質問本文情報
平成二十年十月八日提出質問第八五号
事故米不正転売問題に係る農林水産省の責任等に関する再質問主意書
提出者 鈴木宗男
事故米不正転売問題に係る農林水産省の責任等に関する再質問主意書
「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第一八号)を踏まえ、再質問する。
二 本年九月十六日、農水省が記者会見を開き、三笠フーズによる「事故米」の流通先のリスト(以下、「リスト」という。)を個別具体的な企業名を明らかにした上で公表した理由を前回質問主意書で問うたところ、「前回答弁書」では「問題となった事故米穀の流通にかかわることとなった業者の名称については、当初、流通実態の解明を優先し、販売先等についての情報提供が円滑に行われるようにするため、その同意を得た上で公表することとしたところであるが、当該事故米穀が広く流通していることが明らかとなる中で、消費者の不安の解消と信頼の回復を図ることを最優先とする観点から、当該業者の名称を公表したところである。」との答弁がなされているが、今回農水省が「リスト」を公表するに当たり、「リスト」に名称が書かれている各企業に、それぞれの企業名を公表することについて事前に連絡、相談する、または同意を得ることはしたか。何の連絡、相談もなしに「リスト」公表に踏み切ったのか。
三 農水省は消費者の不安の解消と信頼の回復を図ることを最優先とする観点から、「事故米」の流通先企業の名称を明らかにしたと「前回答弁書」で述べているが、右の行為により、「リスト」に名を連ねていた企業の経営者の中から自殺者が出て、多くの商品引き取り騒ぎ等も起きており、実際にはむやみに混乱を招き、いたましい事件を引き起こしただけではないのか。せめて「リスト」にある企業に事前に相談し、農水省から一方的に公表するという方法は避ける等、他にとりうる手段はあったと考えるが、農水省の見解如何。
四 「リスト」公表には、「事故米転売問題」に対する国民の非難の目を、農水省からそらすという意図があったのではないか。
五 「リスト」に名称があり、公表された日の夜に自殺した奈良県の米穀販売会社の社長の遺族に対して、農水省から誰か弔問に行く等、何らかの対応をとったか。
六 五の社長の自殺について「前回答弁書」で農水省は「事故米穀の調査に御協力いただいた方が、亡くなられたことは残念であると考えている。」と述べているが、農水省は何らかの責任を感じているか。
七 「リスト」公表を決めた農水省の担当責任者の官職氏名を明らかにされたい。
八 農水本省が「事故米」の売却先として三笠フーズを地方出先機関に紹介していたことが新聞等で報じられていることにつき、「前回答弁書」で農水省は「事故米穀の売却を適切に行う観点から、すべての地方農政局等に対し、過去に事故米穀の購入実績のある事業者を連絡することはあったものと承知している。」と、その事実を認めているが、右答弁は、農水本省が三笠フーズ以外の業者を地方農政局等に紹介していたということか。確認を求める。
九 地方出先機関に「事故米」の売却先として三笠フーズを紹介した農水本省における担当責任者について、「前回答弁書」で農水省は「この連絡は事故米穀の売却を適切に行う観点から行われたものであり、担当責任者の官職氏名を明らかにすることは適切ではないと考えている。」と、その官職氏名を明らかにすることを拒んでいるが、「リスト」により個別具体的な企業名を明らかにし、流通の現場に混乱を招き、自殺者まで出しておきながら、自らの組織の人間については明らかにすることを拒むとはどういうことか。三笠フーズを地方農政局等に紹介したことは、「事故米転売問題」発生の根本に関係している可能性もあり、それを行った担当責任者を曖昧にすることは許されず、到底国民の理解を得られるものではないと考える。地方農政局等に三笠フーズを紹介した農水本省の担当責任者の官職氏名を明らかにすることを再度求める。
十 「前回答弁書」で農水省は「三笠フーズ以外の事故米穀の工業用としての販売先についても、調査を進めているところである。」と答弁しているが、三笠フーズによる事例以外に、過去に「事故米」が不正に食用として転売されていた事例があるかどうかについての調査は、現在どの様な進捗状況にあるか説明されたい。
右質問する。