルーシブ教育を進める中で、学校等における合理的配慮、医療的ケア児への支援を更に推し進めること。加えて、情報通信技術(ICT)の効果的な活用等により、長期療養児・者の学習環境を充実させること。 三 難病や長期慢性疾病の患者と家族が地域で尊厳を持って生活できるよう、医療費などの負担軽減、難病の実態に沿った福祉サービスの提供、人材の確保と研修の充実を図ること。 四 創薬やゲノム医療等を患者・市民参画(PPI)の下に推進し、国民への難病に対する理解と対策の周知を進めるとともに、全国のどこに住んでいても我が国の進んだ医療を受けることができるよう、専門医療と地域医療の連携を強化すること。また、医療・介護等専門スタッフの不足を原因とする医療の地域格差を解消し、リハビリや在宅医療の充実を図ること。 五 難病患者にとって就労は、経済的な側面のみならず、患者の働く意欲に応え、社会参加と生きる希望につながるものである。義務化された合理的配慮、差別禁止の周知を更に推進するとともに、障害者雇用率の対象とすること等による就労の拡大や就労支援の充実を図ること。 六 全国難病センター(仮称)の設置等により、都道府県難病相談支援センターの充実や一層の連携、患者・家族団体活動への支援、難病問題の国民への周知等を推進すること。 |
| 受理件数(計) | 89件 |
| 署名者通数(計) | 211,381名 |
| 付託委員会 | 厚生労働委員会 |
| 結果/年月日 | 採択の上内閣送付
/令和7年 6月20日
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| 紹介議員一覧 |
受理番号 1280号 階 猛君 受理番号 1293号 井野 俊郎君 受理番号 1294号 小熊 慎司君 受理番号 1295号 吉良 州司君 受理番号 1296号 鈴木 英敬君 受理番号 1297号 鈴木 貴子君 受理番号 1298号 武村 展英君 受理番号 1299号 田中 健君 受理番号 1300号 角田 秀穂君 受理番号 1301号 根本 拓君 受理番号 1302号 長谷川 嘉一君 受理番号 1303号 馬場 雄基君 受理番号 1304号 林 佑美君 受理番号 1305号 福森 和歌子君 受理番号 1306号 船田 元君 受理番号 1307号 升田 世喜男君 受理番号 1308号 森山 浩行君 受理番号 1309号 吉田 宣弘君 受理番号 1310号 渡辺 周君 受理番号 1316号 東 徹君 受理番号 1317号 池下 卓君 受理番号 1318号 池田 真紀君 受理番号 1319号 石川 香織君 受理番号 1320号 岡田 克也君 受理番号 1321号 小渕 優子君 受理番号 1322号 金子 恵美君 受理番号 1323号 源馬 謙太郎君 受理番号 1324号 酒井 なつみ君 受理番号 1325号 佐原 若子君 受理番号 1326号 世耕 弘成君 受理番号 1327号 長友 慎治君 受理番号 1328号 長谷川 淳二君 受理番号 1329号 福田 昭夫君 受理番号 1330号 藤岡 たかお君 受理番号 1331号 山本 大地君 受理番号 1335号 石井 智恵君 受理番号 1336号 佐藤 英道君 受理番号 1337号 田所 嘉徳君 受理番号 1338号 玉木 雄一郎君 受理番号 1339号 津島 淳君 受理番号 1340号 中曽根 康隆君 受理番号 1341号 福重 隆浩君 受理番号 1342号 山井 和則君 受理番号 1400号 高橋 永君 受理番号 1401号 平林 晃君 受理番号 1461号 馬場 伸幸君 受理番号 1497号 大石 あきこ君 受理番号 1498号 木原 稔君 受理番号 1513号 荒井 優君 受理番号 1514号 尾辻 かな子君 受理番号 1611号 浅野 哲君 受理番号 1612号 白石 洋一君 受理番号 1656号 井坂 信彦君 受理番号 1657号 石田 真敏君 受理番号 1658号 寺田 学君 受理番号 1659号 長坂 康正君 受理番号 1660号 沼崎 満子君 受理番号 1661号 馬淵 澄夫君 受理番号 1703号 棚橋 泰文君 受理番号 1704号 田畑 裕明君 受理番号 1705号 柳沢 剛君 受理番号 1706号 柚木 道義君 受理番号 1772号 鎌田 さゆり君 受理番号 1773号 川内 博史君 受理番号 1774号 堤 かなめ君 受理番号 1775号 松木 けんこう君 受理番号 1776号 宮内 秀樹君 受理番号 1921号 岡本 充功君 受理番号 1922号 斎藤 アレックス君 受理番号 1923号 古川 禎久君 受理番号 1924号 細野 豪志君 受理番号 2117号 大西 健介君 受理番号 2197号 阿部 弘樹君 受理番号 2331号 下条 みつ君 受理番号 2332号 中島 克仁君 受理番号 2333号 吉川 元君 受理番号 2520号 早稲田 ゆき君 受理番号 2676号 階 猛君 受理番号 2886号 遠藤 利明君 受理番号 2887号 後藤 茂之君 受理番号 3084号 坂本 竜太郎君 受理番号 3085号 渡辺 創君 受理番号 3281号 塩崎 彰久君 受理番号 3282号 本村 伸子君 受理番号 3420号 広瀬 建君 受理番号 3488号 城井 崇君 受理番号 3489号 下野 幸助君 受理番号 3490号 福田 徹君 受理番号 3491号 早稲田 ゆき君 |
| 処理経過 (所管府省における処理要領) |
一 難病の原因究明等の研究のため、厚生労働科学研究費補助金の難治性疾患政策研究事業等に取り組んでおり、また、治療体制の確立に向けて、都道府県に対して難病の医療提供体制を整備するための経費を補助し、難病診療連携拠点病院等の整備を支援している。 また、難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号。以下「難病法」という。)第五条に基づく指定難病の対象となる疾病については、難病法施行時である平成二十七年一月一日時点の百十疾病から令和七年四月一日時点で三百四十八疾病まで拡大したところである。引き続き、難病施策の推進に取り組んでまいりたい。 二 難病患者や小児慢性特定疾病児童等については、医療保険における高額療養費制度だけでなく、難病法や児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)に基づく医療費助成制度により、更なる経済的負担の軽減を図っているほか、小児から成人への移行期医療支援のため、都道府県の移行期医療支援体制を整備するための経費の補助を行っている。 また、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件整備及び一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組を進めている。 その上で、合理的配慮については、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないこととされており、文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針(平成二十七年文部科学省告示第百八十号)等を、各教育委員会等に周知している。 また、医療的ケアが必要な子供については、学校において安心・安全に学ぶことができるよう、医療的ケアを行う看護職員の配置に係る財政支援の拡充のほか、学校における医療的ケアの実施体制の充実を図ることを目的とした調査研究事業を実施している。 さらに、病気療養児のICTを活用した学習環境については、従来の同時双方向型授業配信に加え、令和五年四月から、児童生徒が視聴したい時間に受講するオンデマンド型の授業配信を可能とする制度改正を行っており、ICTを活用した遠隔教育の充実普及に努めている。 学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業において、長期療養者を含む障害者の学習環境の充実について、ICTを活用したモデルの実践研究や普及等にも取り組んでいる。 三 医療費等の負担軽減については、医療保険の高額療養費制度により、家計に対する医療費の自己負担が過重なものとならないようにしており、加えて、難病患者については、難病法に基づく特定医療費助成制度により、更なる経済的負担の軽減を図っている。 また、福祉サービスについては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)に基づく障害福祉サービスを難病患者等も本人の状態に応じて利用が可能であり、人材の確保・研修の充実については、難病相談支援センターに勤務する職員等を対象とした研修の全国的な実施等に取り組んでいる。 四 創薬等に当たり、難病や長期慢性疾病の患者を含む国民の臨床研究及び治験への参画を推進するため、臨床研究及び治験に関する普及啓発や、臨床研究及び治験の情報に関するデータベースの充実に取り組んでいる。 ゲノム医療の教育及び啓発の対応等の推進については、良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律(令和五年法律第五十七号)に基づき策定したゲノム医療施策に関する基本的な計画(令和七年十一月二十一日閣議決定)を踏まえ、取組を進めてまいりたい。 専門医療と地域医療の連携については、難病が疑われながらも診断がつかない患者について、患者本人や管内の医療機関からの診療相談に応じる難病診療連携コーディネーターを配置する等の取組を行っている。 また、医療等の専門スタッフ不足等について、まず、医師の確保については、医学部定員を臨時的に増員しており、医師数は、令和四年までの十年間で、全国で約四万人増加してきた。また、医師偏在対策については、これまで、地域枠の設置等の医師養成過程での取組や、地域枠医師の配置調整や医師派遣等の医師確保計画に基づく取組を進めている。令和六年十二月末には、「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定し、第二百十七回通常国会において関連法案を提出したところであり、関係者の御意見も伺いつつ、実効性のある取組を計画的に進めてまいりたい。 次いで、看護師等の確保については、「新規養成」、「復職支援」、「定着促進」を三本柱にした取組を進めており、就業する看護職員数は、平成二十三年から令和五年までの十二年間で、約二十五万人増加している。 さらに、消費税増収分を活用した地域医療介護総合確保基金(医療分)については、令和七年度予算において、約九百九億円を確保しており、各都道府県における医療従事者等の確保等に資するため、地域の実情に応じて本基金を活用していただくこととしている。 また、難病患者に対するリハビリテーションについては、訪問リハビリテーション及び介護予防訪問リハビリテーションについて特定医療費の支給対象とするとともに、在宅の難病患者の多様化するニーズに対応したホームヘルパーの養成支援を実施している。 さらに、地域医療介護総合確保基金を活用した質の高い在宅医療の確保や、在宅医療に関する専門知識や経験を豊富に備え、地域で中心となって人材育成事業を支えることのできる高度人材の育成等の取組を進めており、引き続き、在宅医療の提供体制の充実に取り組んでまいりたい。 五 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)における「障害者」は、「心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」とされており、これに該当する難病患者に対しては、公共職業安定所において、様々な難病の特性に応じた助言ができる難病患者就職サポーターを配置し、個々の特性を踏まえた職業相談等を行っている。 また、同法に基づき、事業主に対し、雇用の分野における障害者に対する差別を禁止するとともに、障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置の実施を義務付けており、その取組を推進する観点から、「障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A第三版」及び「合理的配慮指針事例集第五版」をホームページにおいて公表する等、事業主に対して広く周知を行っている。 引き続き、こうした難病患者の特性に応じたきめ細かな支援や事業主に対する周知啓発の取組を進めてまいりたい。 なお、障害者雇用率制度については、事業主が社会的な責任を果たすための前提として、対象範囲が明確であり、公正性及び一律性が担保されることが必要であること等から、現在、当該制度の対象障害者の範囲を、障害者のうち、同法に規定する身体障害者、知的障害者及び精神障害者(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第四十五条第二項の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限る。)である労働者としている。当該労働者に該当しない難病患者の障害者雇用率制度における位置付けについては、令和四年六月に労働政策審議会障害者雇用分科会で取りまとめられた「今後の障害者雇用施策の充実強化について(労働政策審議会障害者雇用分科会意見書)」において、「個人の状況を踏まえることなく、一律に就労困難性があると認めることは難しい」ことを踏まえ、「雇用率制度における対象障害者の範囲に含めることをただちに行うのではなく、手帳を所持していない者に係る就労の困難性の判断の在り方にかかわる調査・研究等を進め、それらの結果等も参考に、引き続きその取扱いを検討することが適当」とされたことから、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構において「難病患者の就労困難性に関する調査研究」を実施するとともに、令和六年十二月から開催している「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」において、難病患者の当事者団体を含む関係団体からのヒアリングの結果も踏まえた検討を行っており、引き続き、必要な対応を行ってまいりたい。 六 難病患者等の療養生活の質の維持向上を図るため、難病患者等に対する必要な情報提供及び地域交流会等の活動に対する支援を行う難病相談支援センター等の取組を推進している。 また、各都道府県等に設置された難病相談支援センターの活動を支援するため、同センターに勤務する職員等を対象とした研修の全国的な実施等に取り組んでいる。 今後も、都道府県等と難病相談支援センターとの連携強化及び相互支援に取り組むとともに、難病に対する国民の理解が促進されるよう、難病に係る広報等を行ってまいりたい。 |
| 主な所管府省 | 厚生労働省 |
| 処理経過報告年月日 | 2025/12/09 |

