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平成二十年二月二十八日提出
質問第一二七号

フィブリノゲン製剤等投与記録三八五九リスト等に関する質問主意書

提出者  山井和則




フィブリノゲン製剤等投与記録三八五九リスト等に関する質問主意書


一 B型肝炎訴訟は二〇〇六年六月、最高裁が集団予防接種によるB型肝炎感染の国の責任を認め、原告の勝訴が確定した。にもかかわらず、国のB型肝炎患者への救済策が一向に進まないことから、B型肝炎訴訟原告団は、全国で五〇〇人を超えるB型肝炎患者による集団訴訟を起こすことを決めた。
 @ 先般、和解が成立した薬害C型肝炎訴訟では、和解に至る過程で原告団と、舛添厚生労働大臣が会っている。最高裁で国の敗訴が確定したB型肝炎訴訟においても舛添厚生労働大臣はB型肝炎訴訟原告団と会うべきではないか。
 A 先に述べたとおり、B型肝炎訴訟原告団は、国のB型肝炎患者への救済策が一向に進まないことから、集団訴訟を起こすことを決めた。国は、B型肝炎患者への対策を具体的に講じていくべきであると考えるが、どうか。
二 一九八七(昭和六十二)年に加熱フィブリノゲン製剤の承認をした際、厚生省は、使用症例の全数追跡調査を指示していたか。
三 二について指示していた場合、その追跡調査の結果、および、その資料について旧ミドリ十字から報告を受けたか。受けていた場合、その結果および提供資料についてお教えいただきたい。
四 二〇〇一〜二年の一連のフィブリノゲン製剤使用後の肝炎発生数等に関する調査の際、フィブリノゲン製剤投与三八五九症例の記録があることを、厚生労働省は把握していたか。
五 昨年十月の「四一八症例リスト」の議論の際、三八五九名へのフィブリノゲン製剤投与を田辺三菱製薬が確認していることを、厚生労働省が認識していたのなら、なぜその際に、三八五九名へのフィブリノゲン製剤投与を田辺三菱製薬が確認していることを、厚生労働省は明らかにしなかったのか。その当時「四一八症例リスト」の患者特定資料が厚生労働省内で発見され大問題になっていたのだから、同様に三八五九名に対しても、緊急に投与患者の特定作業を行い、当該患者に告知し、検査を呼びかけるべきと考えなかったのか。
六 特に三八五九名のうち三七〇〇名は二〇〇一年当時、急性症状がなく、現在に至っても、本人が感染に気づいていない可能性が高い。よって、より告知の必要性が高いと考えるが、なぜ、告知の指示をしなかったのか。
七 厚生労働省は、「二〇〇一年当時は、旧ウェルファイド社が三八五九名の患者特定資料を持っているかどうか不明であった」という認識のようだが、なぜ当時、患者特定資料を持っているかどうか確認しなかったのか。また昨年十月以降、「四一八症例リスト」やその個人特定情報の隠ぺいが問題になってからも、確認を行わなかったのか。
八 三八五九名のフィブリノゲン製剤投与患者の記録の中に、本人が特定できる記録があることを、厚生労働省が知ったのはいつか。
九 三八五九名の記録については、いつ、どのような指示を田辺三菱製薬に出したのか。
十 二月二十一日付の西日本新聞に「四一八症例リスト」にあるフィブリノゲン製剤投与患者以外にも、フィブリノゲン製剤投与患者の個人特定資料が発見された旨の報道がされなかったら、三八五九名の投与患者への特定と当該患者への告知の指示は、永遠にしないつもりであったのか。
十一 三八五九名のフィブリノゲン製剤投与患者が今回、検査を受けて、肝炎の感染が判明すれば、薬害肝炎救済法の対象になるか。
十二 もし薬害肝炎救済法の救済対象になるのであれば、薬害肝炎救済法が成立してから今日まで、フィブリノゲン製剤投与患者への告知を指示してこなかったのはなぜか。
十三 急性症状を起こした一五九名は、「四一八症例リスト」にすべて含まれているのか。
十四 「四一八症例リスト」と同様に、二〇〇一年の時点で三八五九名の個々人を特定し、告知をしていれば、早期治療による病状の進行を止められたケースがあったと考えられる。この遅れによる病状の進行の責任をどう考えるか。
十五 二〇〇一年当時、三八五九名への投与の事実を旧ミドリ十字が確認しているとの報告を受けた担当者は誰か。当時のこの問題の責任者は誰か。
十六 田辺三菱製薬に残されていた三八五九名の患者特定資料「フィブリノゲンHT−ミドリ肝炎調査記録用紙」のフォーマットを、厚生労働省は二〇〇一〜二〇〇二年当時、知っていたか。
十七 今年一月に薬害肝炎救済法が成立して以後、肝炎感染者らがフィブリノゲン製剤等投与記録の確認を医療機関に行うにあたって、カルテ等を探すためや、投与の説明を受けるためなどに、多くの費用がかかっている。そうした患者の負担を、なんらかの形で国が担うべきと考えるが、どうか。
十八 厚生労働省は、旧ウェルファイド社から「フィブリノゲン製剤使用後の肝炎発生数等に関する報告」を受けた二〇〇一年五月十八日当時、肝炎について死に至る重篤な病気とわかっていたか。
十九 肝炎感染者は、何割が半年以内に発症するか。過半数は半年以内に発症するのか。
二十 肝炎が重い疾病とわかっていて、おまけに半年以降に発症するケースもわかっており、三八五九枚の「フィブリノゲンHT−ミドリ肝炎調査記録用紙」フォーマットがあるとわかっていたなら、なぜ患者を特定せよと製薬企業に指示しなかったのか。
二十一 舛添厚生労働大臣が、昨年十月に「四一八症例リスト」の患者個人特定資料が厚生労働省内から発見された折、「『フィブリノゲン製剤投与患者すべてを特定し、告知をせよ』と製薬企業に指示を出した」と答弁している。そのときになぜフィブリノゲン製剤投与患者三八五九名についても個人の特定を行い、告知するよう指示しなかったのか。

 右質問する。



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