質問本文情報
平成二十年三月十八日提出質問第一九六号
草の根・人間の安全保障無償資金協力を巡る債務についての外務省の対応と国民に対する説明責任に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
草の根・人間の安全保障無償資金協力を巡る債務についての外務省の対応と国民に対する説明責任に関する質問主意書
週刊金曜日二〇〇八年二月八日号に掲載されている、幼少児国際教育交流協会(以下、「協会」という。)がネパールにおける草の根・人間の安全保障無償資金協力(二〇〇三年に「草の根無償資金協力」から改称。以下、「草の根資金協力」という。)の事業を行うべく一九九六年に外務省から約千六百万円の援助を受けたが一部事業の未実施が発覚し、外務省から千二百万円の返還請求がなされたものの、「協会」の解散に伴う混乱の中返還はなされず、国民の税金千二百万円がそのまま消えてしまった旨の記事(以下、「記事」という。)と、「政府答弁書」(内閣衆質一六九第一六〇号)を踏まえ、以下質問する。
二 「美術品についての記事」に対しては、一で述べた様に外務省はHP上に反論する文書を掲載しているのに、「記事」については何ら反論、抗議を行っていないのは、外務省の行動として論理整合性がないと考えるが、外務省の見解如何。
三 「記事」の中で、久野氏が幼少児国際教育研究所なるものを立ち上げ、幼少児のための英会話塾を開講するなど、新たな事業を展開していると書かれており、外務省として千二百万円の返還をあきらめる前にまずは久野氏の事業内容等について調査(以下、「調査」という。)をして、その後再度法的措置を検討すべきではないかとの問いに対して、「政府答弁書」でも「御指摘の久野氏が『新たな事業を展開している』とのことであるが、外務省としてそのような事実は承知しておらず、調査を行っていない」との答弁がなされているが、なぜ外務省は「調査」をしようとしないのか、その理由を明らかにされたい。「政府答弁書」で外務省は「相手方に返還させられるべき財産がない場合には、資金の返還は達成できない。」と答弁しているが、相手側に返還する資産があるのかどうか、まずは「調査」をして把握すべきではないのか。
四 外務省が「調査」をしようとしないのは、「協会」の解散に伴い消えた千二百万円について、外務省に国民に対する説明をためらわせる、なにがしかやましい、後ろめたい点があるからか。
五 四で、外務省として何らやましい、後ろめたい点がないのなら、「調査」をすべきであると考えるが、外務省の見解如何。
六 前回質問主意書で、@「協会」により「草の根資金協力」の千二百万円が消えてなくなってしまったことに対して、外務省の担当部局には少なくとも監督責任があり、然るべき立場にある者が責任を負うべきではないのか、A外務省として責任を曖昧なままにしておくという考えを有していると理解して良いかの二点を問うたが、「政府答弁書」では「協会」の解散に伴う経過が述べられているのみで、何ら明確な答弁がなされていないところ、右二点についての答弁を再度求める。
七 前回質問主意書で、過去に「草の根資金協力」の事業で、中断がなされ、外務省から資金供与先の団体に資金の返還を求めたことがあるケースを全て挙げ、外務省としてどの様な対応を取ってきたのか明らかにされたいと問うたところ、「政府答弁書」では「お尋ねについては、新たに調査を要することから、お答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、右の問いは国民の尊い税金が無駄に使われたことはないかを問うたものであり、「新たな調査を要する」ことを理由に答弁を拒むことは許されないと考えるところ、右の問いについて明確に答弁することを再度求める。
八 前回質問主意書で、二〇〇一年十二月の自民党の外交部会において、当時の小原雅博外務省無償資金協力課長が、同年同月に開催されたアフガニスタン復興NGO東京会議に「草の根資金協力」の資金を充てる旨の説明をした事実はあるかと問うたところ、「政府答弁書」では何ら明確な答弁がなされていない。二〇〇一年十二月、自民党の外交部会において、当時の小原雅博外務省無償資金協力課長がアフガニスタン復興NGO東京会議に「草の根資金協力」の資金を充てる旨の説明をし、鈴木宗男衆議院議員より「草の根資金協力」の制度上、それは出来ないのではないかとの指摘を受け、その後小原氏も自身の見解に誤りがあったことを認めたという経緯がなかったのか明らかにされたい。
九 六と八で述べた様に、外務省は質問の趣旨を意図的に外しているともとれる答弁を行っているが、外務省が右の様に正直に質問に答えない理由は何か。
十 「政府答弁書」における外務省の答弁は、閣議で答弁の内容に眼を通す閣僚を欺くものであると考えるが、外務省の見解如何。
右質問する。