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平成十九年七月二日提出
質問第四四四号

北方領土問題交渉に対する財団法人国策研究会理事長の発言に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土問題交渉に対する財団法人国策研究会理事長の発言に関する質問主意書


一 「諸君!」二〇〇七年八月号の五十六頁から六十八頁にかけて、「〈拉致された国土・北方四島〉を諦めてなるものか!漁師銃殺事件から一年。『プーチン後』を見据え、日本は積極、果敢に行動を開始せよ」との見出しで、ノンフィクション作家の上坂冬子氏、新井弘一財団法人国策研究会理事長(以下、「新井氏」という。)、長谷川俊輔根室市長の対談記事(以下、「諸君記事」という。)が掲載されていることを政府は承知しているか。
二 「諸君記事」の五十八頁に、「新井氏」の発言として、「安倍晋三首相は、この間のサミットでプーチン大統領との二国間会談を持った。そのなかで北方領土問題について、『領土問題を先送りや棚上げをせず解決するために、交渉を促進させよう』と持ち出しましたね。プーチンも『両国間の障害となるものはすべて取り除きたい。平和条約交渉の協議を促進させるよう指示を出したい』と応じたそうです。しかし私の見るところ、この程度では手ぬるい。」との記述があるが、先のハイリゲンダム・サミットでの日ロ首脳会談において、安倍晋三首相とプーチン大統領とで右記述のようなやりとりがなされたか。確認を求める。
三 二の「新井氏」の発言に対する政府の評価如何。二の記述にあるようなやりとりでは、我が国が望む形での北方領土問題の解決を目指す上では手ぬるいものであると政府は認識しているか。
四 「諸君記事」の六十三頁に、「新井氏」の発言として、「会談の数カ月前、経済同友会の会合で、橋本さんは北方領土問題について、“勝者も敗者もない解決。カギはこれだ”と言った。“この結論に到達するのに我々は五十年の歳月を要したのだ”云々。当時、私は、こんな相手をミスリードするようなスピーチを総理にさせちゃいけないと、外務省の担当者を厳しく叱りました。」との記述があるが、右記述にあるように、一九九七年十一月のクラスノヤルスク会談の数ヶ月前に行われた経済同友会の会合における当時の橋本龍太郎首相のスピーチの内容について、「新井氏」から外務省の担当者が厳しく叱られたという事実はあるか。
五 四について、叱られたという事実があるのならば、叱られた外務省の担当者の官職氏名を明らかにされたい。
六 「諸君記事」の六十五頁に、「新井氏」の発言として、「小泉さんの五年間の治世というのは、対ロ外交においては、巨大な空白にほかなりません。」との記述があるが、右記述のように、小泉純一郎が内閣総理大臣を務めていた期間、我が国の対ロ外交は何の成果もなく、空白の五年間であったと政府は認識しているか。
七 六について、空白であったと認識していないのならば、政府から「新井氏」に対して何らかの意見を伝えたか。意見を伝えていないのならば、その理由を明らかにされたい。
八 「諸君記事」の六十六頁に、「新井氏」の発言として、「小泉政権下、田中真紀子さんが外相となってもたらした騒動も、外務省に傷跡を残しています。私の見るところ、外務省はこの時期に陥った混乱から、いまだに脱しきっていないんです。」との記述があるが、「新井氏」が述べているように、小泉政権下で外相に就任した田中眞紀子氏がもたらした騒動によって外務省に傷跡が残されたと外務省は認識しているか。
九 八について、傷跡が残されたと認識しているのならば、どのような傷跡が残されたと外務省が認識しているか具体的に説明されたい。
十 八について、傷跡が残されたと認識していないのならば、外務省から「新井氏」に何らかの意見を伝えたか。伝えていないのならば、その理由を明らかにされたい。
十一 八の記述の中で「新井氏」が述べているように、外務省が小泉政権下で田中眞紀子氏が外相に就任したことによってもたらされた混乱からいまだに脱しきっていないと外務省は認識しているか。
十二 十一について、田中眞紀子氏が外相に就任したことによってもたらされた混乱から外務省がいまだに脱しきっていないと外務省が認識していないのならば、外務省から「新井氏」に何らかの意見を伝えたか。伝えていないのならば、その理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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