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平成二十年三月十九日提出
質問第一九八号

積極財政に関する質問主意書

提出者  滝  実




積極財政に関する質問主意書


 一月十七日に経済財政諮問会議へ提出された「日本経済の進路と戦略 参考試算」(以下「進路と戦略」という)が内閣府の名で発表されている。ここで成長シナリオケースAと成長シナリオケースBの比較が示されている。歳出削減幅がケースAでは十四.三兆円、ケースBでは十一.四兆円ということであるから、相対的に言えば、ケースAが緊縮財政、ケースBが積極財政と見なすことができる。両者を比べると、別表のようになり、この三年間では積極財政の方が、緊縮財政よりも、成長率が高まり、デフレ脱却へ大きく前進し、失業率も減り、しかも国の債務のGDP比は減少し、財政は健全化し持続可能となっている。つまり、積極財政の方が、緊縮財政よりもあらゆる面で良い結果を導くということは、明らかであり、政府の行っている緊縮財政は全く正当化されない。
 二〇一二年度以降、このモデルでは債務のGDP比が逆転する可能性があったとしても、それが積極財政を否定する理由にはなり得ない。なぜなら二〇一二年度以降となるとモデルの精度が著しく悪くなるからである。例えば、二〇〇七年一月に発表された「短期日本経済マクロ計量モデル(二〇〇六年度版)の構造と乗数分析(ESRI Discussion Paper Series No.一七三)」と同年三月に内閣府計量分析室で出された経済財政モデル(第二次改訂版)で乗数を比べてみる。公共投資をGDPの一%相当継続的に拡大したとき、両モデルにおける名目GDPの増加の差は、一年目では二.五%だが、三年目となると三十八.五%と飛躍的に拡大するのであり、二〇一二年度の精度は極めて悪いと考えるべきである。つまり、積極財政を否定することは無理だと言うべきである。そこで質問する。

一 積極財政を否定するのは、「進路と戦略」はすべてが誤差が大きすぎて使い物にならないという理由からか。そのような信頼性を欠くモデルで歳出削減や増税を国民に強要すべきではないのではないか。

 右質問する。


別表


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