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平成二十年九月二十五日提出
質問第四〇号

「消された年金」等に関する質問主意書

提出者  山井和則




「消された年金」等に関する質問主意書


 厚生年金の標準報酬月額改ざん問題について舛添厚生労働大臣は、九月十八日の参議院厚生労働委員会で「(社会保険庁による)組織的関与はあったであろう」「非常に疑わしい」と答弁し、六万九〇〇〇件が改ざんされた疑いがある旨述べた。しかし、これには一九八六年以前のオンライン化されていない記録は含まれておらず、より多くの事例があると推計される加入期間の改ざんも含まれていない。
 第三者委員会の事例によれば、オンライン化されていない記録は全体の四割、また年金記録確認第三者委員会の訂正頻度では、加入期間の改ざんは、標準報酬月額改ざんの二.八倍になる。
 これを機械的に計算すると、「消された年金」は合わせて少なくとも四〇万件にのぼる疑いがあることになる。以下質問する。

一 舛添厚生労働大臣は、厚生年金の標準報酬月額改ざんが組織的に行われた可能性が高い旨発言されている。そこまで述べているのに、なぜ、実態調査をしないのか。年金保険料納付の不正免除問題の際にも、社会保険事務所の全職員・OBへの調査を行って、初めて不正免除問題の全国における実態とその手口が明らかになった。
 被害者救済についても、まず「消された年金」の手口や実態がわからなければ、有効な救済策を実行できない。全職員調査をしなければ、この問題は明らかにならず、隠ぺいしているのと同じである。
 今後「消された年金」について全職員・OBの調査をすべきと考えるが、いかがか。
二 オンライン上の厚生年金記録一億五〇〇〇万件中、不審な記録とされた六万九〇〇〇件は、いつオンラインから抽出したのか。
三 現段階の直近のデータで改ざんされた標準報酬月額のうち、訂正を行っている(取得時、報酬訂正は除く)件数は何件か。
四 六か月以上遡って標準報酬月額が改定されているものを抽出しているが、なぜ六か月以上に限定したのか。
五 東京都は三か月滞納すれば社会保険事務所において職権全喪を行っている。(全国都道府県ごとに)三か月以上遡って標準報酬月額が改定されている件数は何件か。全国都道府県ごとの同件数について見解を述べられたい。
六 標準報酬月額改ざんに関する今回の調査では、標準報酬月額が五等級以上引き下げられたものを対象としている。なぜ五等級以上の引き下げを調査対象にしたのか。
七 オンライン上で管理している厚生年金届出事業所のうち、今年八月末日現在の滞納事業所件数は何件か。
八 標準報酬月額改ざんに関する今回の調査では、オンライン上の厚生年金記録を対象に行っているが、紙台帳分の厚生年金記録については、いつ調査を実施するのか。
九 一九八六年以降の標準報酬月額の引き下げ訂正の年度別件数を明らかにされたい。同件数の推移について見解を述べられたい。
十 厚生年金届出事業所の昨年度末までの年度別全喪件数は何件か。その推移について見解を述べられたい。
十一 厚生労働省は九月九日、厚生年金の標準報酬月額について抽出作業に取り掛かっていない旨発言していたにもかかわらず、九月十八日になって六万九〇〇〇件という改ざんの疑いがある件数を発表できたのはなぜか。
十二 今後、この六万九〇〇〇件をどのように分析・解明するのか。
十三 九の分析・解明は、だれが、いつから進めるのか。
十四 今の社会保険庁(各社会保険事務局および各社会保険事務所)の体制で、九の分析・解明はできると考えているか。
十五 なぜ今になって滞納処分のマニュアルを作成したのか。
十六 全国の社会保険庁(全社会保険事務局および全社会保険事務所)職員に対する聞き取り調査は実施するのか。実施する場合、その調査はどのように行うのか。
十七 滋賀県では、社会保険庁職員に対して二回目の調査を実施している。なぜ滋賀県では、二回調査したのか。どのような調査を行ったのか。
十八 厚生年金受給者・加入者への標準報酬月額の通知は、来年から行うとのことだが、遅いのではないか。
十九 厚生年金の標準報酬月額改ざん問題について十八日の舛添厚生労働大臣の「(社会保険庁による)組織的関与はあったであろう」「非常に疑わしい」と答弁し、六万九〇〇〇件が改ざんされた疑いがある旨の発言は、どのような理由に基づく発言で、どのように解釈すればいいのか。
二十 六万九〇〇〇件に「消された年金」、すなわち標準報酬月額改ざんの疑いがある旨、舛添厚生労働大臣は答弁した。しかし、標準報酬月額改ざんより三倍近く年金記録確認第三者委員会で事例が明らかになっている、「消された年金」の本丸とも言える「加入期間の改ざん」については、全く推計をしておらず、被害者への通知も全く計画されていない。
 加入期間の改ざんについても、疑いがあるのは何件なのか、調査・推計すべきと考えるが、見解を述べられたい。
二十一 旧法の年金制度では、厚生年金・国民年金の期間が、それぞれ一年未満(十二か月未満)の加入期間であれば給付に反映しないことになっている。それらの年金記録の保有者が分かっていてもどうすることもできず、宙に浮いている記録がかなりあると思われる。厚生年金・国民年金の加入期間が、それぞれ一年未満の件数はそれぞれ何件あるのか。
二十二 厚生年金基金解散に伴う代行返上で、社会保険庁と厚生年金基金の年金記録の不一致が多数あると言われている。基金ごとに何件、不一致があるのか、直近の件数を明らかにされたい。
 またそうした不一致はなぜ生じたのか。各厚生年金基金によってそれぞれの理由があれば、その主な理由も述べられたい。

 右質問する。



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