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平成十九年六月十四日提出
質問第三八九号

酒税法に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




酒税法に関する質問主意書


 六月十二日付毎日新聞(東京発行版十六面)では、今が旬の青梅を用いたいわゆる「果実酒」の作りかたが写真入で大きく紹介されている。この記事に見られるように、こうした梅などの果実を用いたいわゆる「果実酒」は国民生活に広く浸透しているものだと思われる。ところがこのいわゆる「果実酒」を家庭で作り、地域町内会などの宴会で、複数家族と一緒に楽しむことは、酒税法の規定によれば、法律に抵触する可能性があるという。この法規定は国民生活の実態とは、随分とかけはなれたものだとの指摘も多い。
 そこで以下、政府に対し質問する。

一 酒類を製造する者は、製造免許を受けなければならない旨、酒税法第七条に規定されているが、酒類醸造に免許制度を採用している理由は何か。
二 酒税法第七条第二項には、免許を受けるための一年間の最低醸造数量基準が規定されているが、最低醸造数量基準を定める理由について「酒税は、事業者所得等と異なり赤字企業であっても納税する必要があるため、納税が確保されるためには、一般に採算が取れる程度の製造規模であることが必要であるが、税務当局が免許申請時における個々の事業者の設備投資の状況により、今後のその製品の販売状況等を正確に判断することは困難であることから、全国的に統一的な税務行政を行うため、酒類製造の実態等を踏まえ、客観的な水準として最低製造数量基準を定めている」と、本年五月十日に財務省担当者から説明を受けているが、この説明は妥当だと考えるか。
三 その財務省担当者からの説明の中には「酒類製造の実態等を踏まえ、客観的な水準」とあるが、この場合の「酒類製造の実態等」とは具体的にどのような実態であるのか。
四 「三の酒類製造の実態等」を踏まえて、酒税法第七条第二項第十五号に規定されるリキュールの最低製造数量基準「六キロリットル」は、どのような算定根拠によって決められたのか。
五 仮に、酒税法第七条第二項第十五号に規定されるリキュールの最低製造数量基準「六キロリットル」が、酒類製造の実態等を踏まえていないとすれば、どんな基準や算定根拠によって決められたのか。
六 酒税法第四十三条第十一項に規定する「消費者が自ら消費する」とは、同居の親族が消費することを含むとの解釈があるようだが、これは妥当だと考えるか。また、これ以外の解釈はあるのか。
七 家庭内で年間に数リットル程度を作る果実酒は国民に広く浸透していると思われる上、消費者が自ら消費する以外にも、親類、知り合い同士で、善意の贈答行為が日常的に行われていると推測されるが、酒税法第四十三条第十一項に規定する範囲だけが、みなし醸造の適用除外というのは国民生活の現実とは乖離した規定であると思うが、如何か。
八 仮に、「国民生活の現実と乖離していない」との見解であるなら、家庭でいわゆる「果実酒」を作り、知人などと贈答しあう場合も、醸造免許が必要だと解すべきか。
九 仮に、醸造免許が必要だとした場合に、最低製造数量基準が六キロリットルであり、これは四合瓶換算で八千本をこえる量である。これでは事実上、家庭内で醸造免許を取得していわゆる「果実酒」を作ることは不可能と思われるが如何か。
十 仮に、不可能だとすれば、この酒税法の規定は、国民に広く浸透していると思われるいわゆる「果実酒」を作って、知人同士で楽しむことを禁止するものと解されるが、この最低製造数量基準は、あまりに国民生活の現実と乖離していると思われるが如何か。

 右質問する。



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