衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十六年六月九日提出
質問第一五一号

インターネットを利用した政権公約(マニフェスト)の報道に関する質問主意書

提出者  島  聡




インターネットを利用した政権公約(マニフェスト)の報道に関する質問主意書


 昨年の公職選挙法の改正により、衆議院議員及び参議院議員の選挙において政権公約(マニフェスト)を掲載した冊子を頒布できるようになった。法改正直後の平成十五年十一月九日執行の第四十三回衆議院議員選挙では、各党が政権公約(マニフェスト)を頒布したことにより、有権者もこれに強い関心を持ち、我が国の選挙のあり方に大きな変化をもたらした。今後さらにマニフェスト選挙が定着していくことは、我が国の民主政治の進展のために極めて重要であるといえる。
 政権公約(マニフェスト)は、各党が工夫を凝らし有権者に理解されやすいよう作成されている。しかしながら、それだけでは有権者が選挙において政権を選択する材料として十分ではない。昨年の衆議院議員選挙では、各マスコミが積極的に各政党の政権公約(マニフェスト)の内容を報道し、有権者にわかりやすい解説・評論を伝えた。こうした自由な報道は、有権者に判断材料を示すものとして、極めて重要であるといえる。
 近年、報道の手段としてのインターネットの役割が急速に拡大している。総務省の調査によれば、平成十五年末でインターネットの世帯普及率は八八・一%に上り、今やニュースを伝える媒体として、新聞・テレビと並ぶ重要な位置を占めている。
 公職選挙法は選挙における報道の自由について、第百四十八条第一項で「新聞紙又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。」としている。そして第百四十八条第三項で、適用される新聞紙又は雑誌の定義を「イ 新聞紙にあつては毎月三回以上、雑誌にあつては毎月一回以上、号を逐つて定期に有償頒布するものであること。ロ 第三種郵便物の承認のあるものであること。ハ 当該選挙の選挙期日の公示又は告示の日前一年(時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙にあつては、六月)以来、イ及びロに該当し、引き続き発行するものであること。」としている。しかしインターネット上での報道は、通常これらの条件を具備しているものではない。
 また、その他に選挙報道に関して規定した公職選挙法第百五十一条の三、第二百一条の十五などにおいても、インターネットを利用した報道を想定していないものと思われる。
 本年七月に予定される参議院議員選挙においても、各政党は政権公約(マニフェスト)を提示することが予定されている。インターネットを利用した政権公約(マニフェスト)内容の報道は、公職選挙法上どこまで許容されるのか、以下の点につき、政府の見解をお示しいただきたい。

一 インターネットの大手ポータルサイトでは、ホームページにニュース記事を掲載するサービスを提供しているものが多い。こうしたポータルサイトは通常無償で利用できる。ポータルサイトにおいて、選挙期間中に、通常行われている方法で、各党が提示したマニフェストの具体的な内容を解説・評論した記事を掲載することは、公職選挙法上可能か。
二 パソコンや携帯電話に、電子メールでニュース記事を配信するサービスは、大手通信社などのサービスが幅広く利用されている。これらの電子メールによるニュース配信は、有償であるが第三種郵便物の認可を得ていない。電子メールによるニュース配信を行っているものが、選挙期間中に、通常行っている方法で、各党が提示したマニフェストの具体的な内容を解説・評論した記事を電子メールで配信することは、公職選挙法上可能か。
三 新聞社や通信社は、通常インターネットのホームページにおいても記事を掲載しており、これらは無償で閲覧できる。新聞社などの公職選挙法第百四十八条第三項第一号に規定される新聞紙又は雑誌を発行するものが、選挙期間中に、新聞紙上又は雑誌誌上に掲載した、各党が提示したマニフェストの具体的な内容を解説・評論する記事を、通常行っている方法で自らのホームページ上において掲載することは、公職選挙法上可能か。
四 三について、新聞社や通信社のホームページでは、紙上に掲載される前に記事を掲載する場合が多い。公職選挙法第百四十八条第三項第一号に規定される新聞紙又は雑誌を発行するものが、選挙期間中に、すでに新聞紙上又は雑誌誌上に掲載されたものではない(今後掲載する予定の記事を含む)、各党が提示したマニフェストの具体的な内容を解説・評論する記事を、通常行っている方法で自らのホームページ上において掲載することは、公職選挙法上可能か。
五 日本放送協会などの放送事業者は、ホームページでニュース映像のビデオを視聴させるサービスを行っている。こうした公職選挙法第百五十一条の三に規定される日本放送協会又は一般放送事業者が、選挙期間中に、報道として放送した各党が提示したマニフェストの具体的な内容を解説・評論する番組を、通常行っている方法で自らのホームページ上において視聴させることは、公職選挙法上可能か。
六 公職選挙法第二百一条の十五に規定される新聞・雑誌を発行する政党が、選挙期間中に同条の規定に基づき新聞紙上・雑誌誌上に掲載した、マニフェストの具体的な内容を解説・評論する記事を、選挙期間中に、通常の方法で当該政党のホームページ上において掲載することは、その内容が事実の報道に止まり、選挙運動を目的としないものであれば、公職選挙法上可能か。
七 研究者や評論家・ジャーナリストなどが、自らのホームページ上で研究内容や意見などを公にする行為は、広く行われている。個人が、選挙期間中に、特定の政党・候補者を支持し、投票を依頼するという選挙運動を目的とせず、各党が提示したマニフェストの内容を正確に有権者に伝えるために、マニフェストの全文や具体的な内容を解説・評論する記事を、自らのホームページ上に掲載することは、公職選挙法上可能か。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.