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平成十六年五月十三日提出
質問第九七号

今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける暫定措置廃止に係る検討経緯等に関する質問主意書

 提出者
 川内博史    井上和雄




今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける暫定措置廃止に係る検討経緯等に関する質問主意書


 本年三月五日提出の「著作権法の一部を改正する法律案」(以下「法案」という。)に於いて、著作権法附則第四条の二(以下「附則」という。)を廃止するとのことであるが、本年一月十四日公表の「文化審議会著作権分科会報告書」(以下「報告書」という。)に於いても何ら明示されていない事項が多数存在し、暫定措置を廃止した場合の影響に係る検討が不十分であるという指摘が為されている。前記の事実を踏まえ、文化庁及び文化審議会著作権分科会(以下「分科会」という。)の本件に係る検討経緯等について質問する。なお、同様の文言が並ぶ場合でも項目ごとに平易な文章で答弁されたい。

一 文化庁は、今回の法案を提出するに際して私立図書館を所管する文部科学省生涯学習政策局及び学校法人を所管する同省高等教育局私学部と協議を行なったのか。行なっている場合、その協議内容と合意事項について報告書に全く記載されていない理由は何か。
二 著作権に関する世界知的所有権機関条約(二〇〇二年三月十四日発効)第七条では「(@)コンピューター・プログラム」「(A)映画の著作物」「(B)レコードに収録された著作物であって締約国の国内法令で定めるもの」については「当該著作物の原作品又は複製物について、公衆への商業的貸与を許諾する排他的権利を享受する」ものと定められているが、書籍又は雑誌については本条並びに同条約の全文を見渡しても一切の規定が存在しない。同条約に於ける一切の規定が存在しない状況に於いて、権利者に対して特に当該書籍又は雑誌の貸与を禁止する権利を付与している国は同条約加盟国の内、何か国にのぼるのか。
三 附則廃止によって著作権法第二十六条の三に規定する権利を行使できるのは「書籍又は雑誌」の権利者であり、特に書籍または雑誌の貸与を禁止する権利が権利者に付与された場合、図書館法第二十八条に基づき利用に係る対価を徴収している私立図書館による「非営利・有償」の貸与や、鉄道会社が乗客へのサービスを目的として駅などに設置している文庫などの「営利・無償」の貸与に対しても多大な影響が及ぶことが予想されるが、報告書では「営利・有償」の貸本業についてのみが検討の対象とされており「非営利・有償」ないし「営利・無償」の利用形態に与える影響について、分科会では一切の検討がなされていないものと認められる。その理由は何であるか明らかにされたい。
四 報告書には、附則廃止の前提となる関係者間の合意が貸与権連絡協議会(以下「協議会」という。)と「旧来の貸本業者」の間で為された旨が記載されているが、報告書に於いて実際に協議の当事者であった全国貸本組合連合会(以下「貸本組合」という。)の固有名を表記せず「旧来の貸本業者」と表記した理由は何か。また、貸本組合が平成十五年十二月十日より二十四日まで行なわれていた文化審議会著作権分科会の意見募集に於いて提出した意見書(別紙)には『「書籍・雑誌等の貸与」に係る暫定措置の廃止については、”関係者間の合意が形成された事項“とはまだいえず、協議を続行中であり、さらに検討を重ねるように求めます』とあり、本意見書の提出を以て協議会の合意を撤回したものと判断されるが、文化庁が本意見書を以て法案提出の前提とされる関係者間の合意が撤回されたとみなさない理由は何か。

 右質問する。


「文化審議会著作権分科会報告書(案)」に関する意見 1/2


「文化審議会著作権分科会報告書(案)」に関する意見 2/2


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