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平成二十年十二月二日提出
質問第三〇六号

いわゆる北方領土不要論を過去に唱えたとされる国会議員への外務省の対応に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




いわゆる北方領土不要論を過去に唱えたとされる国会議員への外務省の対応に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第二五六号)を踏まえ、再質問する。

一 二〇〇二年三月十一日に行われた衆議院予算委員会において、当時の上田清司衆議院議員(現埼玉県知事)により取り上げられた、平成七年六月十三日付で起案された、「秘 無期限」の秘密指定がなされた外務省内部の文書(以下、「文書」という。)の中には、「そもそも、北方領土問題というのは、国の面子から領土返還を主張しているに過ぎず、実際には、島が返還されても国として何の利益にもならない。そうであれば、戦後五十年もたって返還されないという事実を踏まえ、我が国は、領土返還要求を打ち切って、四島との経済交流を進めていくべきと考える。」との発言を、当方が当時の西田恒夫欧亜局参事官にしたと書かれている。「文書」は、西田氏と当方のやりとりの場に同席していた、当時ロシア課の事務官であった福島正則という外務省職員(現ロシア支援室首席事務官)によって取られたメモ(以下、「メモ」という。)を基に作成されたものであるが、そもそも当方は、「メモ」が正確な内容を記したものかどうか確認していない。「メモ」を基に外務省が公式のものとして文書を作成するのならば、少なくともその「メモ」の内容について当方に確認するのが当然ではないのか。
二 二〇〇二年三月十三日付の各新聞報道を見ればわかる様に、当時当方は、「メモ」並びに「文書」の内容が事実でないことを指摘している。外務省が、「メモ」が最初に作成された時、その内容について当方に確認せずに「文書」を作成し、それを一方的に表に出すのは、当方を陥れようとする悪意に満ちた行為であると考えられるが、外務省の見解如何。
三 「文書」について、当時の小泉純一郎内閣総理大臣は、二〇〇二年三月十二日の参議院予算委員会において「この文書にあります発言、『そもそも、北方領土問題というのは、国の面子から領土返還を主張しているに過ぎず、実際には島が返還されても国として何の利益にもならない。そうであれば、戦後五十年もたって返還されないという事実を踏まえ、我が国は領土返還要求を打ち切って、四島との経済交流を進めて行くべきと考える。』と。これは驚くべきとんでもない話で、私も信じられません。これが、本当に政治家が、日本の政治家がしたとは信じたくないです。」と述べているが、外務省により一方的に作られた「文書」が事実を正しく反映したものかどうかも確認せず、「とんでもない」と切り捨てるのは、その行為こそが公正さ、公平さを著しく欠き、個人の名誉を傷つけるとんでもない行為であると考える。我が国の内閣総理大臣が、不正確な文書を基に国会で答弁を行うことは適切か。麻生太郎内閣総理大臣の見解如何。
四 不正確な内容を含む「メモ」に基づいて作成された「文書」により、当方の名誉は毀損され、大きな社会的打撃を受けたが、このことについての外務省の見解如何。
五 「前回答弁書」で外務省は、外務省における文書の秘密指定の解除について「決裁のための文書の作成を含め、適切な手続にのっとって行うこととなっている。」と答弁しているが、これまでの答弁書で、外務省は「文書」の秘密指定が解除された経緯につき、「文書が残されておらず、お答えすることは困難である。」と答弁している。適切な手続にのっとって行われている秘密指定解除についての文書が、なぜ外務省に残されていないのか説明されたい。
六 五の答弁にある様に、外務省があくまで適切な手続を経て秘密指定解除を行っていると主張するのなら、「文書」につき、その秘密指定が解除されたのは、外務省内の誰による、何のための決定に基づいていたのか、明確に説明されたい。

 右質問する。



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