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平成二十二年三月十一日提出
質問第二四六号

生活習慣病予防のための健康栄養政策に関する質問主意書

提出者  平 将明




生活習慣病予防のための健康栄養政策に関する質問主意書


 先進国の生活習慣病予防のための健康栄養政策は、国民のコレステロール値を下げて、心筋梗塞発症を減らすなどの効果を上げているが、日本では、生活習慣病は蔓延化しており、その予防策は結果を出していない。
 農林水産省農業総合研究所所長、財団法人食料・農業政策研究センター理事長を歴任した並木正吉氏がその著書「欧米諸国の栄養政策」で記述しているように、欧米諸国では、一九八〇年代から生活習慣病予防のための栄養政策が行われた。一九七七年「アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書」が国民に示され、「高エネルギー・高脂肪の食品、つまり肉・乳製品・卵といった動物性食品を減らし、できるだけ精製しない穀物や野菜・果物を多く摂るように」と勧告された。また、最も理想的な食事と定義したのは、元禄時代以前の日本の食事、伝統的な日本人の食事、和食であると報告されている。「欧米諸国の栄養政策」では、ヨーロッパでも動物性脂肪の供給源である牛乳・乳製品と肉につき、国民に高脂肪食生活と関係の深い生活習慣病、心血管疾患についての知識を広め、牛乳・乳製品は低脂肪、無脂肪乳製品、肉は赤身の肉を選ぶように健康教育が行われ、また、政府が赤身肉生産のやり方や低脂肪生産物を奨励する力強い政策を採用し、飽和脂肪酸の摂取を減らすことに成功したと報告されている。
 生活習慣病予防対策で効果を上げるためには、食品業界からの理解、協力も不可欠である。飽和脂肪酸、コレステロール、トランス脂肪酸の少ない、生活習慣病予防に良い食品を提供することに、生産者、食品業界が価値を見出して、飽和脂肪酸、コレステロール、トランス脂肪酸の少ない健康に良い食品を国民にアピールしていただければ何よりである。
 現在、日本の健康栄養政策として、厚生労働省と農林水産省より「食事バランスガイド」が示されているが、高コレステロール血症の予防効果を期待できるか疑問である。主菜として肉・魚・卵・大豆料理から三皿程度となっているが、魚・大豆料理から三皿程度選ぶのと、肉・卵から三皿程度選ぶのでは、高コレステロール血症の予防に大きな差があるものの、同列に扱われている。また、牛乳・乳製品についても、成分無調整牛乳と無脂肪、低脂肪牛乳を選ぶのでは高コレステロール血症の予防に大きな差があるが、区別がなされていない。
 「欧米諸国の栄養政策」では、生活習慣病予防対策で効果を上げるためには、農林水産省、厚生労働省、経済産業省、消費者庁等の関係する各部門が参加し、栄養政策、あるいは行政をすすめるための一元的・包括的で各省庁、各部門の政策を調整し、監視し、さらに実施過程を把握し、実施の結果を確認する組織が必要であると指摘している。
 よって以下の質問をする。

一 先進国で生活習慣病予防に効果を上げた健康栄養政策として、日本でも、国民に動物性脂肪(飽和脂肪酸、コレステロール)摂取と脂質異常症、糖尿病、心血管疾患、脳梗塞発症の関連を説明し、牛乳・乳製品は低脂肪、無脂肪のものを、肉は赤身の肉を選ぶように健康教育を広めて、政府が畜産家に赤身肉生産のやり方や低脂肪生産物を奨励する力強い栄養政策を採用し、食品業界にも協力を求めていくべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
二 「欧米諸国の栄養政策」で必要と指摘されている、生活習慣病予防対策について関係各省庁、各部門が参加した、一元的・包括的に取り組む組織を作るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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