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平成二十年十一月六日提出
質問第二〇三号

自衛隊の教育訓練中の死亡事故に関する質問主意書

提出者  辻元清美




自衛隊の教育訓練中の死亡事故に関する質問主意書


 本年九月九日、広島県江田島市の海上自衛隊第一術科学校での特別警備隊養成課程において、三等海曹が格闘訓練中に頭を強打し、約二週間後に死亡した件で、十月二十二日、海上自衛隊呉地方総監部の事故調査委員会より「中間報告」が発表された。また、防衛省提出による自衛隊の「殉職者顕彰録」の平成十一年以降の抜粋(以下「殉職者顕彰録」という。)によると、毎年、教育訓練中の死亡事故が複数、認められる。
 そこで、以下質問する。

一 海上自衛隊特別警備隊について
 1 特別警備隊とは、どのような任務を行なう組織か。
 2 特別警備隊の任務を遂行するために、どのような人材が必要とされると考えるか。
 3 特別警備隊の養成課程への参加資格、基準は設けられているか。設けられている場合、その内容を明らかにされたい。
二 特別警備隊養成課程の訓練内容について
 1 特別警備隊養成課程の訓練は、基礎課程は第一術科学校、応用課程は特別警備隊自身がそれぞれ実施していると「中間報告」にあるが、全体を通しての訓練内容についての指導、管理はどこが行なっているのか。
 2 「中間報告」によると、“教育時間数は規定されておらず”、格闘訓練については、“教務実施要領は作成されておらず”“その都度、実施要領を口頭で示達する状況”であったとあるが、通常、訓練の具体的内容は、誰がどのように決めているのか。
 3 訓練内容について、事前もしくは事後、報告するシステムはあるのか。ある場合、誰がどこにどのような形で報告するのか。
 4 養成課程の教官になるための資格、基準はあるのか。ある場合、その内容を明らかにされたい。
三 自衛隊の教育訓練における安全管理体制について
 1 「中間報告」によると、意識不明となった三等海曹は第一術科学校衛生課に搬送され、診察した医官は“脳内出血の可能性が高いと判断し”、CTを装備している江田島市内の病院に搬送した。その後、三等海曹を手術可能な呉市の病院に搬送したとあるが、衛生課での医官の診断で、脳内出血の可能性を疑いながら、なぜ、最初から手術可能な呉市の病院に搬送しなかったのか。
 2 通常、訓練中、怪我や病気等による隊員の病院への搬送が必要な場合、搬送先や搬送手段の決定は誰が行なうのか。
 3 今回の死亡事故に関しては、搬送に時間がかかりすぎたのでは、という指摘が一部報道にあるが、隊員の搬送に問題がなかったのか、防衛省としてどのように判断するか。さらに、その判断の根拠は如何なるものか。
 4 「殉職者顕彰録」によると、過去にも教育訓練中、“身体に異常を来たし、死亡”という事例が複数あるが、隊員の怪我や体調不良による訓練中止の判断は、誰が行なうのか。
 5 訓練中の医官の現場待機を、教官の判断で要請できる体制はないのか。
 6 「殉職者顕彰録」によると、平成十一年以降毎年、教育訓練中の死亡事故が複数あるが、その際、警務隊による捜査、もしくは事故調査委員会による調査は、毎回行なわれているのか。
 7 死亡事故後、具体的な防止策が講じられた事例はあるか。ある場合、そのきっかけとなった事故と防止策の内容について明らかにされたい。
四 今回の海上自衛隊特別警備隊の死亡事故の件で、増田好平事務次官は十月十六日の会見で、「通例是認される範囲ということからすれば逸脱したところがあったのでないか」と発言している。また、浜田靖一防衛大臣も、十月二十二日の臨時会見において、「一般の感覚からすれば、ちょっとやり過ぎと言いますか、逸脱というのはどなたが考えても疑問に思うところだ」と述べているが、麻生太郎総理大臣のこの件に関する認識は如何なものか。

 右質問する。



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