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平成十七年十月五日提出
質問第九号

前四軍調整官の判決批判と米兵の身柄「拘束」問題に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




前四軍調整官の判決批判と米兵の身柄「拘束」問題に関する質問主意書


 私は、先に平成十六年二月二十三日付けで、日米地位協定第十七条五項Cの「拘禁」に関する質問主意書を提出したところ、同年三月十二日付けで政府から答弁書を受理した。
 同質問主意書は、平成十五年十月二十三日、沖縄県宜野湾市内の路上で発生した在沖米海兵隊所属の上等兵らによる強盗致傷事件に関し、日米地位協定が定める「拘禁」処置が具体的にいかなる方法で採られたのか、という質問を主たる内容とするものであった。
 同質問主意書に対する答弁書で判明したことは、アメリカ合衆国軍隊(以下、「米軍」という。)当局は、被疑者を拘禁施設に収容して逃走防止を図ったり、被疑者同士が会えない状況をつくって口裏合わせの証拠隠滅工作を禁ずる処置を採らなかったと言うことである。
 ところで、同事件の判決を巡って、在沖米軍の前四軍調整官ブラックマン中将が同事件の判決に関し、「先例のない粗野な判決で被告人に対する偏向を示すものだ。」との判決非難をしていたことを二〇〇五年八月四日付けの米軍準機関紙「星条旗新聞」が伝えている。このブラックマン中将の判決非難は、日米地位協定第十七条五項Cの「拘禁」の意味とも関連し、重要な問題をはらんでいると考える。
 以下、質問をする。

一 政府は、前記答弁書において、「日米地位協定第十七条5(c)にいう『拘禁』とは、逃亡の防止等のために必要な範囲で被疑者の自由を制約する措置をいうと解している。具体的にいかなる措置を採るのかについて、日米地位協定は特定の方法を義務付けているわけではないが、政府としては、この措置は、我が国の捜査当局が行う捜査に支障を生じさせないよう適切に行われるべきものと考えている。この観点から、我が国の捜査当局は、個別の事案において必要と認める場合、米軍の当局に対して、例えば、被疑者を拘禁施設に収容して逃走防止を図るよう要請することもあり、米軍の当局は、そうした我が国の捜査当局の要請を含め、事件の内容その他の具体的事情を考慮して、その責任と判断において必要な措置を講じてきているものと承知している。この米軍の当局による措置は、被疑者を米軍の拘禁施設に収容することや被疑者に一定の場所にとどまることを命ずる禁足処分等により行われてきたと承知している。」と述べている。しからば、本件事件に関連して、我が国の捜査当局は、米軍に対し被疑者を拘禁施設に収容して逃走防止や証拠隠滅を禁ずる具体的要請をしたのか、要請をしたのであれば、いつ、いかなる方法で要請をしたのか、政府の対応を明らかにされたい。
二 前記「星条旗新聞」の伝えるところによると、日本の検察側が捜査中の拘束は必要ないと米軍側に伝えたとあるが、それが事実なら重大問題であると思慮するものである。そのような事実の有無を含め、ブラックマン前四軍調整官の判決非難に対しどのように考えるのか、政府の考えを明らかにされたい。

 右質問する。



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