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平成十五年十一月二十七日提出質問第二五号
日本道路公団の工事入札や人事などにからむ、政治家等の圧力・介入疑惑に関する質問主意書
提出者 穀田恵二
日本道路公団の工事入札や人事などにからむ、政治家等の圧力・介入疑惑に関する質問主意書
日本道路公団前総裁であった藤井治芳氏は、「週刊文春」(十月二十三日付等)のインタビューで、日本道路公団の工事入札や人事などにからんで、政治家・秘書官から圧力・介入があったことを明らかにしている。
石原伸晃国土交通大臣は、本年十月五日、藤井氏の進退問題に関して行われた同氏との会談の席で、政治家のイニシャルをあげて疑惑を指摘する話が藤井氏からあったということをテレビ番組の中で明らかにし、十一月二十五日の衆院予算委員会でも認めている。
小泉内閣は、道路四公団の民営化に関する法案を次期通常国会に提出する準備をすすめているが、こうした政官業の癒着の実態を明らかにしないまま“民営化先にありき”で事をすすめても、国民の期待に応える「改革」はできない。
小泉内閣として、藤井氏の指摘する疑惑について、事実関係の徹底した解明を行う責任がある。
従って、次の点について質問する。
道路公団は、二〇〇〇年十二月に、資金調達を理由に十三件の工事の発注を延期した。この中に、青木氏の地元、島根県の山陰自動車道・仏経山トンネル西工事が含まれていたため、青木氏が激怒し、藤井氏や公団を監督する国土交通省幹部に直接電話したとされている。この経過について、藤井氏は、「実はあの時、青木さんから直接電話がかかってきました」と「週刊文春」のインタビューに答えている。さらに、「(青木氏から電話があった際)瞬間的にメモを作っておかなければいけないと思った。メモを見れば時間などもわかる」とマスコミのインタビューに答え、メモを作成した事実を認めている。
藤井氏が作成したとされるこのメモの検証が重要である。このメモの中には、「二〇〇一年十二月十九日午前 (国交省)企画課長 青木幹雄事務所で仏経山トンネルの件で怒られる。午後 道路局長が『(公団総裁とともに)説明に行きたい』と申し入れるが、返事なし。」「二十日 午前九時二十五分 道路局長に青木事務所から電話。@俺のところを中国地方でなぜ選んだのか、Aこれを文書にして届けろ、Bこのことは総裁に言ってある。」「二十五日 青木から道路局長→高速道路課長へ『発注を先送りした工事に関わる経緯』を詳しく文書で提出せよとの指示。」など、青木氏から国土交通省幹部への電話があったことが記載されている。
これらの事実確認を行うべきである。メモに記載されている内容について、事実であるかどうか。及びその経過はどうであったのか。
第二 飯島勲・小泉首相秘書官が公団の人事に介入したとされる問題について。
道路関係四公団民営化推進委員会の事務局次長であった片桐幸雄氏が道路公団に帰ってきた際に、藤井氏は、「調査役のポストしかあいていなかった。それで四国に転勤させる人事が内定したんですが、その途端、飯島秘書官から突然、電話が入って、『片桐を絶対に左遷するな』と言われた。」と語っている。その後、公団四国支社副支社長となった片桐氏が、公団の財務諸表問題で内部告発の手記を発表したため、二〇〇三年八月に副支社長を解任され、同支社調査役にされた際にも、飯島氏から、「これは左遷じゃないか。いいか、片桐は処分するな。そのままにしておけ」などの電話があったと述べている。
藤井氏によれば、飯島氏から数回にわたり、直接、藤井氏に人事に関する電話がかけられているとされるが、その事実関係はどうか。
第三 東京・赤坂のホテルニュージャパン跡地をめぐる故竹下登元首相の関与疑惑について。
一九九六年ごろ、千代田生命の関連会社が所有していたホテルニュージャパン跡地を旧建設省の外郭団体「民間都市開発推進機構」に購入させようと竹下元首相から働きかけがあったとされている。藤井氏は、竹下氏の働きかけを拒否したと言われており、藤井氏も「たしかにニュージャパンの一件から、私は竹下先生から疎んじられたのかもしれません」と述べている。石原国土交通大臣は、「国土交通省がこの土地の絡みで民都機構から相談を受けたという事実はありましたけれども」(二〇〇三年十一月二十五日衆院予算委員会)と一部認めている。この事実関係及び経過はどうであったのか。
右質問する。