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平成二十二年三月十日提出
質問第二四二号

一九七二年の沖縄返還時における原状回復補償費の肩代わりに係る密約に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




一九七二年の沖縄返還時における原状回復補償費の肩代わりに係る密約に関する質問主意書


 昨年九月十六日、岡田克也外務大臣は、以下の四点に関し、いわゆる密約(以下、「密約」という。)があったと言われていることにつき、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、同年十一月末を目処にその存在の有無を徹底調査する旨の大臣命令を同省に出したと承知する。
@ 一九六〇年一月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約
A 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約
B 一九七二年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約
C 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約
 そして本年三月九日、岡田大臣は、「委員会」による「密約」に関する調査結果をまとめた報告書(以下、「報告書」という。)を公表した。右を踏まえ、「密約」のうちCのものにつき、以下質問する。

一 「報告書」には、Cに関し、以下の記述がなされている。
 「第五章 沖縄返還と原状回復補償費の肩代わり
 (1) 米国側は、愛知大臣の書簡を求めるが、愛知大臣は、これを見合わせた。
 (2) 東京では、交渉当事者間で大臣書簡案に代わるオプションとして、吉野とスナイダーによるイニシャルを前提とした「議論の要約」を作成することで合意し、愛知の帰国前日の十二日に吉野とスナイダーがイニシャルしたものと考えられる。
 (3) 米側資料によれば、六月十二日の最終協議において、「署名による書簡」とするか、あるいは「交渉経緯(記録)」とするかが議論となり、井川、吉野両局長ら日本側の交渉当事者は二分されたという。吉野は交渉経緯の全体に言及することを避けるため、両者を混ぜ合わせた「議論の要約」を作成し、米側の要望に応えることを提案したようである。
 (4) 日本側の不公表書簡案(大臣書簡案)にせよ「議論の要約」にせよ、それ自体は、両国政府を拘束するような内容ではなく、両政府間の秘密の合意や了解を意味する「密約」にあたるわけではない。(「狭義の密約」ではない。)
 (5) 原状回復補償費の肩代わり合意と三億二千万ドルへの積み増し了解は、非公表扱いとされ、明確に文書化されているわけでもなく、返還協定や関連取り決めにも明記されていないものであるが、両国政府の財政処理を制約するものとなる。その点では、これらは序論に定義された「広義の密約」に該当する。」
 この様に、この度「委員会」、ひいては外務省、つまり政府として、Cの密約があったことを明確に認めているが、過去に当方が提出した質問主意書に対する政府答弁書(内閣衆質一六四第六二号、一〇五号、一三二号、内閣衆質一六六第一五号、二三二号、二三三号、二三四号、四二〇号、四六八号、四七二号、内閣衆質一七〇第一六七号、二二三号、二六八号、内閣衆質一七一第五五五号等)では、その存在を明確に否定する答弁がなされてきた。例えば内閣衆質一七一第五五五号の政府答弁書には「沖縄返還に際する支払に関する日米間の合意は、第六十七回国会における琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(昭和四十七年条約第二号。以下「沖縄返還協定」という。)についての審議が行われた当時から歴代の外務大臣等が一貫して繰り返し説明しているとおり、沖縄返還協定がすべてである。」とある。結果として、これらの答弁は虚偽のものであったことがこの度明らかになったが、これらの答弁は外務省のどこの課において、誰の責任の下、起案・作成されたのか、全て明らかにされたい。
二 一の答弁を外務省として決定する際、その決裁に関わった同省職員は誰か、その官職氏名を全て明らかにされたい。
三 一の答弁にある様に、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各政権が国民に嘘をつき、国民を欺き続けてきたことに対し、鳩山由紀夫内閣総理大臣、岡田大臣はどの様な見解を有しているか。
四 小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各政権において、一における答弁を起案・作成し、また二の決裁に関わった者が、国民に嘘をつき、国民を欺く答弁をつくってきたことに対し、鳩山総理、岡田大臣はどの様な見解を有しているか。

 右質問する。



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