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平成二十年十月六日提出
質問第七八号

国家主権に対する政府の認識に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




国家主権に対する政府の認識に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第三号)を踏まえ、再質問する。

一 前回質問主意書で、「外務省が行っている出前講座について説明されたい。」と問うたところ、「前回答弁書」で政府は「お尋ねの『出前講座』が何を指しているか明らかでないため、具体的にお答えすることは困難である」としつつも、「外務省は外交政策、海外事情に関する国民の理解を促進するため、外務省職員等を国内各地に派遣して講演会等を行っている。」と答弁している。同時に外務省は、その職員等を国内各地に派遣して行う講演会等の一環として、本年六月十六日、外務省総合外交政策局国連政策課の藤本健太郎首席事務官が島根大学で講演したことを認めているが、藤本氏がその講演において、韓国政府による竹島の不法占拠(以下、「不法占拠」という。)と、北朝鮮による我が国国民の拉致(以下、「拉致」という。)について触れ、「韓国には拉致問題で協力を得なければならないので、竹島問題では強く出られない」旨の発言をしたかとの問いに対しては、「当該講演において御指摘の発言を行った事実があるとは承知しておらず、当該講演を記録した文書は作成されていない。」と答弁している。右の外務省の回答は、藤本氏本人に同日の講演での発言について確認した上での回答か。確認を求める。
二 「不法占拠」も「拉致」も、同様に我が国の国家主権が侵害されているという意味で何ら違いはないと考える。その二つの国家主権への侵害について、「拉致」への対応を優先し、そのために「不法占拠」への対応を後回しにすべきという見解は、外務省、ひいては政府の公式見解に合致するか。
三 本年七月十四日、町村信孝官房長官が定例記者会見で「今後、日韓関係がギクシャクをするようなことになりますと、この新時代に向けた積極的な動きが頓挫するだけではなくて、六者会合プロセスであるとか、或いは拉致問題を含めた日朝間の諸懸案の解決にも悪影響を及ぼしかねないと考えております。」と、新学習指導要領解説書における竹島問題の記述のあり方について述べた発言(以下、「町村発言」という。)について、「前回答弁書」で政府は「御指摘の発言は、日韓関係は重要であるという政府の認識を示したものであり、御指摘のような意味はない。」と、「町村発言」は、北朝鮮による核開発(以下、「核開発」という。)の問題や「拉致」の問題を解決するためには、竹島問題をめぐって韓国政府と関係を悪化させるべきではなく、竹島問題よりも「核開発」や日本人拉致問題の解決を政府として優先するということを意味しているのではないとの答弁をしている。では「町村発言」においては、何の問題により、「今後、日韓関係がギクシャクをするようなこと」になると指しているのか、具体的に説明されたい。
四 三で触れた様に、政府が「日韓関係は重要である」と認識しているということは、それは「不法占拠」については強く韓国に出て関係を悪化させたくないという意味を指しているのか。
五 「町村発言」は、二〇一二年から使用される新学習指導要領解説書において、竹島問題についての記述がなされることが発表されたことを受けて行われたものであり、「拉致」や「核開発」の問題を抱えている今、竹島問題のせいで日韓関係を悪化させたくない旨の政府の認識を披瀝したものに他ならないと考える。しかし「前回答弁書」で政府は「政府としては、竹島問題については、問題の平和的解決を図るため、粘り強い外交努力を行っていくという方針に基づき、また、拉致問題については、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現するとの方針に基づいて、引き続き対応していく考えである。」と答弁している。政府として、竹島問題と「拉致」の問題両方が、我が国の国家主権への侵害であると認識しており、どちらかを優先する故にどちらかをないがしろにするということなく、両方にきちんと対応していくものと考えて良いか。明確な答弁を求める。

 右質問する。



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