質問本文情報
平成二十一年十一月二日提出質問第四三号
鳩山由紀夫内閣における第三十一吉進丸の船体返還に向けた取り組み等に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
鳩山由紀夫内閣における第三十一吉進丸の船体返還に向けた取り組み等に関する質問主意書
二〇〇六年八月十六日に根室のカニかご漁船第三十一吉進丸がロシア国境警備隊の銃撃を受け、乗組員一人が射殺され、残りの乗組員が拿捕されるという事件(以下、「拿捕事件」という。)が発生した。右につき、本年十月一日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七二第一七号。以下、「政府答弁書」という。)では「御質問の諸点については、新内閣の下でこれまでの経緯等を確認しているところであり、その結果も踏まえ適切に対処してまいりたい。」との答弁がなされている。右を踏まえ、質問する。
二 第三十一吉進丸の船体の現状につき、前政権下では、外務省は現地の在外公館から同本省へ報告がなされた日にちや回数等について一切明らかにしようとしなかった。しかしその一方で、例えば外務省が一九九二年に購入し、在ウズベキスタン大使館に配置された後に所在がわからなくなった日本画「潮の舞」の消息に関する調査等に係るものについては、同大使館から同本省への報告がなされた日にち等について、過去の答弁書で明らかにされている。過去の質問主意書で、外務省として、第三十一吉進丸の船体の現状等に関する同本省への報告については「今後の情報収集等に支障を来すおそれがある」として明らかにすることを避けるのはなぜかと問うたところ、過去の答弁書では「御指摘のあった二つの事例を単純に比較することは適切ではないと考える。」との答弁がなされている。右を受け、過去の質問主意書で、同省として右の様に考えているのはなぜかと更に問うたところ、過去の答弁書では「御指摘の二つの事例は、その経緯、性格等を異にしており、単純に比較することは適切ではないと考える。」との答弁がなされている。一人の尊い人命が失われた「拿捕事件」と、「潮の舞」の所在がわからなくなった件の経緯、性格等が異なるにしても、右の二案件に関し、政府として、出来る限りの情報を国民に開示しなくてはならないことには変わりはないと考える。前政権はそれを拒み続けてきたが、鳩山由紀夫内閣は、右に関し、どの様な見解を有しているか説明されたい。右については、本年九月十六日に提出した質問主意書において問うているが、「政府答弁書」では前文の答弁がなされているところ、今次質問主意書において改めて質問する。
三 政府、特に外務省として、一人の尊い人命が失われた「拿捕事件」と、「潮の舞」の所在がわからなくなった件の経緯、性格等に、具体的にどの様な相違があると認識しているのか説明されたい。右については、本年九月十六日に提出した質問主意書において問うているが、「政府答弁書」では前文の答弁がなされているところ、今次質問主意書において改めて質問する。
四 前政権では、「拿捕事件」の解決並びに第三十一吉進丸の船体返還に向け、具体的に何らかの取り組みをしている姿は全く見られず、実効的な成果もなかった。政権交代が実現した今、鳩山由紀夫内閣総理大臣、そして岡田克也外務大臣は、第三十一吉進丸の船体返還の実現、そして「拿捕事件」の最終的解決に向け、今後どの様に取り組んでいく考えでいるのか説明されたい。右については、本年九月十六日に提出した質問主意書において問うているが、「政府答弁書」では前文の答弁がなされているところ、今次質問主意書において改めて質問する。
右質問する。