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平成十七年九月二十九日提出
質問第四号

米海兵隊員の沖縄自動車道における訓練に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




米海兵隊員の沖縄自動車道における訓練に関する質問主意書


 米海兵隊員の大型車両を使用した沖縄自動車道における走行訓練が、沖縄県民の強い怒りを買っている。
 二〇〇五年八月二十三日、午後三時五十分頃、沖縄県南風原町字新川の沖縄自動車道那覇料金所で、キャンプ・ハンセン所属の海兵隊員が運転する大型トラックがUターンしようとした際、一般の乗用車と衝突する事故を起こした。この事故を契機にして、米海兵隊が一九九四年から「習熟訓練」と称し、走行・Uターン訓練を繰り返している実態が明らかになった。多くの県民が、米海兵隊の傍若無人な行動は住民無視であり、占領意識の表れだと強い抗議の声を上げている。
 マスコミ報道によると、那覇防衛施設局や外務省は、米海兵隊員の沖縄自動車道における走行訓練を容認するかのような発言を繰り返している。私は、同訓練は明白に日米地位協定に違反をする行為であると考えるものである。外務省の、日米地位協定第五条の「施設間移動」を拡大解釈し、県民の安全を無視する沖縄自動車道における米海兵隊員の走行訓練を容認する考え方は到底承知することはできない。政府は、一刻も早く米海兵隊に対し沖縄自動車道における走行訓練の中止を求めるべきである。
 以下、質問をする。

一 政府は、米海兵隊員の沖縄自動車道における走行・Uターン訓練がいつ頃から行われていると認識しているのか明らかにされたい。また、米海兵隊員の同訓練について、政府の関係機関への通知はあるのか、あるならどのような方法で通知を受けているのか明らかにされたい。
二 米海兵隊員の沖縄自動車道における走行・Uターン訓練は、日米地位協定上の根拠を欠く違法行為であると断ぜざるを得ない。マスコミ報道によると、外務省日米地位協定室は、日米地位協定第五条の「施設間移動」に該当するとの見解を発表しているようである。私は、同訓練が日米地位協定第五条の「施設間移動」に該当しないものと考える。そもそも、日米地位協定第五条の「施設間移動」は基地へのアクセスを認めているに過ぎない。そこで尋ねる。米海兵隊員の沖縄自動車道における走行・Uターン訓練は、どの施設を出発し、どの施設に立ち寄ったのか、政府が掌握している事実関係を明らかにされたい。
三 日米両政府は、一九九六年武装米兵の民間地域における行軍訓練を中止することに合意した。この民間地域における武装米兵の行軍訓練も日米両政府は当初、日米地位協定第五条の「施設間移動」であり、地位協定上許される訓練だと強弁していた。ところが、同行軍訓練もキャンプ・コートーニーを出発し、どの施設にも立ち寄らず、また同施設に戻っていることが判明し、県民の強い抗議もあって中止に合意したものである。今回の米海兵隊員の沖縄自動車道における走行・Uターン訓練は中止された民間地域における武装米兵の行軍訓練と何ら変わらない実態を有するものであると言わざるを得ない。違うというのであれば、どこがどう違うのか、政府の見解を明らかにされたい。
四 二〇〇五年八月二十六日付け琉球新報朝刊の報道によると、那覇防衛施設局千葉俊之施設部・連絡調整室長は、米海兵隊の沖縄自動車道における走行・Uターン訓練に抗議した社民党沖縄県連の代表者らに対し、「兵士が新しい所(任地)に行ったら、われわれも一緒だが、そういう練習はやるんだろうと思う。目的地に行く道路の曲がり方など、練習した方がいい」との発言をしたようである。しかも、千葉俊之施設部・連絡調整室長は、那覇防衛施設局西正典局長も同じ認識と見解である旨明言している。この発言に対し那覇防衛施設局は「どちらの味方だ。」との批判が沖縄県内の多くの団体から沸き上がっている。政府はかかる発言をどのように受け止めているのか、また、米海兵隊員の沖縄自動車道における走行・Uターン訓練については那覇防衛施設局の千葉俊之施設部・連絡調整室長の発言と同様の認識や見解を共有しているのか、政府の考えを明らかにされたい。
五 沖縄自動車道路における米海兵隊員の走行・Uターン訓練と同種の訓練が、沖縄県以外の高速道路においても実施されているのか、その実態の掌握を含めて政府の見解を明らかにされたい。また、同種の訓練が行われている沖縄県以外の高速道路を明らかにされたい。
六 日米地位協定においては、各提供施設毎に米軍の使用目的が限定されている。沖縄自動車道のように、提供施設でもなく、訓練施設でもない道路における訓練は日米地位協定のいかなる解釈によっても容認できないと思慮するが、政府の見解を明らかにされたい。
七 二〇〇五年八月二十三日、沖縄自動車道で発生したキャンプ・ハンセン所属の海兵隊員による衝突事故は、単なる物損事故か、それとも人身事故か、どのような捜査が行われ、いかなる事件処理がなされたのか、政府の認識を明らかにされたい。

 右質問する。



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