衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十二年三月十日提出
質問第二四一号

一九六〇年の日米安全保障条約改定時における核持ち込みに係る密約に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




一九六〇年の日米安全保障条約改定時における核持ち込みに係る密約に関する質問主意書


 昨年九月十六日、岡田克也外務大臣は、以下の四点に関し、いわゆる密約(以下、「密約」という。)があったと言われていることにつき、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、同年十一月末を目処にその存在の有無を徹底調査する旨の大臣命令を同省に出したと承知する。
@ 一九六〇年一月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約
A 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約
B 一九七二年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約
C 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約
 そして本年三月九日、岡田大臣は、「委員会」による「密約」に関する調査結果をまとめた報告書(以下、「報告書」という。)を公表した。右を踏まえ、「密約」のうち@のものにつき、以下質問する。

一 「報告書」には、@に関し、以下の記述がなされている。
 「第二章 核搭載艦船の一時寄港
 (中略)
 (4) 結論
  (イ) 日米両国間には核搭載艦船の寄港が事前協議の対象か否かにつき明確な合意はない。他方、この問題の「処理」については合意がないわけではない。
  (ロ) 日本政府は、米国政府の解釈に同意しなかったが、米側にその解釈を改めるよう働き掛けることもなく、核搭載艦船が事前協議なしに寄港することを事実上黙認した。日米間には、この問題を深追いすることで同盟の運営に障害が生じることを避けようとする「暗黙の合意」が存在した。
  (ハ) 序論における密約の定義によれば、日米両政府間には、安保改定時に姿を現し、その後一九六〇年代に固まった、「暗黙の合意」という広義の密約が存在。
  (ニ) 日本政府の説明は、嘘を含む不正直なもの。民主主義の原則から、本来あってはならない。ただしその責任と反省は、冷戦という国際環境と国民の反核感情との間の容易ならざる調整を踏まえるべき。
  (ホ) 今回の調査で利用できた外務省文書の量と質はこの問題の構造を大まかにつかむのに十分なもの。それでも重要部分に欠陥があり、解明できないところが残った。そうなった経緯に関する事情調査と重要文書の管理に対する深刻な反省が必要。」
 この様に、この度「委員会」、ひいては外務省、つまり政府として、@の密約があったことを明確に認めているが、過去に当方が提出した質問主意書に対する政府答弁書(内閣衆質一六八第二二六号、内閣衆質一七一第四七九号、五五四号、五八〇号、六一二号、六二一号、六二七号、六五六号、六六四号、六六八号、六七四号、六七五号等)では、その存在を明確に否定する答弁がなされてきた。例えば内閣衆質一七一第六一二号の政府答弁書には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の下での核兵器の持込みに関する事前協議制度についての日米間の合意は、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解がすべてであり、秘密であると否とを問わずこの他に何らかの取決めがあるという事実はない。」とある。結果として、これらの答弁は虚偽のものであったことがこの度明らかになったが、これらの答弁は外務省のどこの課において、誰の責任の下、起案・作成されたのか、全て明らかにされたい。
二 一の答弁を外務省として決定する際、その決裁に関わった同省職員は誰か、その官職氏名を全て明らかにされたい。
三 一の答弁にある様に、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各政権が国民に嘘をつき、国民を欺き続けてきたことに対し、鳩山由紀夫内閣総理大臣、岡田大臣はどの様な見解を有しているか。
四 小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各政権において、一における答弁を起案・作成し、また二の決裁に関わった者が、国民に嘘をつき、国民を欺く答弁をつくってきたことに対し、鳩山総理、岡田大臣はどの様な見解を有しているか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.