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平成十九年七月三日提出
質問第四五二号

第二地方銀行が扱う高齢者に対する外国債券型投資信託販売に関する質問主意書

提出者  前田雄吉




第二地方銀行が扱う高齢者に対する外国債券型投資信託販売に関する質問主意書


 現在、消費者を取り巻く市場は大きく様変わりし、リスクのある金融商品が身近な金融機関で販売されている。特に地方では、地域密着型を謳い、投資信託の知識や経験も無い一人暮らしの老人がターゲットにされることが少なくなく、地方銀行では「貯蓄より投資」が得だとセールスし、不招請勧誘に奔走している現実がある。今、全国の消費生活センターへ寄せられる金融商品に関するトラブルの相談件数は急増しており、中でも外国債券型投資信託に関する苦情の多発は、高齢者が投資信託を十分理解・納得・自己決定して購入しているわけではないことを裏付けるものである。また、苦情は、六十代、七十代、八十代が多く、苦情やトラブルの多くは高齢者や主婦、年金生活者が占め、特に地方に住む一人暮らしという、決して投資信託に積極的ではない環境下でのトラブルが続出している。その販売方法に関しては、店舗外(訪問)での販売によるトラブルが多く、密室での契約故に深刻な問題に発展しているケースが目立ち、その苦情内容は、不実告知、リスク説明なし、解約拒否、無断契約、不誠実な苦情処理、適合性の原則違反、断定的判断などである。
 特に、販売側が第二地方銀行の場合、投資信託の複雑な仕組みやリスクを理解しているとは言い難い現状もあり、契約優先の実態がまかり通っている。高い手数料を得るための手段として不招請勧誘、すなわち不適正な販売方法に陥りやすく、リスクの理解を欠いたまま、高齢者を契約に至らしめている。また、その後の契約者及びその家族の苦情やトラブルに対する対応は不誠実であり、コンプライアンスも未熟な点は見逃せない問題である。
 地方銀行においては統一された契約や販売対象の基準やルールは無く、実態は全く不透明であり、情報公開も無いために、孤立した被害者は泣き寝入りしている状況下にあり、いまだ監督官庁の消費者保護が不十分な点も、被害者急増の大きな要因と分析することができる。よって、地方銀行における投資信託商品等の販売基準等の情報公開及びその分析と現状把握は急務と考える。
 以下、高齢者被害の象徴でもある、「第二地方銀行が扱う外国債券型投資信託商品」の契約状況について確認をするため、政府に対し質問する。

一 各行、高齢者との契約に際しての条件、基準、ルール等、定めているか、明らかにされたい。また、一人暮らしの高齢者に関しても、同様に明らかにされたい。
二 高齢である契約者の商品の理解、運用能力有無の判断の基準等についても、各行ともにどういう基準を定めているのか、明らかにされたい。
三 各行、「高齢者」と称する基準は何歳以上か、またその理由を明らかにされたい。例えば、都市銀行が定める高齢者契約年齢は「七十歳」という基準を打ち出しているが、昨年、福島銀行は高齢者年齢を「七十五歳」と決めている。地方に住む高齢者の方が適合性に問題があるように思うが、なぜ福島銀行は「七十五歳」としたのか、その理由を明らかにされたい。
四 各行、高齢者の年齢基準について基準枠を決定した時期を明らかにされたい。
五 一人暮らしの高齢者との契約に際し、家族への確認や連絡体制等のルールは定めてあるか、各行の状況を明らかにされたい。さらに契約者の契約商品及びその内容について、その事実を認知している家族の割合と、また各行がどのような方法、手段で、離れて住む家族に告知しているのか、その実態を明らかにされたい。
六 契約者の適合性について、各行はどんな基準を定めているか、明らかにされたい。特に、一人暮らしの高齢者との契約に関し、適合性の原則基準をどのように定めているのか、明らかにされたい。
七 現代社会においては認知症患者が急増しており、普段の生活からはなかなか見抜けないことから、トラブルの要因ともなっている。各行は認知症についてはどのような理解と契約判断をされているのか、明らかにされたい。
八 各行、高齢者との契約に適合性に問題ありと判断する基準は何か、明らかにされたい。また、その場合の対応についても明らかにされたい。
九 高齢者との契約後、認知症など精神的疾患の診断書や医師の証明書が提出された場合、各行の対応マニュアルでは、どのように対応することになっているのか、明らかにされたい。
十 各行、七十歳以上の外国債券型投資信託の契約数と、契約全体との割合を明らかにされたい。
十一 各行、七十歳以上の一人暮らしの外国債券型投資信託契約件数と契約全体との割合を明らかにされたい。
十二 各行、七十歳以上の一人暮らしの外国債券型投資信託契約者数のうち、訪問(店舗外)によって契約した件数と店舗内で契約した契約数、及びその割合を明らかにされたい。
十三 各行、高齢者の一人暮らしの外国債券型投資信託契約における苦情件数、及び内容の概要について明らかにされたい。また、その場合の対応、対処マニュアルについてもどのように定めているのか、明らかにされたい。
十四 この九月から新しい金融商品取引法が施行されるが、その法律では、個々人が理解出来る程度及び理解出来る方法で、リスクについての重要事項を説明しない場合は禁止行為違反とみなされる。合わせて、金融商品販売法が改正され、個々の消費者が理解出来る程度及び理解出来る方法で、リスクについての説明を怠った場合は、説明義務違反となり損害賠償の対象となる。さらに、監督指針においては、リスク管理判断能力までチェックするように定められている。契約者の適合性の判断基準が著しく厳しくなっていく状況下において、第二地方銀行各行は、どういう対応及び検討を為されているのか、明らかにされたい。
 以上、第二地方銀行協会会員各行ともに明らかにされたい。
十五 第二地方銀行協会は、各会員行の高齢者との契約におけるトラブル事例はどのように把握、管理されているのか、協会ではどのようなデータを収集しているのか、明らかにされたい。
十六 第二地方銀行協会においては、統一されたコンプライアンス強化及び基準が必要と考える。特に高齢者及び一人暮らしの高齢者の適合性について、所属の各行に対し、どのような指導をしているのか、明らかにされたい。更に、政府は協会に対し、どのような指導を行い、また今後行っていくつもりなのか、見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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