質問本文情報
平成十六年六月九日提出質問第一五六号
異常死の警察への届け出に関する質問主意書
提出者 阿部知子
異常死の警察への届け出に関する質問主意書
高度医療を提供し、国民から信頼を得るべく使命を持った大病院における医療ミス、事故が絶えないことは、極めて残念なことである。厚生労働省もこうした事故を防止するために、近年種々の施策を実施していることは評価するものの、医療に対する国民の不信、不安はまだまだ大きく、より一層の積極的、効率的な施策が望まれる。特に医療ミス、事故発生時の迅速な救済制度確立や事故隠蔽、カルテ改ざん防止は、東京女子医大病院事件の教訓からも、一日も早い対応が求められている。
去る四月一三日、新聞報道された東京都立広尾病院における、届け出義務「合憲」の最高裁判断は、医療ミス、事故はもとより、予想しない患者死亡が発生したとき、その初動行為としての警察への届け出は医師の義務であることを明確に判断している。
長年指摘されていた医療界の隠蔽体質が改革され、国民に信頼される医療の確立のために、以下質問する。
二 平成一五年度内に特定機能病院の安全管理委員会に報告されたインシデント、アクシデントは各々何件か、重篤な事例は何件あり、死亡は何件でその内警察に届け出されたのは何件かなどについて医療機関別に明らかにされたい。
三 国立病院・療養所に於いて、医療行為で訴訟となった事案のうち、平成一一年四月から二年間において、提訴時期、事案の概要、判決結果、また死亡した事案について警察への届け出有無等を医療機関別に明らかにされたい。
四 特定機能病院のうち、本年五月現在で専任の安全管理者を配置している病院名、及び安全管理者の職種、年齢、性別等について明らかにされたい。
五 以上の事実を踏まえて、医療ミスの隠蔽体質に対する政府の所見および今後の対応を明らかにされたい。
右質問する。