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平成十九年五月二十二日提出
質問第二三五号

平成十八年度内にデフレから脱却するという公約に関する第三回質問主意書

提出者  滝  実




平成十八年度内にデフレから脱却するという公約に関する第三回質問主意書


 平成十八年度内にデフレから脱却するという公約に関する再質問主意書に対する平成十九年五月十五日の答弁書によれば、平成十九年度のGDPの実質成長率は二.〇%、名目成長率は二.二%程度になる見通しとある。このことに関して第三回目の質問をする。

一 「成長なくして財政再建なし」と言うことだが、平成十九年度のGDP名目成長率が二.二%という成長見通しは、十分な成長と言えるのか。OECD Economic Outlook No.八〇(以下「Outlook」という)によれば、二.二%というのはOECD三〇カ国中、最下位であり、二九位であるイタリアの三.二%からも大きく差をつけられている。二〇〇八年の見通しは二.七%となっているが、これも三〇カ国中最下位だ。日本経済はOECD三〇カ国の中で最も成長しない経済だというのが現内閣の認識なのか。政府は経済成長のための努力が足りず、そういった状況では財政再建などあり得ないのではないか。
二 Outlookによれば、国の債務のGDP比は平成十八年度が一七六.二%、平成十九年度が一七七.六%、平成二十年度が一七七.三%となっている。つまり、平成十九年度まで上昇し、二十年度から下がり始める。債務は増え続けているし、基礎的財政収支は赤字であるのに、なぜ平成二十年度から国の借金のGDP比が減少し始めるかと言えば、名目GDPの伸びが二.二%から二.七%に増加するからで、名目GDPのわずかの伸びでも財政健全化に貢献する。このことを認めるか。
三 過去の「改革と展望」や「進路と戦略」では、名目成長率はどんどん高まるように書いてあるが、実際はそうなっていない。例えば平成十七年発表の「改革と展望」では、平成十九年度の名目成長率は二.六%、消費者物価指数上昇率一.四%、平成十八年発表の「改革と展望」では平成十九年度の名目成長率は二.五%、消費者物価指数上昇率一.一%、今年発表の「進路と戦略」では平成十九年度の名目成長率は二.〇%、消費者物価指数上昇率〇.五%にまで下がった。次々と目標の達成に失敗し、下方修正が続いている原因は、どのような経済対策でどれだけの景気浮揚効果があるかという分析を行ってから「骨太の方針」を決めていないのが原因である。他の先進国では、当然行われている経済分析が日本では行われていないのはなぜか。失敗の原因を調べ、軌道修正しようとしていない現状では今年発表の「進路と戦略」の予測である名目成長率(平成二十年度二.八%、平成二十一年度三.三%)や、消費者物価指数上昇率(平成二十年度一.二%、平成二十一年度一.七%)は、実現しないのではないか。
四 「改革と展望」にも「進路と戦略」にも国・地方の債務残高は今後増え続けるとある。今後、債務残高そのものを減らすことを政府は考えていないと思ってよいか。
五 国・地方の債務残高は増えても、名目GDPが増加し、債務のGDP比が減ればよいというのが政府の見解と思ってよいか。
六 基礎的財政収支を黒字化しなければ、債務のGDP比は減らないと政府は誤解している。「進路と戦略」をみると二〇〇七年度以降は基礎的財政収支は赤字でありながら、債務のGDP比は減り続けている。債務のGDP比が減るなら基礎的財政収支は赤字でもよいのではないか。歳出削減や増税による基礎的財政収支の黒字化だけが、財政再建の手段ではないのではないか。
七 政府は二〇一一年度に基礎的財政収支を黒字化するための不足額が一六.五兆円(平成十八年十二月二十六日に九.五兆円に修正)であるとしていて、その不足額を増税または歳出削減で補うことにしている。しかし、そのような増税や歳出削減は、世界における日本経済のシェアをますます縮小させる恐れがある。一切の先入観を排し、本格的な経済モデルを使い基礎的財政収支は赤字のままでも債務のGDP比を減らす方法を検討したらどうか。

 右質問する。



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