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平成二十年十二月十八日提出質問第三六五号
北方領土交渉に係る政府方針についての国民への説明に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
北方領土交渉に係る政府方針についての国民への説明に関する質問主意書
一 本年十二月十七日の衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会において、中曽根弘文外務大臣は「我が国政府は、従来から、ソ連時代になるでしょうけれども、ソ連とのあらゆる対話の機会をとらえまして、北方領土問題を解決して平和条約を締結する、そういう立場を粘り強く主張してきたわけでありますが、一九九一年の後半以降、ロシア側から、過去の合意を尊重すること、そして北方領土問題の解決を先延ばししないこと等の考え方が表明されたことを踏まえまして、今申し上げましたような柔軟な対応をとることとしたものでございます。」と、ソ連が崩壊しロシアが誕生した一九九一年の後半以降、「われらの北方領土」二〇〇七年度版二十頁に書かれている様に、北方四島の我が国への帰属が確認されれば、実際の返還の時期及び態様については柔軟に対応するとの、北方領土交渉に臨むに当たっての政府の新たな方針(以下、「新方針」という。)がとられる様になった旨述べている。政府、特に外務省及び内閣府は、「新方針」についてこれまで国民にどの様な説明をしてきたか。「新方針」について、政府は国民に十分な説明をしてきていると認識しているか。
二 政府として、一九九一年の後半以降、「新方針」の下、北方領土交渉に当たっていることについて、国民の十分な理解を得られていると認識しているか。「新方針」は国民の間に十分浸透しているか。
三 毎年二月七日の「北方領土の日」等、政府主催、または後援の会合において、「北方四島の一括返還を求める」旨書かれた横断幕等が掲げられたり、出席者より右の趣旨の、「新方針」とは異なる内容の発言がなされることがあると承知する。また、例えば内閣府所管の社団法人千島歯舞居住者連盟の小泉敏夫理事長等、政府と密接な関係を持つ、北方領土問題に深く関わる団体のトップの人物等からも、未だに「北方四島の一括返還を求める」旨の、「新方針」にそぐわない趣旨の発言がなされることがあると承知する。この様な事態は、ロシア側、そして我が国国民に対しても、北方領土交渉に係る政府の方針に対してあらぬ誤解、混乱をもたらし、間違ったメッセージを伝えてしまうことになると懸念するが、政府部内、更には政府と密接な関係を持つ、北方領土問題に深く関わる団体及びそのトップの人物等との間で、「新方針」はきちんと共有されていないのではないか。政府の見解如何。
右質問する。