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第208回国会
現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の整備を目指すことに関する請願

【請願要旨と処理経過(所管省庁における処理要領)】
請願要旨

 長時間労働の是正を初めとする働き方改革は政府の最重要政策と位置づけられており、労働基準行政では改正労働基準法等の施行を担い、職業安定行政では就職氷河期世代への支援を行っている。また、雇用環境・均等行政では非正規労働者の処遇改善や均等・均衡待遇の実現、さらにはパワハラ防止の措置義務の履行確保などの新たな重要施策も担っている。新型コロナウイルス感染症が終息した後においても労働者・国民の雇用の安定や労働条件の確保は重要な課題と言え、これらの課題を担う労働行政体制の整備・強化を図ることが急務となっている。  ついては、次記事項を措置されたい。 一 新型コロナウイルス感染症の終息はいまだ見通せず、職業安定行政においては雇用維持を図るための雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金への対応が極めて重要である。また、これまで支給してきた助成金の不正受給への対応や職を失った労働者への失業給付及び再就職支援が急務である。さらに、就職氷河期世代への対応として、窓口でのきめ細やかな支援も求められている。一方、職場で感染症に罹患した労働者の労災補償給付請求が増え続け、今後、賃金未払いのまま倒産する企業の急増も懸念され、労働基準監督署の役割がますます重要となる。あわせて、労働基準行政では長時間労働の是正や脳・心臓疾患・精神疾患等の労災請求事案への対応、石綿や化学物質の暴露防止対策など政府の重要施策を担っていく必要がある。さらに、小学校休業等対応助成金や業務改善助成金、人材確保等支援助成金(テレワークコース)、母性健康管理措置等に関する助成金など多くの助成制度を担っている雇用均等行政では、同一労働同一賃金の実現やパワハラ防止措置義務化への対応などにかかる役割発揮も求められている。こうしたことから、政府の重要施策を推進するため、労働行政体制の整備を図ること。  1 新型コロナウイルス感染症への対応や政府の重要政策である働き方改革、就職氷河期世代への支援や同一労働同一賃金を実現し、労働者・国民の権利を保障するため雇用・労働施策を充実させること。  2 大幅に増加する行政需要に対応し、労働者・国民の権利保障を図るため、労働行政の体制整備を行うこと。

処理経過(所管省庁における処理要領)
【主な所管省庁:厚生労働省】

一 政府としては、誰もが生きがいを持ってその能力を最大限発揮することができる社会を創るため、積極的な就労促進、適正な労働条件の確保等に取り組んでいる。   働き方改革については、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成三十年法律第七十一号。以下「働き方改革推進法」という。)の円滑な施行等に取り組んでおり、引き続き、「働き方改革実行計画」(平成二十九年三月二十八日働き方改革実現会議決定)に基づき着実に実施してまいりたい。   就職氷河期世代への支援については、希望する就職ができずに不本意ながら不安定な仕事に就いていたり、無業の状態にある方々の就労支援を推進するため、公共職業安定所を通じた就職支援、地域若者サポートステーションを通じた職業的自立支援など、政府をあげて取り組んでいるところである。   また、同一労働同一賃金については、働き方改革推進法により、パートタイム労働者、有期雇用労働者及び派遣労働者と、通常の労働者との間の不合理な待遇差を解消するための規定の整備等を行っており、令和二年四月から順次施行されている。さらに、都道府県労働局が新たに労働基準監督署と連携することにより、同一労働同一賃金の遵守を徹底してまいりたい。   新型コロナウイルス感染症への対応として、雇用と暮らしを守るため、雇用調整助成金の特例措置に加え、産業雇用安定助成金により、在籍型出向を活用した雇用維持を支援するとともに、離職を余儀なくされた求職者へのきめ細かな就労支援や、新型コロナウイルス感染症の影響による離職者であって就労経験のない新たな職業に就くことを希望する方をトライアル雇用する事業主への支援等により、離職者の早期再就職を支援してきたところであり、引き続き、必要な対応に取り組んでまいりたい。   さらに、業務により新型コロナウイルスに感染した労働者が迅速に労災保険給付を受けられるよう的確に対応してまいりたい。   加えて、新型コロナウイルス感染症の影響による企業倒産に伴い、賃金の支払を受けられないまま退職を余儀なくされた労働者に対しては、未払賃金立替払制度の迅速かつ適正な運用により、救済を図ってまいりたい。 二 都道府県労働局、労働基準監督署及び公共職業安定所については、これまでも定員の合理化に対応しつつも、必要な体制整備に努めてきたところであるが、今後とも行政需要に的確に対応すべく必要な体制整備に努めてまいりたい。

本請願の受理件数、付託委員会、紹介議員等は、請願情報をご覧ください。
第208回国会 1826 現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の整備を目指すことに関する請願 (別ウインドウで表示)



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