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平成二十二年三月四日提出質問第二〇九号
緑化版エコポイント制度の創設に関する質問主意書
提出者 秋葉賢也
緑化版エコポイント制度の創設に関する質問主意書
近年、我が国、特に都市部地域において、エネルギー使用の増大や地面のアスファルト・コンクリート被覆による蒸散機能の低下等により、郊外部よりも気温が高くなる、いわゆるヒートアイランド現象が起き、加えて、地球温暖化の進行に伴う気温上昇も問題となってきているが、その緩和のための手段として、緑化の推進が有効であるとの指摘がなされている。
都市における緑の指標の一つとも考えられる公園については、我が国では平成二十年度末までに一人当たりの都市公園等面積が約九・六平方メートルとなるなど、着実な整備が進められてきてはいるものの、欧米諸国の主要都市と比べるとその水準は依然として低い状況にある。また、全国の緑化率は森林等の減少により下降傾向にある。
そのような中、特に都市部においては、都市公園に加えて、民有地等における植栽、芝生化、屋上緑化、壁面緑化等(以下「民有地等緑化」という。)の推進も重要となっている。これら民有地等緑化は、ヒートアイランド現象の緩和や地球温暖化問題への対応以外にも、生物多様性の保全、美しい景観の確保、さらには空気の浄化作用など、様々な機能を果たしており、持続可能な都市・地域の形成及び誰もが暮らしやすい社会の実現にも寄与するものである。
そこで、これらを踏まえて、次の事項について質問する。
二 都市部における緑化を推進するための制度として、例えば、「緑化版エコポイント制度」の創設が有効ではないかと考える。
具体的には、住宅及び事業場の敷地並びに建物における民有地等緑化に際して、植栽樹木の種類、樹齢、高さ等の条件に応じてエコポイントを付与するとともに、その植栽後においても敷地及び建物の緑被率に応じて毎年ポイントを付与、又は電気料金等を同ポイント分減免するといった制度の導入が考えられる。
このような植栽樹木等の年々の成長に伴ってその機能が増すことに注目して民有地等緑化の効果を評価し続ける制度は、一回限りのポイントの付与にとどまる既存のエコポイント制度に比べ、国民及び事業者による環境に配慮した持続的な取組みが期待できるものであり、また、良好な都市景観の形成、環境教育にも寄与し、さらには緑化の担い手の育成につながるものでもあると考える。
そこで、都市部における緑化率の向上及び地球温暖化対策と景気回復の両立のそれぞれの観点から、この制度に対する政府の評価を具体的にお示しいただきたい。
三 政府は、二において提案した制度と同内容の、あるいは類似の制度の導入に向けた検討を既に行っているのか。もし行っているなら、その検討状況及び導入に向けた今後のスケジュール案をお示しいただきたい。また、検討を行っていないなら、早急にその導入に向けた検討を開始すべきであると考えるが、これに対するお考えをお示しいただきたい。
右質問する。