請願情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国会回次 | 219 |
| 新件番号 | 513 |
| 請願件名 | 国民を腎疾患から守る総合対策の早期確立に関する請願 |
| 請願要旨 |
患者数が二千万人を超えると推計される慢性腎臓病は、命に関わる病気の発症リスクが高く一たび腎不全になれば人工透析や腎移植が必要になる。国の腎疾患対策事業や生活習慣病対策事業などの推進の成果や、官民を挙げての啓発活動の効果などにより、透析患者数は二年連続して減少したが七十五歳以上では増加し続けており、透析患者全体の高齢化によって通院や介護支援、フレイル、サルコペニアの予防・改善などが喫緊の課題となっている。加えて、腎不全患者への緩和ケアの提供や医師の高齢化による透析施設の閉鎖、自然災害が発生した場合の対策も重要である。さらに、腎移植まで平均約十五年かかることから、臓器移植への国民の一層の理解が進むような普及啓発や国内での移植件数を最大化させる施策の推進とともに、再生医療の研究が進むことを願う。 ついては、次記事項を措置されたい。 一 腎臓病の早期発見と重症化予防のため、医療機関間の紹介基準等の普及及び連携強化、並びに都道府県による腎臓病に関する啓発を更に推進すること。 二 透析患者及び腎移植患者を含む慢性腎臓病患者の生活の質(QOL)の向上のため、必要に応じた栄養指導・運動指導・緩和ケアが適切に受けられる体制を整備すること。 三 透析患者の介護保険施設入所を促進するため、送迎加算の要件緩和と運用の拡充を図るとともに、透析施設と介護施設の連携体制を更に強化すること。 四 透析患者の高齢化や障害の重度化により通院困難者が増加しているため、国と地方自治体が連携し、透析患者の通院を支援する体制の整備に努めること。 五 医療者不足などにより、透析施設の閉鎖、夜間診療の中止、入院受入れの中止などが余儀なくされている地域が生じていることから、遠隔医療の導入などによる透析医療を確保するための対策を講ずること。 六 大規模広域災害発生時において、透析患者が継続して治療を受けられるよう、都道府県と関係機関が緊密に連携した移送手段の確保や医療体制の整備を進めること。 七 臓器移植及び再生医療研究の一層の推進に努めるとともに、実用化が近い腎臓再生医療の研究については、体制の更なる充実を図ること。 |
| 受理件数(計) | 1件 |
| 署名者通数(計) | 5名 |
| 付託委員会 | 厚生労働委員会 |
| 結果/年月日 | 採択の上内閣送付
/令和7年12月17日
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| 紹介議員一覧 |
受理番号 513号 村岡 敏英君 |
| 処理経過 (所管府省における処理要領) |
一 腎臓病の早期発見と重症化予防については、政府としては、平成三十年七月に腎疾患対策検討会で取りまとめた「腎疾患対策検討会報告書」に基づき、総合的な腎疾患対策を実施している。具体的には、令和五年十月には、「腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会」において「腎疾患対策検討会報告書(平成三十年七月)に係る取組の中間評価と今後の取組について」を取りまとめ、二人主治医制や慢性腎臓病の早期発見に関する啓発活動の推進等、各都道府県の腎疾患対策の強化等について一定の評価を得たところである。 これも踏まえ、現在、都道府県等における患者等一般向けの講演会等の開催や医療関係者を対象とした研修の実施等に係る補助事業において、慢性腎臓病に関する正しい知識の普及や対策に必要な人材育成等を引き続き推進するとともに、慢性腎臓病の重症化予防のための診療体制の構築や、多職種連携による療養指導等を行うためのモデル事業を実施しているところである。 くわえて、普及啓発については、腎疾患政策研究事業において、慢性腎臓病の正しい知識の普及に資する啓発資材を開発し、研究班の公式ホームページで無料公開している。さらに、令和六年度に、関連学会の監修の下、腎臓専門医・腎臓専門医療機関への紹介基準を示したリーフレットを作成し、公益社団法人日本医師会や一般社団法人日本腎臓学会を通じて広く周知した。 また、世界腎臓デー(三月第二木曜日)に合わせ、厚生労働省ではXやYouTubeで慢性腎臓病に関する正しい知識の普及啓発を行った上、各都道府県に対しても積極的な腎疾患対策に係る普及啓発の協力を依頼する事務連絡を発出したところである。 引き続き、腎疾患対策の推進に必要な取組を行ってまいりたい。 二 腎疾患政策研究事業において、慢性腎臓病患者に特有の健康課題に適合した多職種連携による生活・食事指導等の実証研究を行い、実態調査や得られたエビデンスから、多職種連携指導に係る手引きを作成するとともに、令和六年度診療報酬改定において、多職種が連携した生活習慣に関する指導を行った場合の評価を行う慢性腎臓病透析予防指導管理料を新設した。 また、慢性腎臓病患者の治療と仕事の両立を支援するため「慢性腎臓病(CKD)における治療と仕事の両立に関する手引き」を作成した。 緩和ケアについては、腎不全患者に対する緩和ケア等を総合的に推進することを目的とし、令和七年度補正予算及び令和八年度予算において、腎不全患者に対する緩和ケア等の総合推進事業に係る経費を計上しているところである。 三 介護保険施設のうち、特別養護老人ホームにおける医療ニーズへの対応については、令和六年度介護報酬改定において、透析が必要な者の受入れに係る負担を軽減する観点から、定期的かつ継続的に透析を必要とする入所者であって、家族や病院等による送迎が困難である等やむを得ない事由がある者について、施設職員が月十二回以上の送迎を行った場合において評価する新たな加算を設けている。通院送迎の実態については、協力医療機関等に関する改定検証調査において、付添い・送迎者、送迎方法及び一人一月当たりの送迎平均回数を確認する調査を実施しているところであり、介護保険施設における透析治療が必要な方への支援については、これらの調査結果を踏まえつつ、関係者の意見も伺いながら、引き続き、次期介護報酬改定に向けて検討を進めてまいりたい。 四 地域における移動手段として透析患者が利用できる移動手段の確保については、地域の実情に応じて、地方公共団体等が中心となって様々な事業が行われているほか、要介護認定等や障害福祉サービスの支給決定を受けた透析患者は、介護保険制度又は障害福祉制度により、居宅から医療機関に通院する際に、ヘルパーによる介助等のサービスを受けることが可能である。 また、透析患者等を始め障害を有する等により単独での移動が困難である者については、タクシー・福祉タクシーに加え、市町村、NPO法人等が自家用車を用いて実施する福祉有償運送も利用できるよう、地域における移動手段の確保に向けた取組を推進してまいりたい。 五 高齢化が進行し、生産年齢人口が減少する中、透析医療を含む医療提供体制を確保するため、都道府県を中心として、医療計画等に基づき、地域の実情に応じて、医師、看護師、臨床工学技士等の医療従事者の確保に向けた取組が進められており、政府においては、地域医療介護総合確保基金により財政支援を行っている。 医療従事者を確保しにくい地域における透析医療については、腎疾患政策研究事業において、現状の把握や、遠隔医療の利用を含めた対応事例の収集を目的とした調査を行っている。 六 災害時における人工透析の提供体制については、「厚生労働省防災業務計画」(平成十三年二月十四日厚生労働省発総第十一号)に定めるとともに、東日本大震災の教訓を踏まえ、公益社団法人日本透析医会災害時情報ネットワークシステムの機能強化に対する補助を行い、災害時の透析患者の受入体制の充実を図っている。令和六年能登半島地震においては、同ネットワークシステムを通じ、国、地方公共団体及び公益社団法人日本透析医会が連携して、人工透析の提供体制の確保に努めている。 また、腎疾患政策研究事業において、災害時や感染症流行下にも対応可能な慢性腎臓病の診療体制の確保等に資する研究を行っている。 なお、大規模地震時医療活動訓練において、公益社団法人日本透析医会と協力しながら、透析医療機関の被害を想定した避難・搬送のシミュレーション等の訓練を実施している。令和七年度は日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震における重点受援県を中心とした被災を想定した訓練を行った。 七 腎臓移植を含めた臓器移植の推進については、臓器あっせん機関と連携したSNSでの発信並びに全国の中学校へのパンフレットの配布及び授業でのパンフレットの活用の働きかけ等、国民の臓器提供の意思表示に繋がるような普及啓発を実施している。また、臓器提供を希望する方の意思が反映されるよう、臓器提供施設、臓器あっせん機関及び移植実施施設のそれぞれが十分に機能を発揮していくために、臓器移植体制の見直しを進めており、引き続き、これらの取組を通じて、臓器移植の推進に努めてまいりたい。 再生医療については、令和八年度予算において、実用化に近い臨床研究を重点的に支援する経費等を計上し、研究体制の充実を図っている。 再生医療の研究の推進及び実用化に資するよう、引き続き、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成二十五年法律第八十五号)及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)の規定に基づき、制度の円滑な運用に努めてまいりたい。 |
| 主な所管府省 | 厚生労働省 |
| 処理経過報告年月日 | 2026/06/09 |

