法務局の登記、戸籍、国籍、供託、行政訴訟業務及び人権擁護業務は、適正・迅速に行ってこそ国民の財産と権利を守ることになるが、業務量に対して従事職員が不足しており、業務の停滞、サービスの低下、職員の健康破壊など危機的状況に直面している。更生保護業務については、二〇〇八年六月に更生保護法が施行されたことに伴い、新規施策はもちろん保護観察業務についても大幅な見直しが行われた。しかし、一連の急激な改革によって業務量は増え続け、組織や業務に生じたゆがみが拡大している。出入国管理業務においては、国際交流の活発化、海外旅行の増加などによって出入国者が増大し、さらに、外国人による不法就労問題への対処や在留審査業務の増加など繁忙を極めている。一方、少年院施設では、近年の少年非行の複雑化、凶悪・悪質化による処遇困難な少年が増加し、職員の肉体的・精神的負担が増大している。また、一部の施設で夜間の複数指導体制が実施されているが、人員体制が全く整っていない。 　ついては、法務局、更生保護官署、入国管理官署、少年院施設の定員を増員されたい。

　法務局、更生保護官署、地方出入国在留管理官署及び少年院については、従来から事務及び定員配置の合理化を図るとともに、一方において増員等の措置を講じてきたところであるが、今後も法務行政に対する国民の負託に柔軟に応えられるよう、現下の厳しい行財政事情が許す範囲内で適正な措置を講ずるよう努力してまいりたい。