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平成十六年三月八日提出
質問第三四号

郵便貯金及び簡易保険の民営化検討に関する質問主意書

提出者  島  聡




郵便貯金及び簡易保険の民営化検討に関する質問主意書


 第一五九通常国会の本院本会議における小泉内閣総理大臣の施政方針演説の中で、郵政事業の民営化については「本年秋ごろまでに国民にとってより良いサービスが可能となる民営化案をまとめ、平成一七年に改革法案を提出する」ことが明言されている。これを受け、政府内部において、具体的な検討が進められていると聞く。
 この郵政公社の改革は、日本の経済システム全体に多大な影響を及ぼすものである。とりわけ郵便貯金・簡易保険事業については、わが国の財政・金融システムにとって極めて重要な政策課題である。現在の郵政事業民営化の検討状況について、政府に対し質問する。

一 郵便貯金・簡易保険については、その全額を財政投融資に回す預託制度が、平成一三年に廃止された。にもかかわらず、平成一五年度は財投債の四三%にあたる約一三兆円を引き受けている。このように郵便貯金・簡易保険で集められた資金の多くが財政投融資を通じて特殊法人に回る構造は変わっていない。こうした資金を民間に向かわせるための抜本的な改革が必要であると考える。平成一五年末で九三・四兆円ある財投債の発行残高のうち、郵便貯金・簡易保険の資金は何割を占めているか。また、今後郵便貯金・簡易保険による財投債の引き受けを、どの程度削減していくお考えか、具体的にお示しいただきたい。
二 郵便貯金・簡易保険は政府の債務であり、その資金をさらに国債で運用している。このように郵貯簡保が国民から個人金融資産を吸収し、国債を通じて公的部門に流入する構造が、わが国の財政改革を阻害してきた。民営化にあたっては、この構造の改革こそが必要であると考える。一方で、民営化によって国債の引き受けを縮小すれば、国債市場に悪影響を与えることになる。民営化に向けては、財政規律の回復による国債発行の削減と、市場条件を反映した発行条件の設定や商品の多様化など、安定消化のための施策があわせて必要であると考えるが、政府の見解はいかがか。
三 これまでの日本では、国債の金利に比べ定額貯金の金利が低かった。それにより、郵便貯金で集めた資金を国債で運用することができた。しかし、今後景気が回復し金利が上昇する局面においては、この金利差が逆転する可能性も否定できない。融資能力を持たない郵政公社が民営化された場合、当面は国債での運用に依存せざるをえない状況にあるが、政府は金利リスクをどのように考えているか。
四 政府は、「民間にできることは民間に」との方針によって郵政公社の経営改革を進めておられるが、現に民営化していない段階での公社の業務拡大は、民業の圧迫となる。現在は公社として、税制をはじめ様々な特典を持っており、法律で民営化が明確に決定されるまで、民業圧迫となる業務の拡大は行うべきではないと考えるが政府の考えはいかがか。

 右質問する。



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