質問本文情報
平成二十年十一月十日提出質問第二一八号
国債発行残高およびプライマリーバランスに関する質問主意書
提出者 岩國哲人
国債発行残高およびプライマリーバランスに関する質問主意書
債券を保有することによって利子および元本を受け取ることのできるまでの期間を加重平均した数値は、債券の金利変化に対する価格感応度の指標として有用であり、所与の金利変化に対して、債券価格の変化がほぼ反比例する。
一九九八年に小渕内閣が発行した四十兆円の国債の多くが二〇〇八年に償還期限を迎え、それにより国債危機が発生するのではないかと言われていたが、実際には、すでに各種の借り換え対策が進められており、二〇〇八年における償還集中は回避されていたため、問題は発生しなかった。
日本の国債は国内の需要が非常に高く、金利は、一九九九年以降の超低金利(ゼロ金利)政策の結果、一%後半〜二%程度と、他国と比べて非常に低い水準で推移している一方、他の先進国に比較して、国内総生産(GDP)に対する国債の発行残高の割合が高くなっている。
これに関連して、以下質問する。
現在の国債の大半は固定金利であるため、名目成長率の伸びが鈍化することで、GDP比の債務が増大しやすくなっており、また、デフレ不況の長期化により歳入の伸びが低迷したため、償還資金が不足し、政府は償還を目的に追加で国債(借換国債)を発行するようになった。この場合、事実上国債は償還されていないことになり、国債の発行額はさらに増えていることとなるが、バブル経済崩壊後、日本は新規国債、借換国債ともに発行額が増加している。
この点、現時点における新規国債、借換国債のそれぞれの発行残高はいくらか。直近の数値をお示し願いたい。
二 国債発行残高は本年六月末で六百八十五兆円ある(財務省「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」による)が、歳入が歳出を上回るプライマリーバランスのプラス化が達成される見込みは、現時点において、最短でいつになるとお考えか。根拠とともにお示し願いたい。
三 国債の利払費は、二〇〇七年度は八・六兆円、二〇〇八年度は九・三兆円(財務省「債務管理リポート2008」内の一般会計利払費)であるが、今後の利払費の金額の推計とその推計の根拠としている金利水準をお示し願いたい。
四 財務省は「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」(以下、仮定計算)という推計を発表している。この推計は、税収等と歳出の差額を新規国債の発行額としているが、二〇一二年度以降、すべての年についての国債発行額を、二〇一一年度の三十二・三兆円と仮定して推計している。
また、金利は二・〇%を前提にしているが、昨今の金融危機の状況からすると金利は低下することが見込まれる一方、国債発行額の増加が想定される。
このような状況の下、仮定計算の推計とは別の推計を行う予定はあるか。
右質問する。