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平成二十年十二月三日提出
質問第三〇七号

我が国が抱える領土問題に係る世論調査に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




我が国が抱える領土問題に係る世論調査に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第二六七号)を踏まえ、再質問する。

一 本年十一月二十日に内閣府より公表された「北方領土問題に関する特別世論調査」の結果(以下、「調査結果」という。)について、前回質問主意書で、北海道のみを対象とした世論調査は行われているか、また、「調査結果」のうち、北海道民のみの世論についてのものはあるかと問うたところ、「前回答弁書」では「内閣府が行う世論調査については、北海道のみを対象としたものはない。また、特別世論調査の結果のうち、北海道等の地域ブロック別の結果については、現在、取りまとめているところである。」との答弁がなされているが、右のとりまとめの作業はいつ頃までに終了する予定でいるか。
二 「調査結果」で、北方領土返還要求運動について「取組の内容も知っている」との回答は四十六.四%で、「運動に参加したい」は三十四.五%、「運動に参加したくない」は五十九.四%であり、北方領土問題そのものを知っている人は多いものの、返還運動の詳細を承知している人は半数にも満たず、また、参加への意欲も高いとは言えないこと、そして「運動に参加したくない」と回答した理由につき、「時間や労力の負担が大きいから」とするのが四十.二%と最も高い割合を占めているが、他に「活動の内容がわからないから」、「効果や必要性があると思わないから」、「関心がないから」とする回答もそれぞれ三十六.二%、十八.八%、十六.五%となっていることが明らかになったことについて、「前回答弁書」で政府は「内閣府、外務省及び文部科学省としては、特別世論調査の結果も参考にしつつ、今後とも北方領土問題に関する教育の充実に努めるとともに、国民世論の啓発を積極的に行っていきたいと考えている。」と答弁している。本年十二月一日に行われた、北海道根室市、根室管内の別海町、中標津町、標津町、羅臼町で構成される北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会主催の北方領土返還要求をアピールする行進(以下、「行進」という。)には、内閣府からは佐藤勉内閣府沖縄北方担当大臣が出席した一方で、外務省からは中曽根弘文外務大臣の出席はなく、橋本聖子外務副大臣が出席していた。また、北方領土交渉を直接担当する外務省欧州局の局長、参事官、ロシア課長等、外務省の幹部職員の出席もなかった。「行進」に参加した元島民からは、この様な政府、特に外務省の「行進」に対する姿勢を疑問視する声があがっていたが、この様な対応は、右の「国民世論の啓発を積極的に行っていきたい」という答弁と矛盾するのではないか。
三 「前回答弁書」では、「政府において確認した範囲では、御指摘の特別世論調査と同様の世論調査を行ったことはない。」と、竹島問題については政府として世論調査を行っていないことが明らかにされているが、それはなぜか。竹島問題解決を図る上でも、北方領土問題同様、国内世論の啓発は不可欠であると考えるが、竹島問題については北方領土問題の様に世論調査を行っていない理由を明らかにされたい。
四 我が国が抱える領土問題は、北方領土と竹島に係る問題の二つのみであるが、政府は右の様に北方領土問題についての世論調査は行い、竹島問題についての世論調査は行っていない。政府のこの様な対応は、ロシア側に対し、日本はロシアには厳しく出る一方で、韓国には甘いという、間違ったシグナル、メッセージを与え、北方領土交渉に悪影響を及ぼしかねないと懸念するが、政府、特に外務省の見解如何。

 右質問する。



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