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平成二十二年二月三日提出
質問第七一号

検察庁による事情聴取のあり方に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




検察庁による事情聴取のあり方に関する質問主意書


 質問するにあたり、千葉景子法務大臣に対し、答弁を事務方任せにするのではなく、自ら目を通し、内容を把握した上で、自ら考えた上で答弁することを先に求め、以下質問する。

一 二〇〇八年四月三日、最高検察庁は「検察における取調べ適正確保方策について」という通達を出し、取調べが長時間に渡ることや、休憩なしで行われること等を禁ずる措置を講じているものと承知するが、改めて右の詳細な内容を説明されたい。
二 週刊朝日二月十二日発売号の二十二頁から二十四頁にかけて、「暴走検察 子ども人質≠ノ 女性秘書『恫喝』十時間」との見出しの、ジャーナリストの上杉隆氏による論文(以下、「上杉論文」という。)が掲載されているが、千葉大臣は右を読み、その内容を把握しているか。
三 「上杉論文」には、本年一月十五日、小沢一郎民主党幹事長の政治資金をめぐり逮捕された石川知裕衆議院議員の女性秘書が、東京地方検察庁特別捜査部に任意の事情聴取を受けた模様が書かれている。また、右女性秘書に任意の事情聴取に応じるよう求めた東京地検特捜部の検事として、民野健治という個人名が出されているが、同特捜部に右の名前の検事は所属しているか。
四 「上杉論文」には、
 「一月二十六日(火)の昼ごろ、石川事務所に『タミノ』と名乗る男から電話があった。女性秘書に検察庁に来てほしいという。
 女性秘書が『きょうも押収品の返却ですか?』と確認すると、タミノは『そうです。あとちょっと確認したいこともあるので』と返した。よく聞き取れなかったので、もう一度確認すると『返却です』と答えた。
 女性秘書は、一月十五日の石川逮捕以来、二度(二十二日、二十五日)、検察庁から呼び出しを受け『押収品』の返却に応じている。今回も同様の案件だと信じた女性秘書は、ランチバッグひとつで検察庁に向かった。
 (中略)
 検察庁に着くと前回までとは違う部屋に案内される。するとそこに民野健治という検事が待っており、いきなりこう言い始めたのだ。
 『被疑者として呼んだ。あなたには黙秘権があるので行使することができる。それから−』」
との記述があるが、右は事実か。右にある様に、東京地検特捜部が、石川代議士の女性秘書を、被疑者としての出頭を予め明確に求めることなく、押収品の返却であると、全く別の理由で呼び出し、不意打ちの様な形で事情聴取を行ったというのは事実か否か、千葉大臣は把握しているか。
五 一般に、検察庁がある人物に対して事情聴取を行う際、事前にどの様な手続きを踏むことが求められるか。千葉大臣の説明を求める。
六 一般に、検察庁がある人物に対し、明確に事情聴取の要請をすることなく、全く別の理由で当該人物を呼び出し、不意打ちの様な形で事情聴取を行うことは許されるか。許されるならば、それはどの様な法的根拠に基づく行為であるのか。千葉大臣の説明を求める。
七 「上杉論文」には、
 「事情を把握できずパニックになった女性秘書が、他の秘書か弁護士に連絡したい旨を告げると、民野検事はそれを無視して、逆に、携帯電話の電源を切るように命じ、目の前でスイッチをオフにさせたのだ。」
との記述があるが、右は事実か。右にある様に、東京地検特捜部が、石川代議士の女性秘書に対して何の明確な要請もせず、全く別の理由で呼び出し、不意打ちの様な形で事情聴取を始める際に、外部との連絡を無理矢理絶たせたというのは事実か否か、千葉大臣は把握しているか。
八 一般に、検察庁がある人物に対して何の明確な要請もせず、全く別の理由で呼び出し、不意打ちの様な形で事情聴取を始める際に、外部との連絡を無理矢理絶たせることは許されるか。許されるならば、それはどの様な法的根拠に基づく行為であるのか。千葉大臣の説明を求める。
九 「上杉論文」には、
 「女性秘書は石川が小沢の秘書をやっているときは、別の民主党議員事務所に勤めていたのだ。(中略)そんな彼女が、小沢事務所の会計事務のことを知る術もない。その旨を正直に述べると、検事は次のような言葉を述べるのだった。
 『いいんだよ、何でもいいから認めればいいんだよ』
 『早く帰りたいなら、早く認めて楽になれよ』
 『なんで自分を守ろうとしないの。石川をかばってどうするの』」
との記述があるが、右は事実か。右にある様に、東京地検特捜部が、石川代議士の女性秘書に対して、事実関係云々に関係なく、検察の言いなりになることを、脅迫ともとれる様な言いぶりで求めたという事実はないか、千葉大臣は把握しているか。
十 一般に、検察庁がある人物に対して、事実関係云々に関係なく、検察の言いなりになることを、脅迫ともとれる様な言いぶりで求めることは許されるか。許されるならば、それはどの様な法的根拠に基づく行為であるのか。千葉大臣の説明を求める。
十一 「上杉論文」には、
 「こうした言葉をさんざん浴びせられたが、知りようもない事柄を語れるはずもない。
 そこで黙っていると民野検事はこう言い放った。
 『あんた、何も言わないのは愚の骨頂だよ』」
との記述があるが、右は事実か。民野検事が、石川代議士の女性秘書に対して、同秘書の黙秘権を否定するかの様な発言をしたというのは事実か否か、千葉大臣は把握しているか。
十二 一般に、検察庁がある人物の事情聴取を行っている際、当該人物に対して黙秘権を否定するかの様な発言をすることは許されるか。許されるならば、それはどの様な法的根拠に基づく行為であるのか。千葉大臣の説明を求める。
十三 「上杉論文」には、
 「『保育園に子どもが残っています。お迎えだけは行かせてください。その後、また戻ってきます。せめて電話だけでも入れさせてください』
 感情を抑えられず取り乱す母親、その前に座る男はこう言い放つ。
 『なに言っちゃってんの。そんなに人生、甘くないでしょ』」
との記述があるが、右は事実か。民野検事が、明確な事情聴取の要請もせず、全く別の理由で石川代議士の女性秘書を呼び出して長時間拘束し、途中の外部との連絡を一切許さず、脅迫的な言動をもって外部との連絡を制したというのは事実か否か、千葉大臣は把握しているか。
十四 一般に、ある人物が検察庁による任意の事情聴取を受ける際、聴取をいつまで受けるか、いつ帰るかは当該人物が任意に決められるものであると考えるが、千葉大臣に対して確認を求める。
十五 一般に、検察庁がある人物に対して、明確な事情聴取の要請もせず、全く別の理由で呼び出して長時間拘束し、途中の外部との連絡を一切許さず、脅迫的な言動をもって外部との連絡を制することは許されるか。許されるならば、それはどの様な法的根拠に基づく行為であるのか。千葉大臣の説明を求める。
十六 「上杉論文」には、
 「結局、『押収品』はひとつも返却してもらえなかった。
 つまり、東京地検特捜部は、最初からこの若い母親をだまして、『監禁』することが目的だったのだ。」
との記述があるが、右は事実か。東京地検特捜部、特に民野検事として、石川代議士の女性秘書に対し、当初押収品の返却との理由で呼び出しておきながら、一つの押収品も返却しなかったというのは事実か否か、千葉大臣は把握しているか。
十七 十六で、事実ならば、東京地検特捜部、特に民野検事として、全く別の理由をもって石川代議士の女性秘書を呼び出し、長時間に渡り拘束したのはなぜか、千葉大臣の説明を求める。
十八 一般に、検察庁として、全く別の理由をもってある人物を呼び出し、長時間に渡り拘束することは許されるか。許されるならば、それはどの様な法的根拠に基づく行為であるのか。千葉大臣の説明を求める。
十九 右で触れた東京地検特捜部、特に民野検事による石川代議士の女性秘書に対する行為は、一の「検察における取調べ適正確保方策について」に合致するか。千葉大臣の見解如何。
二十 本年二月二日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七四第三五号)では、千葉大臣により、人権の定義について「人権とは、一般に、『人間が人間として生まれながらに持っている権利。(出典 広辞苑)』を意味するものとされていると承知している。」との説明がなされている。また、「人権の重要性については、深く認識している。」との、千葉大臣の答弁がなされている。右で触れた東京地検特捜部、特に民野検事による石川代議士の女性秘書に対する行為は、同秘書の人権を著しく侵害するものではないのか。千葉大臣の見解如何。

 右質問する。



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