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平成十六年五月六日提出
質問第八八号

今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける実務の取り扱いに関する質問主意書

 提出者
 奥田 建    川内博史




今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける実務の取り扱いに関する質問主意書


一 左記の各場合、米国のレコード会社から特定の音楽CDの輸入差止め申請がなされたとき、税関当局としては、当該音楽CDが国外頒布目的商業用レコードであるとの情を輸入業者が知っているものとして取り扱うのか。
 @ 当該音楽CDジャケットに「US Version」と印刷されている場合。
 A 当該音楽CDジャケットに「US Only」と印刷されている場合。
 B 当該レコード会社が当該輸入業者に対して送達した内容証明郵便(「当社が並行輸入を禁止している音楽CD一覧」が記載されており、その中に当該作品を含んでいるもの)の写しが提出された場合。
 C 当該レコード会社が当該輸入業者に対して送達した内容証明郵便(「当社が米国内で頒布している音楽CDは専ら米国内で頒布されることを予定しており、日本国内に輸入することは禁止されております」旨の記載のあるもの)の写しが提出された場合。
 D 当該レコード会社の代表者が「当社が米国内で頒布している音楽CDは専ら米国内で頒布されることを予定しており、日本国内に輸入することは禁止されております」旨答えているインタビュー記事が掲載されている日本経済新聞の写しが提出された場合。
 E 米国盤とは全く異なる価格で頒布されている日本盤が提出されたとき。
二 米国のレコード会社から特定の音楽CDの輸入差止め申請がなされた場合、「当該国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることにより当該国内領布目的商業用レコードの発行により当該著作権者又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる」として輸入を差止めるか否かをどのような基準に基づいて判断するのか。また、その判断のために、差止め申立者に対し、どのような資料の提出を求めるのか。
三 ジャケット等に「日本国内頒布禁止」との表示のない音楽CDの並行輸入品を販売している大手レコードショップが、当該音楽CDは国外頒布目的商業用レコードであるから直ちに廃棄するように当該音楽CDを発行している米国のレコード会社から要求されたにも関わらず、在庫品を店頭から撤去することなく販売し続けた。すると、当該米国レコード会社が当該大手レコードショップを著作権法違反の容疑で刑事告訴した。本事例において検察としては不起訴(嫌疑なし)として取り扱うのか。
四 文化庁著作権課は、今回の著作権法改正がなされても洋楽CDの並行輸入を阻止するのに輸入権が活用されることはない旨再三述べている。大手レコードショップが洋楽CDの並行輸入品を大量に仕入れて店頭に置いたところ、米国のレコード会社から並行輸入品を直ちに廃棄するようにとの警告を受け廃棄を余儀なくされた。この場合、当該レコードショップは仕入れに要した費用や廃棄に要した費用等の損害を被ることになるが、この損害については国家賠償の対象となるのか。
五 今回の著作権法改正は、これにより創設される輸入権の権利者のうちの特定の類型に属する者(この場合、洋楽CDの著作権者等)が権利行使を控えることを前提に、法案が起草されている。このような前例があるのか。
六 本年七月発行の日米租税条約との相乗効果により、米国に本店を置くレコード会社ないし当該レコード会社が過半数の株式を保有する日本現地法人(いわゆる「五大メジャー」のうち東芝EMI、ワーナーミュージック・ジャパン、ユニバーサルミュージックの三社がこの条件に該当する。残る二社のソニー・ミュージックエンタテイメント及びBMGファンハウスも将来、米国の統合持株会社「SONYBMG」へ日本現地法人株式の過半数が譲渡された場合はこの条件を満たす事になる)が輸入禁止措置を実行した場合、それによって増加が見込まれるレコード会社の収入への課税は全て米国の税収となり、米国から見れば「日本の税収を減少させて米国の税収を増加させる」という「国家的メリット」が明らかに存在するものとみなされるが、文化庁はそれを認識しているのか。また、認識しているならばそれが「輸入禁止措置を実行するメリット」には該当しないと考える理由は何か。

 右質問する。



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