質問本文情報
平成二十年十二月二日提出質問第三〇四号
平成二十年度北方領土返還要求行進に対する外務省の関与に関する再質問主意書
提出者 鈴木宗男
平成二十年度北方領土返還要求行進に対する外務省の関与に関する再質問主意書
「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第二四八号)を踏まえ、再質問する。
二 「前回答弁書」で政府は「御指摘の行事には外務省においては石崎聖子(橋本聖子)外務副大臣が、内閣府においては佐藤勉内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)が参加する予定である。」と答弁しているが、橋本副大臣及び佐藤大臣は実際に「行進」に参加し、全行程を歩いたのか。
三 橋本副大臣は「行進」が始まる前に挨拶をしていたと承知するが、その挨拶の文面は外務省において起案されたものか。
四 三で、橋本副大臣の挨拶の文面が外務省において起案されたものならば、それを起案した外務省職員の官職氏名を明らかにされたい。
五 中曽根弘文外務大臣は「行進」の実施を承知していたか。
六 「行進」に際して、または「行進」当日、中曽根大臣は大臣としてどの様な協力、関与をしたのか説明されたい。
七 「行進」に際して、または「行進」当日、伊藤信太郎外務副大臣、御法川信英、西村康稔、柴山昌彦各外務大臣政務官は、それぞれどの様な協力、関与をしたのか説明されたい。
八 「行進」に職務として参加した外務省職員はいるか。いるのなら、その官職氏名を明らかにされたい。
九 「行進」に職務としてではなく、自主的に参加した外務省職員はいるか、外務省として把握しているか。把握しているのなら、その官職氏名を明らかにされたい。
十 外務省において北方領土交渉を直接担当する欧州局の局長、参事官、またはロシア課長は、「行進」に職務として参加したか。
十一 十二月一日は、一九四五年、当時の根室町長である安藤石典氏が、GHQの最高司令官であるダグラス・マッカーサー元帥に対して北方領土返還を要求する陳情書を起草した、いわば北方領土返還運動の原点の日とも言える、特別な意味を持つ日であり、その関連で「協議会」としても十二月一日を「行進」実施の日に当てていると考える。その日に行われる「行進」に、外務省において北方領土交渉を直接担当する局、課の幹部が直接参加しないことは、北方領土問題解決に向けての外務省の意気込み、姿勢に対し、国民が疑問視し、不信感を抱くきっかけとなり、少なくとも北方領土問題解決に向けた世論の盛り上がりには何らつながらないことであると考えるところ、十で、外務省において北方領土交渉を直接担当する欧州局の局長、参事官、またはロシア課長が「行進」に参加しなかったのなら、その理由を明らかにされたい。
十二 「行進」に参加した元島民関係者から、外務省の北方領土交渉に対する意気込み、姿勢に疑問を感じている旨の声を当方は聞かされたが、右に対する外務省の見解如何。
十三 本年十一月二十日に内閣府により公表された「北方領土問題に関する特別世論調査」によると、「行進」等の北方領土返還運動に参加したくないとする回答が約六割あった。これについて、本年十二月二日の政府答弁書(内閣衆質一七〇第二六七号)で内閣府、外務省、文部科学省は「特別世論調査の結果も参考にしつつ、今後とも北方領土問題に関する教育の充実に努めるとともに、国民世論の啓発を積極的に行っていきたいと考えている。」と述べている。外務省が「行進」に対してこの程度の協力、関与しかしていないことを鑑みると、右答弁は実行の伴わない、口先だけの答弁と言わざるを得ないが、外務省の見解を示されたい。
十四 二〇〇一年の小泉政権発足以後、安倍、福田内閣が続いたが、右の内閣の期間、北方領土交渉に何らかの進展、前進は見られたか。外務省の見解如何。
右質問する。