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平成二十年十二月四日提出
質問第三一一号

北方領土問題と竹島問題に対する政府の取組が著しく異なる理由等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土問題と竹島問題に対する政府の取組が著しく異なる理由等に関する質問主意書


 「政府答弁書」(内閣衆質一七〇第二五五号)を踏まえ、質問する。

一 これまでの質問主意書で再三にわたり指摘している様に、それぞれの領土問題を啓発する記念日や政府部内における担当部署、特命担当大臣の設置、相手国の管轄権に服した形での入域の自粛を国民に求める閣議了解の有無、そしてそれぞれの領土に接する地域の発展振興を進めるための特別措置について定めた法律や基本方針の有無等、我が国が抱える領土問題である北方領土と竹島に係る二つの問題に対する政府の取組は、それぞれ著しく異なっている。その理由に関し、政府はこれまでの答弁書で「それぞれの領土問題をめぐる経緯及び状況等を踏まえ、必ずしも同様の対応とはなっていない」、「政府として、北方領土問題及び竹島問題の経緯及び状況等について両者を比較し、両者にどのような違いがあるかについての認識を明らかにすることは、それぞれの問題の相手国との今後の外交上のやり取りに支障を来すおそれがあることから、差し控えたい。」と明確な説明を拒んでいるが、右の答弁は、国民の理解を到底得られるものではないと考える。「政府答弁書」で政府は「それぞれの領土問題について適切に対応してきており、今後とも国民の理解を得るよう努めてまいりたい。」と答弁しているが、当方が問うているのは、右答弁にある様に政府が適切に対応してきているとするその根拠である。政府が、北方領土問題と竹島問題について、それぞれの解決に向けて取組をし、適切に対応していると言うのなら、その具体的根拠を示されたい。
二 一の答弁は、政府としても、北方領土問題と竹島問題に対する政府の取組が異なる理由について、必ずしも十分な国民の理解を得られていないと考えていることを表しているものか。
三 本年九月四日、谷崎泰明外務省欧州局長が北海道根室市を訪問し、北方領土を納沙布岬から視察すると共に、長谷川俊輔市長、元島民らと意見交換等をしたと承知するが、右の谷崎局長による根室市訪問と同趣旨の、外務省職員による根室市はじめ北方領土問題と密接な関係を持つ地方自治体への訪問(以下、「訪問」という。)は、これまで何件なされているか。また、「訪問」の直近五事例を明らかにされたい。
四 「訪問」と同趣旨の、隠岐の島町等、竹島問題と密接な関係を持つ地方自治体の住民との竹島問題についての意見交換等を通じ、竹島問題の解決に向けた地ならしを目的とする、政府職員による地方自治体への訪問はこれまでなされたことはあるか。「政府答弁書」では「お尋ねについては、調査に膨大な作業を要すること等から、お答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、右訪問の直近五事例を明らかにすることが困難であるのなら、右訪問がこれまでなされたか否かの一点のみを明らかにされたい。
五 四で、これまでなされていないのなら、その理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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