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平成十八年十月十九日提出
質問第九七号

パトリオット・ミサイル(PAC3)の嘉手納基地配備に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




パトリオット・ミサイル(PAC3)の嘉手納基地配備に関する質問主意書


 多くの沖縄県民が米軍基地機能の強化につながるとして、強く反対していた嘉手納基地へのパトリオット・ミサイル(以下、PAC3という)配備が強行された。PAC3は、二十四基が嘉手納基地へ配備され、それに伴い兵員六百人、家族を含めると千五百人が新たに沖縄に駐留することになる。PAC3の嘉手納基地への配備は、在沖米軍基地の機能強化であり、大規模な装備展開にも関わらず、その搬入作業については一片の事前通告もされることなく、地元無視、県民無視のまま、強行された。PAC3の配備は、嘉手納基地を守るための配備であり、決して沖縄を守るための配備ではない。このことは、県民の誰もが承知していることである。
 嘉手納基地における演習の削減や、沖縄全体の基地負担の軽減が具体的に進まない中でのPAC3配備は断じて容認できない。日米両政府は、PAC3配備による「抑止力」を強調するが、それは近隣諸国にとっては軍事的脅威にしかならず、「抑止力」は無益な対立を生むだけである。PAC3の配備が平和を願う沖縄県民に対して深刻な不安と過剰な負担の押し付けになることは明らかである。沖縄県民にとってPAC3の配備はとうてい受け入れられないものであることを日米両政府は知るべきである。
 以下、質問する。

一 米軍再編に関する「再編実施のための日米のロードマップ」によると、「米軍のパトリオットPAC3能力が、日本における既存の米軍施設・区域に展開され、可能な限り早い時期に運用可能となる」と日米両政府は合意している。このロードマップでは、PAC3の嘉手納基地への配備は明記されていない。いつ、いかなる理由で、どのような日米交渉を経て、嘉手納基地への配備が決まったのかを明らかにした上で、なぜ在日米軍の他の基地ではなく嘉手納基地へ配備されるのか、その理由、根拠について、政府の見解を明らかにされたい。
二 政府は、「兵器の能力については詳細は明らかに出来ない」との態度に終始しているが、那覇防衛施設局の佐藤勉局長は、PAC3の迎撃範囲について、高さ十数キロ、幅数十キロと言明している。PAC3の防御範囲の根拠となる具体的な高さと射程距離は既報の通りか、また、それは政府の統一見解なのかを明らかにされたい。
三 前記の佐藤局長は、平成十八年十月四日、PAC3配備に反対する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」の代表に、PAC3配備は「沖縄の政治経済の機能を守るため」という趣旨の説明をしているが、PAC3配備の目的が「沖縄の政治経済の機能を守るため」というのは、政府の統一見解なのかを明らかにされたい。
四 ロードマップでは、嘉手納基地以南の米軍基地のほとんどが返還されることになっている。ところで、軍事専門家によると、PAC3の射程距離は、半径十五〜二十五キロメートルとの指摘もある。従って、PAC3を嘉手納基地に配備しても、県都であり、沖縄の政治経済機能の中心である那覇市が防御範囲に入らない可能性が大きい。それでも政府はPAC3の嘉手納基地への配備が「沖縄の政治経済の機能を守るため」と強弁するのか、むしろ、嘉手納基地そのものを守ることが目的ではないのか、政府の見解を明らかにされたい。
五 PAC3の嘉手納基地への配備に伴い、嘉手納基地周辺の住民地域に深刻な電波障害を引き起こすものと思われる。政府はいかなる電波障害対策を執るのか明らかにされたい。
六 米軍がPAC3を発射するに至った場合、民間機の航行を含め、住民の安全は具体的にどのように確保されるのか、政府の見解を明らかにされたい。
七 改正自衛隊法によると、防衛出動の発令前でも、迎撃ミサイル発射が可能となった。政府は、自衛隊が得た弾道ミサイルの発射情報を米軍に提供することは「情報交換の一環」としている。米軍の迎撃行為につながる弾道ミサイル発射情報の提供は、集団的自衛権の行使にあたり許されないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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