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平成十四年十一月一日提出
質問第六号

国民の視点にたった良質かつ安全な医療の推進のために国立大学病院薬剤部の組織体制の充実・強化に関する質問主意書

提出者  三井辨雄




国民の視点にたった良質かつ安全な医療の推進のために国立大学病院薬剤部の組織体制の充実・強化に関する質問主意書


 近年、病院において医療事故が多発し、特に、薬剤に係る事故が大きなウェイトを占めていることから、病院における薬剤の取扱い、管理の強化を図ることが極めて重要な課題となっている。このため全国の病院薬剤師は調剤室だけに留まることなく、薬剤師の専門性を発揮して薬剤の取扱い、管理、服薬指導業務等の徹底を期すとともに、病院薬剤部の一層の体制整備、強化を図るよう努力しているところである。加えて、先の薬事法改正により、医薬品の市販後調査の充実等が行われたが、病院薬剤部、特に国立大学病院薬剤部は市販後調査や新薬開発における臨床試験の実施に関しても益々重要な役割が求められている。
 また、我が国の薬剤師法では、薬剤師は医師の処方を確認し、疑わしい場合は処方医に疑義照会を行い、処方変更を求める等、薬剤師が医師の監督下ではなく、独立した立場を保つことによって行われるべきことを求めている。そして、病院内においては、薬剤部は、組織上明確に独立して設置され、薬剤師が医師とは独立した立場でこれらの業務を行うこととされている。
 ところが、文部科学省は、本年四月、突然、国立学校設置法施行規則を改正、これまで国立大学附属病院に薬剤部および薬剤部長を置くことを規定していた第十八条を削除し、「薬剤、臨床検査、手術又は放射線診療等に関する業務を集中して行うため、部を置く」と、あたかも薬剤部を廃止し、他の部署と合一することを促進するかのような条文に改変してしまった。
 今回の施行規則の改正によって、薬剤部体制を強化することが困難なばかりか現状を維持することも難しい状況に陥りつつある。今回の措置は、単に国立大学病院に止まらず、全国の病院に大きな影響を与えることは必至であり、日本の医療の安全を危うくするものであると言わざるを得ない。
 従って、次の事項について質問する。

一 文部科学省は医薬分業の意義および精神をどのように考えているのか。国民の医療の安全を確保するためには「医」と「薬」がそれぞれの役割を果たすことが重要であり、医療機関においても医師に対してのチェック機能を薬剤師が果たせる独立した組織としての薬剤部の存在が不可欠である。このためにも、薬剤部長は薬剤師をもって充てることが必須となる。文部科学省の考える病院組織図上の薬剤部の位置づけおよび薬剤部長についての見解を明らかにされたい。
二 今回の国立学校設置法施行規則改正の真の目的は何か。明らかに平成十四年三月に出された「国立大学附属病院の医療提供機能強化を目指したマネジメント改革について(提言)」を支援するものと考えられるが、この点についての見解を明らかにされたい。
三 平成十四年三月に出された「国立大学附属病院の医療提供機能強化を目指したマネジメント改革について(提言)」の作成過程における文部科学省の関与について、原案作成の有無、検討会およびワーキンググループ会議への文部科学省からの出席者名と回数、具体的な発言内容について、時系列で明らかにされたい。
四 今回、薬剤部長が教授職化されたことを受けて、実状の合うように整備したとするならば、平成九年薬剤部長が教授職化された時点で、何故旧第十八条の手直しをしなかったのか。また、旧第十八条は医学部附属病院のみを対象にしておらず、歯学部附属病院、附属研究施設も対象であり、これらについては未だに教授職化されていない。この点について文部科学省の見解を明らかにされたい。
五 今回削除された薬剤部を規定する旧第十八条を教授職化の実状に合わせて修正の上、復活させる意思の有無について明らかにされたい。

 右質問する。



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