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第201回国会
ウイルス性の肝がん・重度肝硬変患者への支援と肝炎ウイルス検査及び治療薬の研究開発の促進に関する請願

【請願要旨と処理経過(所管省庁における処理要領)】
請願要旨

 ウイルス性の肝がん・重度肝硬変患者に対する医療費助成が平成三十年十二月から研究事業の一環として開始されたが、研究事業としても医療費の助成としても目的が十分に果たせていない。事業対象者の条件が実態に即していない結果で、治療法の変化に対応すべきと考える。また、B型肝炎やC型肝炎は効果が高く副作用のない治療薬が開発されているが、感染を知らない潜在キャリアや感染を知りながら継続的に受診をしていないキャリアは数多くいると言われている。肝炎ウイルス検診や陽性者フォローについては、自治体や職域で大きな差があるため検診を促進する必要がある。平成二十四年にはB型肝炎ウイルスの排除を目的とした治療薬の研究開発事業が開始され、基礎的研究は着実に進んでいるが、より速いテンポで進展することを希望する。  ついては、次記事項を措置されたい。 一 ウイルス性の肝がん・重度肝硬変治療研究事業の対象者を実態調査の結果を踏まえて、速やかに検討し適切に対処すること。 二 肝炎ウイルス検診や陽性者フォローにおいては、都道府県・自治体の均てん化を図り、職域での実態を把握し、全国の病院・医院の他診療科での肝炎ウイルス陽性判明者を受診につなげること。その際、肝炎医療コーディネーターの活用を促進すること。 三 B型肝炎ウイルスを排除する治療薬の研究開発を一層促進すること。

処理経過(所管省庁における処理要領)
【主な所管省庁:厚生労働省】

一 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業については、その実施状況を把握するための調査を行ったところであり、当該調査結果を踏まえて、本事業の見直しを検討してまいりたい。 二 肝炎ウイルス検査の受検や、検査で陽性者となった人へのフォローアップが居住する地域にかかわらず行われるよう、地方公共団体における陽性者へのフォローアップの状況を含めた肝炎ウイルス検査の実施状況等について、毎年調査を行い、その調査結果を地方公共団体の担当者会議等で周知するなどの働きかけを行っており、引き続き、こうした取組を行ってまいりたい。   また、職域における肝炎ウイルス検査については、厚生労働科学研究において、受検率等の実態の把握に取り組んでいるところである。   これらの取組に加え、厚生労働科学研究において、他診療科において肝炎ウイルス検査を行い、陽性と判定された者を受診につなげるための方策について、研究を行い、得られた成果を周知してきており、引き続きこうした取組を推進してまいりたい。   肝炎医療コーディネーターについては、肝炎対策の推進に関する基本的な指針(平成二十八年厚生労働省告示第二百七十八号。以下「基本指針」という。)を踏まえ、肝炎ウイルス検査の受検勧奨、陽性者に対する受診勧奨等を役割として都道府県において養成及び活用されるよう、「肝炎医療コーディネーターの養成及び活用について(通知)」(平成二十九年四月二十五日付け健発〇四二五第四号厚生労働省健康局長通知)を発出したところであり、引き続き活用の促進を図ってまいりたい。 三 B型肝炎の画期的な治療薬については、基本指針で、B型肝炎や肝硬変に対する医薬品や治療法の開発等を今後の取り組むべき課題と位置付けており、「肝炎研究十カ年戦略」に基づき、B型肝炎の創薬実用化研究を推進している。   これまでのB型肝炎の創薬実用化研究において、B型肝炎ウイルスに係る実験基盤の確立並びに既存薬を応用したB型肝炎の治療薬及びゲノム技術を利用したB型肝炎の治療法の開発が進められており、これらの成果により、B型肝炎に対する治療薬の開発や治療法の実用化に結び付くよう、引き続き研究に対する支援を行ってまいりたい。

本請願の受理件数、付託委員会、紹介議員等は、請願情報をご覧ください。
第201回国会 1009 ウイルス性の肝がん・重度肝硬変患者への支援と肝炎ウイルス検査及び治療薬の研究開発の促進に関する請願(別ウインドウで表示)



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