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平成二十二年四月十二日提出
質問第三七八号

検察官による取調べの実態及びそれに対する法務省政務三役の認識等に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




検察官による取調べの実態及びそれに対する法務省政務三役の認識等に関する再質問主意書


 先の質問主意書で、取調べ中に被疑者に対して殴る、蹴る、被疑者を壁に押しつけ、身動きをとれなくするといった暴行を働き、または机を叩く、大きな声を出し暴言を吐くといった威嚇をし、それが表沙汰になり罷免された、若しくは自ら職を辞した検察官は過去にいるかと問うたところ、過去の答弁書(内閣衆質一七四第一七一号)では、過去に四名の検察官が、取調べの相手方に次の内容の暴行を加える等の行為を働き、懲戒処分又は法務省の内規に基づく処分を受けていることが明らかにされている。
 @ 平成五年十月、取調べの相手方二名にそれぞれ足蹴りするなどの暴行を加え、傷害を負わせる。同年十一月に免職処分を受ける。退職金の支払いはなし。
 A 平成二年七月、取調べの相手方の顔を突き上げる暴行を加え、傷害を負わせる。平成六年六月に停職三カ月の処分を受け、その後退職する。退職金の支払いはあり。
 B 平成六年三月、取調べの相手方の面前にあった机を持ち上げて床に落とし、同机の下端を同人に接触させ、傷害を負わせる。同年十月に停職三カ月の処分を受け、その後退職する。退職金の支払いはあり。
 C 平成十三年三月、取調べの相手方に威迫的で不適切な発言を行う。平成十七年十二月に法務省内規に基づく厳重注意処分を受け、その後退職する。退職金の支払いはあり。
  右と「政府答弁書二」(内閣衆質一七四第二一八号)、「政府答弁書一」(内閣衆質一七四第二七二号)及び「前回答弁書」(内閣衆質一七四第三二八号)を踏まえ、再質問する。

一 先の質問主意書で、@からBの検察官による暴行は、それぞれいつ、どの様にして発覚したのか、実際に暴行が行われた時期とそれが発覚した時期には相違があるが、それはなぜか等と、その経緯を問うたところ、「政府答弁書二」では「御指摘の三名の検察官が取調べの相手方に暴行を加えた件が発覚した経緯については、関係文書が保存されていないため、お尋ねにお答えすることは困難である。」との答弁がなされている。@からBの検察官による暴行が発覚した経緯、また実際に暴行が行われた時期とそれが発覚した時期に相違がある理由を明らかにすることは、行政に対する国民の理解、信頼を深める上でも重要であり、可能な限りの情報を国民に開示する必要があり、少なくとも、A及びBの検察官が取調べの相手方に暴行を行った後、なぜこれほどの間それが発覚せず、隠されてきたのかを明らかにしない限り、検察官に対する国民の不信が消えることはないと考える。右につき、先の質問主意書で千葉景子法務大臣はじめ法務省政務三役の見解を問うたところ、「政府答弁書一」では「お尋ねの各事案については、処分を受けた時期等にかんがみ、御指摘のような調査をする必要はないものと考えている。」との答弁がなされている。前回質問主意書で、処分を受けた時期等に鑑みた結果、なぜ法務省政務三役として、@からBの検察官による暴行が発覚した経緯、また実際に暴行が行われた時期とそれが発覚した時期に相違がある理由を明らかにする必要はないと考えるのかと問うたところ、「前回答弁書」では「御指摘の取調べの相手方に暴行を加えた検察官三名に対しては、必要な調査を行った上で、いずれも平成五年又は平成六年に懲戒処分を行っており、御指摘の取調べの相手方に威迫的で不適切な発言を行った検察官に対しても、必要な調査を行った上で、平成十七年に法務省の内規に基づく処分を行っているところ、既に当該各調査及び処分後相当期間が経過していること、及び右の四名の検察官は当該各処分を受けて退職し、検察官の身分を離れており、このような個人のプライバシーにかかわる事柄でもあること等にかんがみ、改めて御指摘のような調査をする必要はないものと考えている。」との答弁がなされている。右答弁にある、@からCの検察官が暴行を働き、または暴言を吐いたことについて行われた「必要な調査」に関し、
 (1) 行われた期間
 (2) 行った者の官職氏名
 (3) 対象となった者の官職氏名
 (4) 具体的方法
 (5) 記録文書の有無
 の五点を明らかにされたい。
二 先の質問主意書で、@からBの検察官は、それぞれ単独で取調べを行っていたか、それとも、単独ではなく、記録係等の他の者はその場にいたか、他の者がその場にいたのなら、その者は@からBの検察官による暴行を目にしていたはずであり、特にA及びBの検察官が取調べの相手方に暴行を行った後、それぞれ約四年、約七カ月もの間それが発覚しなかったということは、右のその場にいた他の者が、然るべき報告を怠っていたことに他ならないのではないか、またCの検察官について、取調べの際、記録係の事務官等、他の者はいたか、いたのなら、その者はCの検察官の威迫的で不適切な発言について然るべき報告をしているか、していないのならそれはなぜか、更に、「政府答弁書二」では@からCの検察官の不祥事に関し、それぞれ監督責任を有していた検事正や次席検事及び部長等に対して戒告の懲戒処分が行われていることが明らかにされているが、@からCの検察官が取調べを行っていた際に居合わせていた他の者も同様に何らかの責任を負い、処分を受けるべきであり、それらの者に対し何らかの処分は下されているかと問うたところ、「政府答弁書一」では「お尋ねについては、確認できる関係文書が保存されていないため、お答えすることは困難である。」との答弁がなされている。関係文書が保存されていなくとも、当時の状況を知る現職の検察庁職員がいるのなら、その者に当時の状況を問い質せば良いのであり、前回質問主意書で、当時の状況を知る現職の同庁職員に問い質し、また誰が誰に問い質したのか、それぞれの官職氏名を明らかにし、問い質した内容を文書として記録した上で、右の質問に答えることを求めたところ、「前回答弁書」では一の答弁がなされている。一の答弁には「調査を行った」とあるが、その調査の結果、右につきどの様な事実が明らかになったのか。@からCの検察官がそれぞれ違法行為を働いていた際、周囲に他の者はいたのか、いたのなら、それらの者はその際、または事後的にどの様な対応を取っていたのか、詳細に説明されたい。

 右質問する。



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