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平成二十年十一月十四日提出
質問第二四三号

ロシア政府により進められている北方領土開発についての政府の認識等に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




ロシア政府により進められている北方領土開発についての政府の認識等に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第一七三号)を踏まえ、再質問する。

一 二〇〇七年から二〇一五年までの期間に行われる、ロシア政府による北方領土の開発を推進するクリール経済社会発展計画(以下、「計画」という。)につき、前回質問主意書で、政府は「計画」の予算規模、「計画」に基づいて建設されている択捉島の空港の滑走路の長さと完成時期、国後島古釜布港のふ頭の長さ、深さ、接岸可能な船の規模と完成時期、更に、択捉島及び色丹島にあるロシアの水産加工会社ギドロストロイの水産加工場で製造される缶詰の、ロシア国内における全ての缶詰に占める割合について、それぞれ承知しているかと問うたところ、「前回答弁書」では「外務省として、ロシア連邦政府が承認した『「二千七年から二千十五年までのクリル諸島(サハリン州)社会・経済発展」連邦特別プログラム』の内容等については承知している」との答弁がなされている。右答弁は、右で触れた事項について、外務省は詳細に把握しているものと理解して良いか。確認を求める。
二 「前回答弁書」で外務省は「外務省が行っている情報収集の内容等について具体的にお答えすることは、対外的な関係において我が国が不利益を被るおそれがある」としているが、ロシアが不法占拠しているとは言え、北方四島は我が国固有の領土であり、そこにおける事項について外務省が承知しているのは当然であり、またその内容を我が国国民に明らかにすることも当然であると考える。一で、外務省が詳細に把握しているのなら、それぞれについて全て明らかにすることを求める。
三 「計画」により、北方領土のインフラ整備がロシア政府により確実に進められている現状を、政府、特に外務省はただ座視するだけではなく、我が国の持てる高度な技術、優秀な人材を活用し、我が国固有の領土でありながらロシアに不法占拠されている北方領土の開発に積極的に関与するべきではないのかと前回質問主意書で問うたところ、「前回答弁書」では「外務省としては、ロシア連邦が北方四島を不法に占拠している現状において我が国の国民が北方四島における開発等に従事することは、その具体的内容、態様等があたかも北方四島に対するロシア連邦の管轄権を前提としたかのごときものであれば、ロシア連邦による不法占拠を認めることにほかならず、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れないと考える。」との答弁がなされているが、では外務省として、北方領土問題に関する我が国の立場を害さない形で、我が国の国民が北方四島における開発等に従事することは可能であると考えているか。
四 平成十年二月に日ロ間で締結された、北方領土海域付近における日本漁船の安全操業枠組み協定の様に、日ロ両国で互いに主権を一時的に棚上げした形での、民間外交とも言うべき交流は可能であると考えるが、外務省の見解如何。
五 一九八九年九月十九日、一九九一年十月二十九日、一九九八年四月十七日、一九九九年九月十日の四度にわたる、ロシアの管轄権に服した形で北方領土へ入域することを控える旨、国民に要請する閣議了解は、ロシア政府により北方領土の開発が進められている今、現実に合うものであると外務省は認識しているか。
六 五で、現実に合うと外務省が認識しているのなら、そう考える根拠を示されたい。
七 五の閣議了解は、ロシア政府による一方的な北方領土の開発をただ黙って見つめることに他ならず、見直しをする必要があると考えるが、外務省の見解如何。

 右質問する。



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