第203回国会
全ての世代が将来にわたって信頼できる年金・医療・介護等の社会保障制度の確立等に関する請願
請願要旨 |
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我が国の社会保障制度は、広く国民生活に浸透し生活基盤を支える重要な役割を担っている。その一方で、急速な少子高齢化の流れにあって、公費の比重の大きい高齢者医療・介護給付費増により給付と負担のバランスが損なわれ、将来世代に負担を先送りしている。 ついては、豊かな高齢社会を体現できる持続可能な社会保障制度の確立を願い、次記事項を措置されたい。 一 社会的セーフティネットとして、安心・安定した暮らしを保障するため、人生百年時代を見据え、国民の誰もがより長く元気に活躍でき、全ての世代が将来にわたって信頼できる年金・医療・介護等の社会保障制度を確立すること。 二 教育無償化等による子育て支援や奨学給付金制度を拡充し、女性の就労意欲を支援する環境整備と若者の就労支援を推し進めること。 |
処理経過(所管省庁における処理要領) 【主な所管省庁:厚生労働省】 |
一 政府としては、少子高齢化が急速に進行する中で、社会の担い手を増やし、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することが必要と考えている。令和二年十二月に閣議決定した「全世代型社会保障改革の方針」には、後期高齢者の医療費の窓口負担割合の見直し等の医療制度改革や、不妊治療の保険適用、待機児童の解消や男性の育児休業の取得促進といった少子化対策等が盛り込まれており、第二百四回通常国会においても、この方針を踏まえて関連法案を提出した。 また、政府においては、持続可能な社会保障制度の構築と財政健全化を達成するため、消費税率の引上げによる増収分を社会保障の充実・安定化に充てるとともに、その重点化・効率化にも取り組んできたところ。全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を確立するため、引き続き不断の検討を進める。 二 保護者の教育費負担の軽減については、令和元年十月からの幼児教育・保育の無償化に続き、令和二年四月より、年収五百九十万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化や、真に支援が必要な低所得世帯の子供たちを対象とした高等教育の修学支援新制度を進め、子育てや教育にかかる負担の大幅な軽減を図っている。また、子ども・子育て支援については、令和二年十二月に公表した「新子育て安心プラン」に基づき、保育の受け皿を整備するとともに、保育人材の確保を進めるなど、必要な施策を進めているところであり、引き続き、子ども・子育て支援の充実に取り組んでいく。 高校生への奨学給付金制度については、平成二十六年度に、低所得世帯の授業料以外の教育費の負担を軽減するため、返済不要の高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)を創設した。平成二十七年度以降、補助対象の拡大や給付額の増額等の制度の拡充を行っている。 女性の就労意欲を支援する環境整備については、子育て世代の労働者が、仕事と子育てを両立できるよう、育児休業等の両立支援制度の定着促進を図るとともに、令和元年五月に成立した女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第二十四号)において、事業主に対し女性活躍の推進に関する計画的な取組を広く促すため、管理職比率等の自社の課題に基づいた目標等を定める一般事業主行動計画の策定義務付けの対象を拡大するなど、様々な取組を総合的に進めている。 若者の就労支援については、新規学卒者等の方々に対しては新卒応援ハローワーク、フリーターの方々に対してはわかものハローワーク等において、担当者制による職業相談等、個々のニーズに即したきめ細かな就職支援を実施している。 |
本請願の受理件数、付託委員会、紹介議員等は、請願情報をご覧ください。
第203回国会 560 全ての世代が将来にわたって信頼できる年金・医療・介護等の社会保障制度の確立等に関する請願
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